時計にこめられた、祖父との思い出とは
――いま大事にしている時計はありますか?
2本、あるんです。1つが、母方の祖父の形見で、叔父さんが「これは周平が持ってたら良いよ」って言ってくれたやつで。
もともと、おじいちゃん子だったんです。おじいちゃんおばあちゃんの家に遊びに行ったときに…、あ、これは子どもの頃から言わなくちゃ気が済まないんですが、僕は作文でも「おじいちゃんとおばあちゃんの家」って書かないとどうにも気持ちが悪くて、先生は「どっちかだけで分かるよ」とか言ってくるんですが、どうしても「おじいちゃんとおばあちゃんの家」を成立させたいんです。
で、まぁその家でよく遊んでて、僕は祖父の前ではずっと良い子にしてたんですね。高校では、人を笑わそうと思って先生に怒られて何度も停学になってたんですが。
でも子どもの頃は賢かったので、祖父も期待してくれてたみたいで。祖父は僕が大学4回生のときに亡くなったんですけど、それがちょうどNSCに願書を出すかどうか、すっごい迷ってたときなんです。お見舞いに行ったときに「周ちゃん、大学どうや」って言うから、本当は4単位しか取れてないのに「もう4回生やし卒業も就職も決まってる」ってウソをついて。あとで母から「あんたウソついてたな」って言われるんですけど。
そのあと、祖父の葬儀と火葬を終えたときに「人生ってこんな感じなんや」「だったら、やりたいことやらなきゃ」って背中を押してもらった気がしたんですよ。だから芸人になることを親に伝えるんですが、母が猛反対で。「知り合いが良い占い師さんを知ってるから、せめて今後を見てもらうだけはしてくれ」って言うので、仕方なしに行ったら、占い師さんが第一声で「最近、大事な人を亡くしましたか」って言うんです。祖父が亡くなりました、って伝えたら「その人が、あなたのために一生懸命に修行しています。あなたは芸能関係の仕事に就こうとしていますか?」って聞いてきて。祖父が、芸事の神様のもとで修行してくれているらしく、それを聞いたときに「おじいちゃんには、すべてバレてたのかな」って思いました。そのとき、母も隣で聞いてたので芸人になることが許されて、この時計も形見として僕のもとに来た、という感じでした。
何度か壊れてオーバーホールを繰り返したんですが、また秒針が止まってしまって。直るんですかね? 1960年代のラドーのダイヤスターってモデルなんです。
普段使いにしてるのは、もう1本の時計です。福岡県の北九州市にあるセレクトショップの「STAY SICK(ステイシック)」で買いました。デルマパンゲの迫田さんに、ヴィンテージの時計を独自に再現して販売しているお店を紹介してもらって、他にも何本か購入しましたね。古臭い雰囲気がダイアスターとも似てて好きです。子どもの頃に、父や祖父が付けてたようなデザインに惹かれます。もともとは蛇腹のブレスレットだったんですけど、壊れちゃって。今は皮ベルトに付け替えてて、これも好きですね。
――いま、買いたい時計はありますか?
ほんとはね、ラドーの現行版を買いたいと思ってるんです。そうしたら将来、子どもにも託していけますし。そんな時計を1本、欲しいですね。
――今後は、どんな活動をしていきたいですか?
THE SECONDでチャンピオンになれたんですが、これからも変わらずチャレンジは続けていきたいですね。以前と変わらない気持ちで、ウケるときはウケるし、スベるときはスベるし、挑戦を続けていきます。どんだけ忙しくさせてもらっても、新しいネタで毎月の単独ライブをやっていきたいし、日々、自分を更新していきたいと思ってて。時計の長針の、えーと…。時計の長針が「日々」としたら、短針が「月日の流れ」で。んーと、ちょっと変えますわ。…長針が1周まわったら同じとこに戻ってきてるようやけど、それが螺旋階段のように、上に登っていくような時の刻み方をしたいです。ははは(笑)。今のは、上手く言えてたのかな? 積み重ねていくような、そんな歳のとり方をしたいです。
――4年目を迎える漫才ツアー『闊歩旅‘26』の開催も決まりました。どんな内容になりますか?
これは“ベスト盤”みたいなツアーなんです。よしもと道頓堀シアターで「ネタとニュアンス」って、新作のネタ3本をおろす単独ライブを毎月開催しているんですが、その中でも良いやつを闊歩旅のツアーで出していきます。10月(大阪)、11月(愛知)、12月(東京)でも内容は少しずつ変わっていくと思うんですが、これもある意味、積み重ねですね。これを毎年、できれば一生続けていきたいと思っています。
今年は3公演やるんですが、これが完売できたら来年は4公演、それが完売できたら再来年は5公演…って計画しています。逆に売れなかったら現状維持、2年連続で売れなかったら減らしていきます(笑)。自分にハッパかけてやってます。満席にしたいです。
――ライブを楽しみにされている人に向けて、メッセージをお願いします。
ツートライブを知ってくれている人はもちろん、知らない人もいっぺん「なんや」「どんな感じや」って見に来てくれたら嬉しいです。90分で、絶対に「面白いな」って思ってもらえるようがんばります。このほかツートライブは、ミルクボーイさん、金属バットさん、デルマパンゲさんと一緒に、2024年~2033年まで全国47都道府県を周る『漫才ブーム10年間ツアー』もやってるんで、そちらも良かったら見に来てください。
――お忙しいところ、ありがとうございました。
取材:葉山澪 構成/撮影:近藤謙太郎
ツートライブ漫才ツアー『闊歩旅’26』 ※完売公演あり
【大阪公演】
10/18(日) 開場 19:00 開演 19:30
近鉄アート館
【愛知公演】
11/15(日) 開場 18:45 開演 19:00
大須演芸場
【東京公演】
12/18(金) 開場 19:00 開演 19:30
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