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( Car ) クルマの新潮流? プラグインハイブリッド特集

中BYD「シーライオン6」は高級車の乗り味で400万円以下! PHEV検討なら素通り不可

FEB. 03, 2026 08:00
Text : 室井大和
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中国のBYDは、プラグインハイブリッド車(PHEV)のSUV「シーライオン6」(SEALION 6)を日本市場に投入した。日本ではこれまで電気自動車(BEV)しか販売していなかったBYDだが、PHEVを持ってきたのは「日本市場に本気」な証拠かも? どんなクルマなのか、一般道と高速道路で確かめた。

  • BYD「シーライオン6」

    日本市場では初となるBYD製PHEVの「シーライオン6」。欧州車に見えなくもない雰囲気が漂う

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質感は1,000万円級、実際の価格は驚きの…!

BYDの設立は1995年。もともとは携帯電話などのバッテリーを作る会社だったが、今では自動車も作っている……どころか、2025年にはBEVの販売台数でテスラを上回りトップに上り詰めてしまった。

シーライオン6で、まず注目したいのはデザインだ。一見すると、ポルシェ「マカン」など欧州SUVの雰囲気が漂っている。

以前、BYDのセダン「シール」の試乗会で担当者と話したところ、イタリアやドイツの自動車メーカーに在籍していたデザイナーが、BYDにはたくさんいると聞いた。シーライオン6の姿を見れば納得だ。特にフロントの鋭いヘッドライト、複雑な造形のバンパー周りはスタイリッシュで素直にカッコいい。

フロントはよくてもリアがいまひとつ、というモデルも多い中、シーライオン6はリアもスッキリとしていて、前後のバランスが取れている気がする。テールライトは空と海の境界線を表現しているらしく、BYDの海洋美学がうまく融合されている。

  • BYD「シーライオン6」

    リアもスッキリとしていて個人的には好みだ

  • BYD「シーライオン6」

    鋭いヘッドライトとバンパー周りの複雑な造形にはBYDのこだわりを感じる

写真で見るよりも、実車はかなり大きくて存在感がある。ただ、乗り込んでみると思ったほどではない。国産のコンパクトSUVよりも、ひと回り大きいくらいの感覚だろうか。

スタートボタンを押すと、エンジンが始動するというよりも、パソコンの電源が入ったかのような不思議な音がする。BEVやPHEVでは当然だが、いつも不思議な気分になる。

シートの座り心地はほどよい硬さとしっとり感の両方が味わえる。インパネ周りの質感も非常に高く、ラグジュアリー感が漂う。価格を知らされなければ、1,000万円級の高級車に乗ったかのような感覚に陥るといっても言い過ぎではない。前輪駆動が398.2万円、4輪駆動が448.8万円からというシーライオン6の価格には驚いた。

  • BYD「シーライオン6」

    シートは全身をしっとりとホールドしてくれるが、バケットシートのような窮屈さはなく乗り心地も良好

  • BYD「シーライオン6」

    インパネ周りはスイッチ類も含めて質感が高い

走りはBEV、走行可能距離は1,000km超

では肝心の走りはどうだろうか。

シーライオン6が搭載する「スーパーハイブリッド」は、ハイブリッドの概念を根底から覆すというのがBYDの説明。モーターが走りの中心にあり、より強力なパワーが必要なシーンでエンジンがサポートする。「EV走行が主体」の設計思想が根底にある。

モーターが主体であるため走りは滑らか。静粛性が高くて経済性にも優れた効率的な走りを実現している。中速域から高速域にかけては、エンジンによる発電とモーター駆動による効率的な長距離巡航を可能にするというメリットがある。

  • BYD「シーライオン6」

    「シーライオン6」は最高出力197PS、最大トルク300Nmを発揮するモーターと最高出力98PS、最大トルク122Nm、排気量1,498ccのガソリンエンジン、総電力量18.3kWhのリン酸鉄リチウムイオンバッテリーを搭載している。燃料はレギュラーガソリンだ

試乗を始めた時にはバッテリーの残量が47%、ガソリンが8~9割入っている状況だったが、航続可能距離は1,014kmを示していた。ここまで長い距離を走行できるのは、スーパーハイブリッド(つまりはPHEV)ならではといっていいだろう。

  • BYD「シーライオン6」

    試乗中に撮影した残りのメーターパネル。EV主体とはいえ、ガソリンでもかなりの距離を走行できる

ブレーキペダルを離してアクセルを軽く踏み込むと、ほぼ無音で走り出す。アクセルをさらに踏み込んでいけば、BEVらしいスムーズな加速を体験できる。このあたりは好みが分かれるだろうが、ガソリンエンジン派の筆者でも、このストレスフリーでパワフルな加速力は病みつきになりつつある。

シーライオン6の走り方には、電気とエンジンを併用する「HEV」モードと電気のみで走る「EV」モードの2種類がある。EV走行が主体という言葉の通り、一般道でアクセルを強めに踏み込んでみても、エンジンが始動することはなかった。ただ、どちらのモードでも、高速道路の流入地点でアクセルを思いっきりベタ踏みすると、エンジンが低音で唸りを上げ始めた。

高速道路のつなぎ目でも振動は少ないし、道路沿いの店舗に入る際に縁石に乗り上げても、突き上げは少なかった。窓を締め切っていれば、大型トラックとすれ違っても車内は静かで、静粛性もかなり高い方だ。

安全性も抜かりはない。特に、「カーブでの速度調整(SAOC)」という機能は役に立つ。車載モニターの設定画面で同機能をONにしておくと、アクティブクルーズコントロール(ACC)またはインテリジェントクルーズコントロール(ICC)作動中、カーブに差し掛かると自動で速度を下げてくれる機能だ。実際、今回の試乗中も、高速道路を時速100km/hに設定してICCで走行していたところ、それなりに「R」のあるカーブにて、時速87km/hくらいまで自動で速度を下げてくれる場面に遭遇した。ACC利用時の安心感が向上する。

  • BYD「シーライオン6」

    カーブでの速度調整はONにしておくことをオススメする

PHEVを検討しているなら最有力候補かも?

今回の試乗で気になる点も探ってみた。ひとつは、左前方の視界があまりよくないこと。Aピラーの付け根とサイドミラーが重なる部分の視界が悪く、左折時に一度だけ自転車を見落としてしまった。もうひとつは、ウインカー点灯時の音が、プラスチックを叩いているかのようで安っぽい。でも、これは慣れれば問題ない。

  • BYD「シーライオン6」

    写真では伝わりにくいかもしれないが、サイドミラー付近の死角には注意したい

PHEVは、どの自動車メーカーも出しているようなメジャーなカテゴリーではない。だからこそ、少ないラインアップの中から慎重に選ぶことになる。もしPHEVのSUVを検討しているのなら、シーライオン6は最有力候補の1台になる。

エクステリアはスタイリッシュで車内の質感は高い。走りも滑らかで、抜群の加速力があり、燃費もいい。それで1,000km以上の航続距離を余裕で確保でき、他メーカーよりも安価となれば、買わない理由が見つからない。走りにもコスパにも優れた良車だ。

  • BYD「シーライオン6」

    ボディカラーはストーングレー。光の当たり具合によってはホワイトにもシルバーにも見える絶妙な色合いだ

  • BYD「シーライオン6」

    後席の居住性も申し分ない。大人3人でも狭さを感じない

BYDのモデルに共通していえるのは、試乗すると、思っていた以上に良さを実感できること。ただ、シーライオン6に関していえば、スタイリングやスペックなど、乗る前から良さを想像できた。それでも、実際に乗ると想像を超えてくる。良心的な価格を含め、クルマとしての出来栄えに魅了された。

BYDのモデルを試乗できる正規ディーラーも徐々に増えてきた。機会があれば、ぜひ一度試乗してみてほしい。

【フォトギャラリー】BYD「シーライオン6」


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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