高額車の購入費や維持費を経費として計上している経営者・個人事業主の方は多いと思いますが、税務調査で問題視されやすいポイントがあり、否認されないよう注意が必要です。この記事では、適切な勘定科目の選び方、事業利用割合の具体的な証明方法など、高級車の費用計上に役立つ情報を解説します。
そもそも高級車を経費にできる?
「高額な経費は税務署から目を付けられるのでは?」と思う方は多いでしょう。実際の税務調査で、指摘を受けやすい部分であることは確かです。
しかし、経費として適正かを判断するのに、金額だけを絶対的な基準にすることはありません。高額な支出でも、正当性があるなら経費としてきちんと認められます。
高級車の場合でも、事業での必要性を説明できて、常識の範囲内であれば経費として計上可能です。
社用車が経費否認されるリスクとは?
税務調査で「社用車がずっとプライベートで使われている」「業務で使用されていない」と判断されると、経費として認められません。これにより、修正申告や追徴課税が発生するおそれがあります。
否認された分に関して法人税が課されるのに加え、重加算税や過少申告加算税といったさらに重い負担が生じるケースもあります。
高級車を社用車として使いたい方も多いと思われますが、税務署から指摘されないような管理が必要です。
ガソリン代・修繕費は車両費? 勘定科目の選び方と処理の鉄則
この章では、経理・会計で適切な勘定科目の選び方を見ていきましょう。
選ぶべき勘定科目は主に3つ
高級車の購入・維持費を計上するには、「車両運搬具(購入費)」「車両費(維持費)」「租税公課(税金関連)」の勘定科目を使用します。
まず車両運搬具は、法定耐用年数に応じて数年間で減価償却を行います。法定耐用年数は普通車が6年、軽は4年であり、たとえば1,200万円の普通車なら、毎年200万円ずつ減価償却をして費用計上します。
ガソリン代や修繕費、保険料といった維持のための費用は「車両費」を使用します。また、自動車税や重量税などの税金関連の支出は「租税公課」を使用します。
リースの場合は?
リースを利用する場合、月額のリース代を「車両賃借料」の勘定科目で費用計上します。ただし、ファイナンスリース契約の場合は「車両運搬具」で計上し、減価償却が必要なケースがあるため、契約内容をチェックしましょう。
「事業利用割合」を証明する方法は?
社用車の経費計上では、事業で利用した割合を証明する必要があります。
家事按分とは
家事按分とは、業務で使用する割合とプライベートで使用する割合を算出することです。業務利用の割合のみを、経費として計上することになります。
高級車の場合、全部を業務利用として計上することは現実的に難しいため、家事按分を行う必要があります。
運転日報の作成が重要
自動車関連の費用を家事按分するとき、運転日報の作成がおすすめです。利用日時、乗車・降車の時刻、行先、乗車距離などを記した資料があれば、適正な経費計上ができ、税務調査でも慌てずに済みます。
税務調査での否認リスクを最小化する方法
税務署による「経費否認」を回避するための重要なポイントを解説します。
使用状況・車検記録を残す
高級車が、日頃から実際に使用されていることを証明する記録が必要です。たとえば購入後3年間で1万kmくらい走行していれば、実際に業務で使われていることがわかります。
使用状況と車検記録はしっかり保存しましょう。
業務状況も残す
高級車が経費として認められるには、日々の業務状況に関する記録も大切です。具体的には交通費や旅費出張費などが関連してきます。
たとえば交通費や通勤手当などを就業規則によって定めている場合、高級車を出張などで利用した際に交通費が支給されないことにより、業務で使用していることを証明できます。
書類をしっかり保管する
経費計上では、領収書や請求書の保存が基本です。車検費用・ガソリン代・修理代などの証拠がないと、経費として否認される可能性があります。
電子帳簿保存法に対応することも必要なため、デジタルデータでの保存が推奨されます。
趣味性の高い車は避ける
スポーツカーのように、趣味性の高い車種は社用車として認められない可能性が高いでしょう。事業との関連性・必要性が明確でないと、経費計上を否認されてしまうケースが多いためです。


