いつも仕事に追われていて、気がつけば納期ギリギリ……。皆さんはこんな経験、ありませんか? 手帳を活用して予定を管理しようと思っても、優先順位の付け方に悩んで結局挫折……。これもあるあるではないでしょうか。
この連載では『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』(明日香出版社)から一部を抜粋し、プロジェクトマネジメントの手法を取り入れたスケジュールと段取りの組み方を学んでいきます。
今回は第10章「よくある失敗とその対策」の中から「シングルタスク? マルチタスク? いいとこ取りで乗り切る」というテーマを取り上げます。
以下、『仕事は「段取りとスケジュール」で9割決まる!』から抜粋します。
よくある失敗:集中しすぎたり、分散しすぎたりして効率を損なう
「マルチタスクは効率が悪い!」と極端に集中だけを重視して、雑務や細切れタスクを後回しにした結果、予定が圧迫されることはありませんか?
一方で、複数の作業を同時進行しようとすると、どれも中途半端に終わり、ストレスやミスが増えることもあります。
集中すれば効率が上がるはずなのに、極端な方法に走ることで雑務や突発対応が滞り、結果的にスケジュールが崩れる――こんなジレンマを感じている人は少なくありません。
対策:仕事の性質で区別し、時間帯を分けて柔軟に対応する
「集中だけ」「マルチタスクだけ」ではなく、両者をバランスよく組み合わせることが重要です。たとえば、午前中は重要な案件に集中し、午後はメールや電話対応などの細かいタスクをまとめて処理する時間を確保するといった方法が効果的です。重要な作業は、ある程度の区切りまで集中して取り組み、頻繁にタスクを切り替えない工夫が必要です。
さらに、生成AIの進化により、「シングルタスクかマルチタスクか」だけでなく、「AIに任せながら、自分は別の仕事をする」という新しい働き方が可能になりました。たとえば、文章の下書きをAIに作成させている間に会議資料を整理する、データ分析や調査をAIに実行させている間に次の作業の準備を進めるといった形です。やってもらっている時間を活用すれば、マルチタスクのデメリットを避けながら効率を最大化できます。
シングルタスクのメリットを活かしつつ、雑務処理の時間も計画的に確保するバランス感覚が、作業効率向上の鍵です。この柔軟なアプローチを習慣化することで、個人の成果はもちろん、チーム全体の進捗もスムーズになるでしょう。