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アルファロメオの新車「ジュニア」に試乗! 小さなSUVにアルファらしさはあるのか

JUL. 07, 2025 11:30
Text : 原アキラ
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アルファロメオが新型コンパクトSUV「ジュニア」を日本で発売した。電気自動車(BEV)とマイルドハイブリッド車(MHEV)の2タイプで、420万円からのMHEVは燃費23.1km/Lを公称。アルファの入門編として選ぶのにはピッタリの1台だが、問題は乗って楽しいクルマかどうかだ。さっそく試乗してきた。

  • アルファロメオ「ジュニア」

    アルファロメオが6月24日に日本で発売した新型コンパクトSUV「ジュニア」。この日はアルファロメオが創業115周年を迎えた日でもあった

BEVとMHEV、顔も2つに

ジュニアのボディサイズは全長4,195mm、全幅1,780mm、全高1,585mm、ホイールベース2,560mmとコンパクト。パワートレインはBEVとMHEVの2種類だ。

  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」

    上がBEV、下がMHEV。顔つきとパワートレインが異なる

「エレットリカ」のサブネームを持つBEVは、最高出力115kW(156PS)、最大トルク270Nmを発生。容量54kWhのリチウムイオンバッテリーを搭載し、一充電の航続距離494km(WLTCモード)を実現している。

  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」

    発表会でお披露目されたBEVの「エレットリカ」

  • アルファロメオ「ジュニア」

    当然ながら、メーターにはモーターのみで走るという表示が

MHEVは最高出力100kW(136PS)、最大トルク230Nmの直列3気筒DOHCターボエンジンに16kW(21.8PS)/51Nmのフロントモーターを組み合わせる。サブネームの「イブリダ」はイタリア語で「ハイブリッド」の意味だ。トランスミッションは電子制御の6速デュアルクラッチ式ATを採用。WLTCモード燃費23.1km/Lを公称している。

  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」

    MHEVの「イブリダ」

シャシーはステランティスの「CMPプラットフォーム」を採用しているので、同グループ内のコンパクトSUVであるジープ「アベンジャー」やフィアット「600」、プジョー「2008」と基本的なスペックは共通だ。他と差別化するため、それぞれが個性的な衣装をまとっているのだが、今回のジュニアもアルファロメオらしいデザインで我々を魅了する。

デザインを担当したチーフエクステリアARデザイナーのボブ・ロムケス氏は、ジュニアの特徴として進化したトライローブ(三つ葉)形状のフロントグリル、3眼のヘッドライト、直線や平面がない塊感のあるボディ、1960年代にアルファロメオが先鞭をつけた「コーダトロンカ」(空力特性のためにリアエンドを断ち切った形状)などを挙げた。グリル中央にある逆三角形のスクデットには、ブランド初となるBEVモデルにふさわしい「ピスチオーネ」(同ブランドを象徴するヘビのこと)を透かし彫りしたブラックの「プログレッソ」を装着。MHEVにはメッシュに筆記体の「alfa Romeo」ロゴをまとった「レジェンダ」を取り付けるという芸の細かさだ。

価格はBEVの「エレットリカ プレミアム」が556万円、MHEVの「イブリダ プレミアム」が468万円、「イブリダ コア」が420万円とこちらも魅力的。デビュー記念のMHEV限定モデル「イブリダ スペチアーレ」(200台)はプログレッソグリルやサベルト製スポーツシートなどが付いて533万円だ。

  • アルファロメオ「ジュニア」
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    「イブリダ スペチアーレ」はサベルト製のスポーツシートが備わる

MHEVのイブリダにさっそく試乗!

発表会の直後に、さっそくMHEVのイブリダに試乗することができた。

  • アルファロメオ「ジュニア」

    「ジュニア イブリダ」に都内の一般道で試乗した

グレードはプレミアムでボディカラーは緑がかったナヴァリブルー/ブラックルーフの2トーン。駐車場に佇むジュニアは、alfa Romeoの筆記体ロゴを装着したレジェンダグリルと日本専用にオフセットして取り付けたナンバープレートを組み合わせたアグレッシブな顔つき、Cピラーにうっすらと施されたピスチオーネ、電話機のダイヤル(若い人にはわからないかも)からインスプレーションを得たという5輪デザインの18インチホイールなど、どこを見てもスペシャル感がある。写真で見るより、実物の方が断然いい。

  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」
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    エンジン搭載車なので、リアには2本出しマフラーが備わる

インテリアは、大きな丸いひさしの奥に取り付けられたメーターや四つ葉のクローバーを模した丸型エアコンルーバー(センターには小さなピスチーネが)などでアルファモデルらしさを強調する一方で、ステアリングや空調、シートのスイッチ部分などにはステランティスの他モデルと同じ規格のパーツを採用していて、上手にコストダウンした様子がうかがえる。

  • アルファロメオ「ジュニア」
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  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」
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    アルファロメオらしさが感じられるインテリア

ゆっくり走り出すと、30km/hくらいまでは電気だけで走るのでとても静か。さらに加速しようとアクセルを踏み込めば3気筒エンジンがすぐに始動するのだが、音の質や量は気になるものではない。メーターからは、パワーフローを頻繁に切り替えながら、1,330kgの比較的軽量なボディをなるべく効率よく走らせようとしている様子が見て取れる。

アルファロメオといえば、「ジュリア」や「ステルヴィオ」などの上級モデルのように、ステアリングを1センチ切ると即座に鼻先が向きを変えるようなキレの良い特性を期待する向きも多いと思うのだが、さすがにジュニアは入門車だけあって、そこはちょっと控えめ。コーナーではゆったりとしたロールを伴って、上手に向きを変えていく。つまるところ、新たにアルフィスタになったドライバーや同乗するご家族にとって、まずは安心して付き合えるセッティングにしているのだ。

  • アルファロメオ「ジュニア」

    アルファ初心者でも付き合いやすいセッティングになっていた

ただ、回生が強めなので、一定速度で減速して停止するようなシチュエーション(例えば信号で止まるような時)で、わずかにギクシャクするブレーキの癖に慣れるのには少しだけ時間がかかりそうだ。

前出のステランティスの3台をはじめ、フォルクスワーゲン「Tクロス」、レクサス「LBX」、ミニ「クラブマン」など、群雄割拠のプレミアムコンパクトSUV市場に新たに登場したジュニア。まだエレットリカは試していないけれども、見た目だけでイブリダを選んでもOK、と胸がさわいでしまった筆者なのだった。

  • アルファロメオ「ジュニア」

    「ジュニア」発表会の冒頭では男女2名のオペラ歌手が登場。派手な演出だった

  • アルファロメオ「ジュニア」

    発表会にはアルファロメオのサント・フィッチリCEOがビデオ出演。「ジュニアはすでに世界で4万台以上の受注があり、そのうち15%がBEV(電気自動車)という人気モデルになっています」とコメントした。日本市場については「インドやアジア太平洋地域での販売の50%以上を占める」重要な市場であるとした

  • アルファロメオ「ジュニア」

    最初は「ミラノ」の名称で登場する予定だったが、諸般の事情で「ジュニア」に変更となった。この名前は「1300ジュニア」に由来している

  • アルファロメオ「ジュニア」
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  • アルファロメオ「ジュニア」
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    ダッシュボード脇やエアコンルーバーなど、あちこちにアルファロメオの要素を散りばめ、他モデルとの差別化を図っている

  • アルファロメオ「ジュニア」
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  • アルファロメオ「ジュニア」
  • アルファロメオ「ジュニア」

    メーターのパワーフローでエンジンがオン・オフを繰り返しながら走っていることを確認

  • アルファロメオ「ジュニア」
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    走行モードは「ダイナミック」「ナチュラル」「アドバンスド」の「dna」から選択できる


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※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。予めご了承ください。

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