自民党の高市総裁誕生を契機に公明党が与党離脱を表明し、にわかに政権交代の可能性が浮上しています。過去自民党が野党に転落した際、株式市場はどのように動いたのでしょうか?自民党から政権交代のあった、過去の日経平均の動きを簡単に振り返ります。
自民党で高市総裁の誕生を契機に公明党が与党を離脱
石破総理の辞任表明を受け、自民党で総裁選が行われ、新たに高市早苗総裁が誕生しました。日本初の女性総理誕生の可能性が高まる中で、これまで自民党とともに政権を担った公明党が与党からの離脱を表明。既に両党でも少数与党のため、公明党の与党離脱は高市政権発足に黄色信号が点灯する事態となりました。仮に野党が首相候補を一本化した場合、政権交代の可能性も生じています。
自民党が与党から転落したのは過去2回、その時日経平均はどう動いた?
自民党は過去2回、与党から野党に転落しています。1度目は1993年の細川内閣成立時、2度目は2009年の鳩山内閣成立時です。過去2度の自民党の野党転落時、日経平均はどのように動いたのでしょうか?
1993年8月の細川内閣成立時→日経平均は2万円の高値圏を維持
1993年は4月に日経平均は20,000円に到達し、その後20,000円を前後する値動きが続きました。8月9日に非自民の細川内閣が成立しましたが、日経平均は20,000円の高値圏を推移する状態が継続。
しかし政権内の不協和音が聞かれ始めると、10月後半に日経平均は20,000円を割れて下落トレンド入りし、11月末には15,000円台まで落ちています。最終的には若干反発して17,000円台で1993年の取引を終えました。
2009年9月の鳩山内閣成立時→日経平均は1万円の安値圏を推移
2009年9月の民主党・鳩山内閣成立時は、日経平均が10,000円を前後する状態でした。3月に7,000円割れ目前まで下落した後、7月に10,000円を回復して、その後に政権交代が行われています。
鳩山内閣を皮切りに、民主党政権下で日経平均は10,000円を前後する状態が続きました。細川政権時のような下落トレンドには入りませんでしたが、安値圏での取引が2012年後半の自民党政権復帰まで続きました。
自民党からの政権交代があっても株価にすぐ影響がある訳ではない
過去2度、自民党が野党へ転落し政権交代が行われましたが、政権交代による株式市場の急落は生じていません。今回、高市政権が発足せず野党政権が成立した場合、選挙を経ない政権交代であり過去の事例は参考とならない可能性もあります。
ただし、自民党からの政権交代が株式市場の混乱に直結する訳ではない点は、知っておいて損はないでしょう。
政権の経済や株式市場に対する政権スタンス次第の面が大きい
株式市場は経済の半年先を見通す、と言われることがあります。高市政権が成立せずに野党が政権を取った場合、株式市場の行方は新政権の経済や株式市場に対するスタンス次第の面が大きいと考えられます。
2009年9月から2012年11月までの民主党政権は、大きい政府路線で株式市場が重視される政権ではありませんでした。経済的にも、コンクリートから人へのスローガンなど、理念先行型の政権であり、その結果、株式市場は低迷が続きました。
一方、2012年末の自民党の政権復帰時、自民党は経済重視の政策を訴えており、株式市場は政権交代を素直に好感しました。日本及び世界の経済状況次第の面はありますが、現在の日本経済はトランプ関税の影響を見守る必要はあるものの、経済的には巡航速度に近い状態です。よって、自民党中心の政権であれ野党政権であれ、株式市場はその内閣が示す経済政策を評価する方向となる可能性があります。
弱い政権基盤のため結局は衆院選待ちとなる可能性も
高市内閣の成立と野党の政権交代、いずれの場合でも、他党との連立が必要など政権の不安定要因があり、大胆な政権運営は難しい状態が続きます。このため、大幅な規制緩和や構造改革などの実現可能性は低いと考えられます。
石破政権からの不安定な政権運営は当面続くと見込まれ、高市内閣であれ野党内閣であれ、物語として次の内閣の行方は面白いものの、大きな政策変更などは次回の衆院選後となるのではないでしょうか。まずはどのような内閣が成立するのか、今後の政権の担い手及びその経済政策が注目されます。


