KDDIは25日、スタートアップ企業やエンジニアを対象とした支援プログラム「KDDI ∞ Labo」第5期の参加チームをメディア向けに発表した。第5期で選定されたのは「学生枠」を含む計5チーム。この中から利用者の生活を変える新規事業がうまれるのか。同社は3カ月間のプログラムを通じて、各サービスの支援を行う。

「KDDI ∞ Labo」5期の参加チーム

同社の新規ビジネス推進本部 KDDI ∞ Labo長 江幡智広氏によると、今回の選考では「スマートフォンが生活に入ってきた中で、解決されていない課題にきちんとフォーカスし、結果としてユーザーの生活を豊かにするようなサービスであるか」「3カ月間というプログラム期間の中できちんとしたゴール設定ができているか」に注目してきたという。

今回の発表では同氏の挨拶の後に、各チームが5分の持ち時間で自分たちの事業を説明した。

1: スマオク

ザワット代表の原田大作氏

スマオクはスマホ特化型のブランド古着オークションアプリ

スマオクは、ザワットが開発するブランド古着オークションアプリ。商品をスマートフォンで撮影するだけで簡単に出品できる。アプリ内で「いいね!」などのアクションや入札が可能で、出品者側が納得する値段になった時点で落札できる仕組みになっている。決済は同社が行う。ターゲットは20代・30代の女性。出品商品はプラダ、ヴィトン、ケイトスペード、コーチなどのブランド商品を想定する。

同社代表の原田大作氏は「既存のインターネットオークションは終了間際になってから入札が入り、自動延長されてなかなか買えないなどスマートフォン時代に合っていない」としており、世界で一番シンプルなオークションの仕組みを目指すとしている。

2: Dr.Wallet

BearTail代表の黒崎賢一氏

Dr.Walletは人力入力が特徴の家計簿サービス

既存の家計簿サービスに比べて情報のデータ化に手間がかからず、継続的に利用できるという

Dr.Walletは、BearTailが運営する家計簿サービス。ユーザーはレシートを撮影して送信し、運営側は送られてきた画像を元に情報を手入力する。そのため、従来の家計簿サービスに比べて、入力の手間がかからず、継続的に利用できるという。また入力したデータは自動分類エンジンにより、簡単にグラフ化できる。現在、PC/iOS/Android版を提供。なお同チームは今回唯一の学生枠となる。

3: PEDALRest

PEDALRest代表の中島大氏

遊休スペースを提供する側のメリットとして「提供スペースと収益が比例し、継続的な収益を生むことができる」と説明した

PEDALRestは、遊休スペースを自転車通勤者に提供することで、放置自転車問題の解決を目指すマッチングサービス。ビジネスモデルは、オンライン決済や自転車保険の加入代行などを行い、マージンを受け取る仕組み。

同チーム代表の中島大氏によると初期ターゲットは「都心に住み、自宅から駅までを"そこそこお洒落な自転車"で通勤する人」。ターゲットとマッチングできる遊休スペースが都心にあるかについては「空いてるスペースに自動販売機を置くなど、遊休スペースは多い」ため、マッチング可能としている。

4: アオイゼミ

葵代表の石井貴基氏

アオイゼミは中学生向けのオンライン学習塾。毎週リアルタイムで授業を配信する

アオイゼミは、葵が運営する中学生向けの無料オンライン学習サービス。毎週月曜から木曜の夜にライブストリーミングによる授業を開講。授業はUstreamやニコニコ動画などで同時配信され、現在約1,500人がリアルタイムで同時受講している。コメントによるユーザー同士のコミュニケーションが特徴で、授業に対する理解度や反応を見ながら「みんなで学べる」仕組みが生徒のモチベーション向上に繋がっているという。

オンライン授業は約1,500人が同時受講、ユーザーは「できたよ!」「なるほど!」などのアクションを授業に対して行える

授業に対する他のユーザーの反応がわかることが継続につながる、と読者の声を紹介

同社代表の石井貴基氏は「ユーザー同士のコミュニケーションがライブ授業中しかできず、現状ではTwitterなど外部のSNSで繋がっている」と同サービスの問題点を挙げ、今回のインキュベートプログラムでは「学習コンテンツとコミュニケーション機能がまとまったSNSの開発を目指す」と説明した。

5: zukan

ズカンドットコム代表の山出潤一郎氏

zukanはユーザーが投稿した画像を分類し、まとめる投稿型ズカンサービス

zukanは、ズカンドットコムが運営するユーザー投稿型の図鑑サービス。ユーザーが撮影した写真を投稿し、分類することで画像のデータベースを作成できる。現在、同サービスでは魚の画像3万枚以上を集めた「WEB魚図鑑」を公開中。ビジネスモデルは広告収入と、投稿された画像のレンタルサービス。

同社代表の山出潤一郎氏は「世界中のだれでも、どんな分野でも、投稿型の図鑑を作成できる新しいプラットフォーム」とサービスの魅力を説明。今回のプログラム期間中に、iPhoneアプリのリリース、一般参加者による図鑑の作成機能の公開を目指すという。

(記事提供: AndroWire編集部)