最近、何かと話題になることの多い「アメ車」には、日本車にはない魅力的なモデルがたくさんある。中でも、「究極のアメ車」と呼びたくなる存在が「ハマー」(HUMMER)だ。このクルマにはどんな魅力があるのか、アメ車専門店「スカイオート」(埼玉県越谷市)で実物をじっくり確認してきた。
意外にカラバリ豊富!?
「ハマー」はアメリカの自動車メーカー「AMゼネラル」が1992年から販売を始めた。アメリカ軍向けにAMゼネラルが製造し、1985年から配備を開始した高機動多用途装輪車両「ハンヴィー」の民生版高機動SUVという位置づけだ。1991年に始まった湾岸戦争のニュース映像などを確認すると、このハンヴィーが投入されているのを確認することができる。


「ハンヴィー」は軍用車なので、装備は必要最低限。クルマの快適性向上を目的とした「おもてなし」機能は望むべくもないが、そこもこのクルマの味であり魅力だ。ここスカイオートでは、こうしたハンヴィーも購入できる
ハンヴィーはボディ形状もさまざまで、ルーフに対戦車ミサイルを搭載したモデルや救急車に改造されたモデル、防弾性能を高めたモデルなど多彩なモデルが作られた。
ハマーH1は見た目の通りに大きく、4ドアワゴンタイプの場合でボディサイズは全長4,686mm、全幅2,197mm、全高1,905mm、最低地上高406mm、車両重量は3,245kgに達する。パワートレインは6.5Lの水冷V型8気筒OHVディーゼルターボエンジンを搭載。最大出力195hp/3,400rpm、最大トルク59.4kg-m/1,800rpmを発揮する。そこに4速または5速のオートマチックトランスミッションを組み合わせ、走行環境にもよるが燃費はリッターあたり4~6km/hになるという。ここ最近のクルマ、特にハイブリッド車などと比較すれば、燃費はすこぶる悪い。
軍用車から派生したSUVでありながら、カラーバリエーションが豊富だったこともハマーH1の特徴だろう。ブラックだけでも色味の異なる2色から選べたほか、ベージュやホワイト、黄色や赤などもあった。
このハマーH1を世の中に広く知らしめたのは、1996年公開の映画『ザ・ロック』ではないだろうか。ホテルから黒のハマーH1に乗って逃走する主人公のショーン・コネリーと、それを黄色のフェラーリで追うニコラス・ケイジ。あの激しいカーチェイスは、いま見ても心が躍る。筆者もこの映画でハマーの存在を知ったし、多くのクルマファンを惹きつけたに違いない。
実際に運転席に座ってみると、かなり視界が良いことに驚いた。窓枠が直線的なので車幅の感覚もつかみやすく、取り回しは悪くなさそうだ。
軍用車ハンヴィーの生産は続くが、ハマーH1は2006年で生産を終えた。
ハマーがEVとなって復活!
2002年になると、シボレーのフルサイズSUV「タホ」をベースとしたハマーH1の後継モデル「ハマーH2」の生産が始まる。ハマーH1の雰囲気を残しつつも、前輪にはダブルウィッシュボーン+トーションバー、後輪には5リンクコイルリジッドエアサスペンションを採用して乗り心地を改良。そのラグジュアリーな雰囲気から人気を博した。ハマーH1を街で見ることは少ないが、ハマーH2は日本の道路でもよく見かけたし、トミカにもなった。
2006年にはハマーH2をよりコンパクトにした「ハマーH3」が登場する。排気量はハマーH2の6.0Lから3.5Lにダウンサイズ。日本車でいえば「ランドクルーザー」とほぼ同じサイズ感となり、より扱いやすいモデルとして好評だった。
残念ながら、2009年のゼネラルモーターズ破綻を受けて、ハマーH3の販売は2010年に終了。1992年に登場したH1から3代続いたハマーシリーズは18年の歴史に幕を閉じた。
ところが2021年、GMC(ゼネラルモーターズが展開するピックアップトラックブランド)から、完全な電気自動車として「ハマー EV」が登場する。4.3tという重量級でありながら最高出力1,000PS、最大トルク1,620Nmを誇り、3.5秒で時速100km/hに達するハイパワーと悪路走破性を両立しての復活だった。
デザインは歴代のハマーを連想させながら、モダンにアップデート。ただ、内装については、プラスチック素材を多用していて価格に見合っていないという声も聞かれる。
本国のリリースによれば、「キングクラブ」なる先進的なステアリングモードを導入しており、これを使えば四輪操舵の俊敏性を高められるという。同モードに入れると後輪が前輪よりも速く回転し、狭い場所を走行したり、障害物を回避したり、岩場を登ったりするような場合でも、機敏な操作が可能になるそうだ。このあたりの技術的進歩は大いに歓迎したい。
ハマーはライバルと呼べるようなクルマが存在しない特異なモデルだ。アメ車だけでなく、自動車業界全体を見回しても、ハマーと比べられるような競合は見つからない。だからこそ、惹かれる人が多いのだろう。
すでに生産終了となっているハマーだが、今回訪問したアメ車専門店「スカイオート」なら、お気に入りのハマーを見つけることができるだろう。ハマーのどこが壊れやすいのかといった特徴も全て把握していて、修理やメンテナンスに欠かせない部品もほぼ在庫しているというから、購入後のメンテナンスについても安心感抜群だ。ハマーが欲しいと思ったら、真っ先に訪れたいお店である。
■Information
スカイオート
【場所】埼玉県越谷市南荻島708-1
【営業時間】10:00~18:30
【定休日】火曜日・水曜日





















