さきごろの日米協調介入により、ドル円レートが大きく動きました。これまでS&P500などの米国株に投資していた方も、為替レートが運用成績に与える影響を、改めて意識するようになったのではないでしょうか?
ドル円レートに振り回されにくい運用は可能か?
円安が進めば、海外資産の円換算での価値が押し上げられる一方、円高になればその逆も起こります。実際、2026年8月半ば以降は株安と円高が進み、ドル円相場は8月末の160円台から9月8日には153円台まで円高が進みました。
とはいえ、為替相場を日々チェックしながら投資先を入れ替えられる人ばかりではありません。では、円高になっても為替の影響を受けにくく、比較的底堅い値動きが期待できる投資先はあるのでしょうか?
そこで今回は、SBI証券投資情報部のシニア・ファンドアナリスト・川上雅人さんに、1年・3年・5年のすべての期間でオルカンを上回った「好成績ファンド9本」をピックアップしてもらい、その実力を検証。直近の円高局面で見えてきた「円資産」の強みについても解説してもらいました。
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2026年に入り堅調だった株式市場は、8月半ば以降、株安と円高が進む調整局面に入りました。米国のS&P500指数と日本のTOPIXはいずれも最高値更新後に反落し、ドル円相場(TTM)も8月末の160円台から、9月8日には153円台まで円高が進んでいます。
こうした環境下で、これまで好成績を続けてきたファンドはどのような値動きをしたのでしょうか。今回は、8月末時点で1年・3年・5年のすべての期間でeMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)(愛称:オルカン、以下同)を上回る実績を残してきたファンドを取り上げ、円安ドル高のピークとなった7月24日以降のパフォーマンスを検証します。
幾多の下落局面を乗り越えてきた好成績ファンドとは
この5年間は、右肩上がりの相場ばかりではありませんでした。2022年は米連邦準備制度理事会(FRB)の急速な利上げを背景に主に米国のグロース株が下落し、2023年は米国の金融引き締めの長期化観測などから世界的に株式が一時調整する局面がありました。2024年には日本銀行の利上げや円高の進行を受けて主に国内株式が下落する場面があり、2025年にはトランプ政権の関税措置(いわゆる関税ショック)を受けて世界的に株式が下落しました。
今回抽出した9ファンドは、こうした複数の下落局面を経ながらも、1年・3年・5年のいずれの期間でもオルカンを上回るリターンを残してきたファンドです。単年の成績が良いだけでなく、異なる要因による相場変動を乗り越えてきた点も、これらのファンドを取り上げる意味といえます。
こうして5年にわたり好成績を残し続けた9本を、プロ野球で各ポジションの最優秀選手に贈られる「ベストナイン」になぞらえ、以下では「ベスト9」と呼ぶことにします。
ベスト9は、以下の条件で該当ファンドを抽出しました。
・SBI証券取り扱い(インターネット購入可)のNISA成長投資枠対象ファンド
・直近1年・3年・5年の年率リターンが、いずれもオルカンの実績(1年:33.12%、3年:24.29%、5年:19.72%、いずれも2026年8月末基準)を上回っている
・ファンドレーティング(総合)が5ツ星
・コモディティ(金)関連ファンドは、5年リターン上位1本のみを採用
・5年リターンの高い順に表示
該当した9本が図表1です。次のページで、各ファンドの解説をします。


