日本でも徐々に注目度が高まっている様子の布製タイヤチェーン。強度や効き目を疑問視する人もまだまだいるようだが、実際のところはどうなのか。この冬からヨーロッパ生まれの布製タイヤチェーン「スノーソックス」の取り扱いを始めたトムスに聞いた。
布製タイヤチェーンは強度が心配?
トムス(TOM'S)は2024年10月、イッセ(ISSE)製の布製タイヤチェーン「スノーソックス」をトムス仕様で発売した。
東京オートサロン2025のトムスブースで話を聞いた担当者によると、布製タイヤチェーンは日本ではまだまだ浸透していないが、欧州では「どちらかというと、(金属製ではなく)布製タイヤチェーンがメインです」とのことだ。
日本でスノーソックスの取り扱いを始めてからは製品の「強度」についてよく問い合わせを受けるという。布製と聞いて、強度を不安視する人たちの気持ちもよくわかる。
イッセのスノーソックスについては強度は十分だとトムスの担当者。雪道はもちろんのこと、雪が解けた後のドライ走行も問題なくこなせるそうで、砂利道などのハードな路面も走行することが可能だという。ただ、当然のことながら製品としては雪道の走行を想定したものなので、スノーソックスを装着したままドライ走行をし続けることは推奨されていない。
スノーソックスは1枚の布から作っているため、布と布の継ぎ目からほつれていくような心配もないとのこと。1度買えば何年も使えるので、1シーズン使ったら洗って、後はトランクに積みっぱなしでOKだ。
スポーツカーに最適?
もうひとつの不安は「本当に効くのか」だが、スノーソックスは特許出願中の特殊な織り方で作っており、「しっかりと雪にかみついて、滑りません」というのがトムス担当者の説明だ。ただ、こればかりは使ってみないとわからない部分でもある。
金属製に比べ布製タイヤチェーンは装着が手軽で、5分もあれば取り付けることができるという。タイヤと車体の間のスペースが少ないクルマでも装着できるのは布製タイヤチェーンの利点だ。タイヤハウスに手が入れば装着できるとのことだから、スポーツカーや「カスタムで車高を下げたクルマに乗っている人にも適した製品だと言える。
軽くてコンパクトな布製タイヤチェーンは使わないときも荷室の場所を取らないし、重さでクルマに悪影響を与えることもない。念のために買ってトランクに積んでおけば、いざという時に助かるかもしれない。