トイレの寿命はどのくらい?
トイレの寿命はどのくらいなのでしょうか。
ここでは、トイレ全体の寿命と部分別の寿命について説明していきます。
トイレの寿命は10年~15年程度!
冒頭に書いたように、一般的なトイレの寿命は10年~15年程度だといわれています。
トイレにはたくさんの部品が使われており、15年以上使用できる部品もあれば、5年〜10年程度で寿命を迎えるものもあります。
部品それぞれの寿命に差はあり、掃除の頻度や家族の人数(トイレの使用頻度)によっても変わってきますが、一般的にはトイレ全体の寿命を考慮した年数が10年~15年です。
トイレの部分別の寿命について
トイレには、便器・便座・タンク・パッキンなどのさまざまな部品が備えられています。トイレの部分別の寿命を見てみましょう。
- 便器、タンク:100年程度
- パッキン、配管、便座:5年〜10年
- ウォシュレット・シャワートイレ:10年程度
陶器製の便器やタンクは、ヒビや傷が入らなければ100年以上は使えるといわれるほど耐久性に優れた頑丈な部品です。
しかし、使い続けているうちにひび割れや細かい傷が入ったり、変色したりすることがあります。見た目を損なう変化が起こったときには、便器の耐久年数を迎えたと考えて良いでしょう。
パッキンや配管、便座の寿命は、早ければ5年〜6年、長くても7年〜10年だといわれています。
パッキンや配管が劣化したり故障したりすると、水漏れやつまりなどの原因になるため早めの交換が必要です。
パッキンや配管は目に見える部分に設置されていないので、劣化に気づきにくいかもしれませんが、耐用年数をもとにメンテナンスや点検を行ってください。
ウォシュレット・シャワートイレなどの温水洗浄便座の寿命は10年程度といわれていますが、使用頻度によって前後します。頻繁に使用している場合には、10年経つ前に故障することもあるでしょう。
リモコンや洗浄ノズル、暖房機能、自動開閉機能など、いずれかの機能が故障した際には、寿命を迎えたと考えてください。
トイレの交換時期はいつ?
前項ではトイレの寿命を紹介しましたが、具体的にいつトイレを交換すればいいのか気になりますよね。トイレ交換は以下のようなタイミングで行うことをお勧めします。
- 設置から年数が経ったとき
- 部品が故障したとき
- 劣化が気になり始めたとき
- 高機能トイレを使いたいと思ったとき
- バリアフリー化が必要になったとき
それぞれ詳しく説明していきましょう。
設置から年数が経ったとき
トイレの寿命は15年程度だとお伝えしてきました。
故障やトラブル、何らかの症状が見られなくても、設置から15年以上経っているのなら交換のタイミングと言えるでしょう。
耐用年数を超えて使用すると、故障や詰まりなどのトラブルがいつ起こってもおかしくない状態です。トイレが故障してしまうと修理や交換をするまではトイレを使うことができないので、非常に困ります。
設置年数も交換の目安として考えておきましょう。
部品が故障したとき
トイレの交換を検討するタイミングの一つが、部品の故障です。
水漏れやつまりなど、トイレではさまざまなトラブルが起こります。初期不良の場合や設置年数が経っていないのなら部品交換で対応できますが、設置年数が経っているのならトイレ本体の交換をお勧めします。
せっかく修理をしても、すぐに他の部分でトラブルが起こる可能性があるからです。先ほどもお伝えしたように、パッキンや配管は5年〜10年、ウォシュレットやシャワートイレなどの温水洗浄便座は10年程度で寿命を迎えます。
経年劣化によってトラブルが起こっているということは、他の部品も劣化しているということです。部品の故障もトイレ交換をする一つのタイミングだと考えてください。
劣化が気になり始めたとき
トイレを使い続けていると、便器の劣化による汚れや変色が目立ち始めます。またひび割れほどではないにしろ便器の表面に細かい傷ができると、そこから汚れが入り込んで黒かびや尿石が発生しやすくなってしまうからです。
そのため「掃除してもすぐに汚れる」「変色が気になる」といった場合にも、交換のタイミングだと言えます。とくに汚れは臭いの原因にもなるので、早めに対処しておきたいものです。
最新のトイレは防汚コーティングや脱臭機能が付いており、手入れが簡単な商品も多くあります。気持ちよくトイレを使うためにも、劣化が気になるのであれば交換を検討しましょう。
高機能トイレを使いたいと思ったとき
高機能トイレを使いたいと思ったときも、交換のタイミングと言えます。
最新のトイレはとても機能が進化しており、ふたの自動開閉機能をはじめ、除菌機能や節水機能などのさまざまな機能を備えているトイレもあります。
とくに最近のトイレは清掃性が高い商品が多いので「掃除が苦手」「掃除をする時間がない」「トイレを常に清潔にしておきたい」という人にはうってつけです。節水性が高い製品も多いため、トイレの使用頻度が多い場合には省エネ効果も実感できるでしょう。
高機能トイレが気になっているのなら、いろいろな商品を比較検討してみてください。
バリアフリー化が必要になったとき
バリアフリー化が必要になったタイミングでトイレを交換するのも、一つの方法です。ウォシュレット・シャワートイレやリモコン式のトイレを導入すれば、身体への負担も少なくなるでしょう。
また、介護目的でトイレをリフォームする場合には、介護保険を利用できる可能性もあります。対象条件や限度額などが決められていますが、最大で18万円(上限費用20万円の9割)が支給されるので、少ない負担額でリフォームすることが可能です。
ただし、便器は和式から洋式へのリフォームが対象なので、洋式から洋式へ交換する場合には補助金は支給されません。あくまで介護目的のリフォーム工事が対象なので、何が対象で何が対象外になるのか、工事前に必ず業者に確認しておきましょう。
古いトイレを使い続けるデメリット
「故障していないのに交換するのはもったいない」「故障するまで使いたい」と考えるかもしれませんが、現在使っている古いトイレをそのまま使い続けることには以下のようなデメリットがあります。
- 突然故障する可能性がある
- 水道料金が高い
- 掃除が大変
それぞれ詳しく見ていきましょう。
突然故障する可能性がある
古いトイレを使い続けていると、突然故障する可能性があります。問題なく使えているように思えても、目には見えないだけで劣化や不具合が発生したり、汚れが蓄積したりしているからです。
トイレが突然故障すると、修理するまでトイレを使用できないので非常に困ります。古いトイレを使い続けることには、突然故障するリスクだけではなくトイレが使えなくなるリスクもあるのです。
水道料金が高い
古いトイレは新しいトイレと比べて流れる水の量が多い傾向にあり、水道料金が高くつきます。
TOTOが発表しているデータによると、古いトイレと最新のトイレでは洗浄水量に大きな差が出ていることが分かります。
種類 | 洗浄水量 |
---|---|
1987年〜2001年のトイレ | 洗浄水量13L |
1999年〜2004年のトイレ | 大便器8L、小便器6L |
3.8L便器 | 大便器3.8L、小便器3.3L |
出典:TOTO「ネオレストAH・RHメニュー」節水・節電(エコロジー)
古いトイレの大便器が13Lなのに対して、最新の3.8L便器の洗浄水量はたったの3.8Lと半分以下。では、水道料金にはどれくらいの差が出るのでしょうか。
洗浄水量を年間水道料金に換算してみましょう。
種類 | 水道料金 |
---|---|
1987年〜2001年のトイレ | 約20,100円 |
1999年〜2004年のトイレ | 約10,100円 |
3.8L便器 | 約5,100円 |
出典:TOTO「ネオレストAH・RHメニュー」節水・節電(エコロジー)
大便器13Lのトイレから3.8L便器に交換すれば、年間で約15,000円も水道料金を削減できることが分かります。逆を言えば、古いトイレを使い続けていると、年間で15,000円も余分な水道料金を支払っているということです。
トイレを流れる水の量が多く水道料金が高いことも、古いトイレを使い続けるデメリットだと言えるでしょう。
掃除が大変
古いトイレは掃除にとても手間がかかります。トイレは使い続けるうちに傷が付き、汚れやすくなってしまうからです。
汚れやすいトイレはブラシを使いこまめに掃除をしなければならないので、掃除に時間と労力がかかります。トイレ掃除をサボるとすぐにトイレが汚れ、見た目を損なうだけではなく臭いが発生することも。
古いトイレを使用していると、掃除が大変というデメリットもあるのです。
トイレ交換をするメリット
新しいトイレに交換すると、以下のようなメリットがあります。
- ・節水効果が期待できる
- ・掃除が簡単になる
- ・トイレの臭いを解消できる
節水効果が期待できる
新しいトイレは、節水性が高く省エネ性に優れた商品が多くあります。前項で紹介したように、最新のトイレの洗浄水量は古いトイレの半分以下にまで減っており、年間水道料を15,000円も削減できる計算になります。
水道量の大半を占めるのはトイレと言われており、世帯人数の多い家庭では水道料金の約30%がトイレの洗浄水であることも。
トイレを使う回数が多いほど、新しいトイレに交換するメリットは大きいと言えるでしょう。
掃除が簡単になる
新しいトイレは清掃性を高めるために、さまざまな工夫がされています。たとえば、フチなし便器やタンクレストイレ、表面加工が施されているトイレは、掃除がとても簡単です。
それぞれのトイレのタイプ別に特徴を見てみましょう。
【フチなし便器】
その名の通り、便器の側面にフチがないトイレです。フチがない便器は汚れが溜まりにくく、掃除の際にも拭き取りが簡単。便器を掴むようにシートで沿わせるだけで汚れを拭き取ることができます。
【タンクレストイレ】
タンクレストイレはタンクや手洗いがなく凹凸が少ないので、掃除をするスペースも少なく済みます。スタイリッシュな見た目はもちろん、掃除が楽という点も人気の理由です。
【表面加工】
新しいトイレは便器表面に防汚加工がされていることが多く、汚れが付着しにくくなっています。表面加工によって傷ができにくいので、経年劣化にも強いこともメリットの一つです。
ただし、表面加工が施されているトイレは使用できる洗剤や道具が制限されていることが多く、知らずに使用すると加工が剥がれてしまう可能性があります。
必ず説明書を確認してから掃除を行いましょう。
トイレの臭いを解消できる
長年放置してしまった汚れは非常に頑固で、強力な洗剤を使用しても除去できないケースもあります。臭いの原因が頑固な尿石や黒かびである場合には、新しいトイレに交換すれば臭いを解消できるでしょう。
ただし、便器だけではなく壁紙や床にも黄ばみや黒かびが発生している場合には、トイレ全体のリフォームが必要です。
ハウスクリーニングに依頼して汚れを除去してもらう方法もありますが、設置から年数が経っているのならトイレ本体の交換をお勧めします。
この様に、新しいトイレに交換することで快適に過ごすことができますね。
トイレ交換の費用相場
トイレの交換は、費用を確認したうえで検討したいという方も多いでしょう。トイレのリフォームの費用相場はどのくらいなのでしょうか。
トイレの便器交換や内装のリフォームにかかる費用相場は、15万円〜30万円です。
壁や天井などのクロスや床のクッションフロア、タオル掛けや換気扇の交換なども含めたトイレ全体のリフォームとなると15万円を超えることがほとんどですが、便器のみの交換であれば10万円以下で済ませることもできます。
ただし、便器は種類によって価格が大きく前後するので、タンクレストイレや高性能な便器を選ぶとその分費用も高くなるでしょう。
トイレ交換の費用は以下の記事で詳しく紹介しています。
こちらの記事も併せてご覧になってください。
まとめ
トイレの寿命は15年程度だといわれているので、15年を目安に交換を検討すると良いでしょう。しかしトイレの寿命は使用頻度や環境によって前後するため、年数が経っているからといって必ず交換が必要なわけではありません。
故障したり劣化が気になったり、使いづらさを感じたりしたときが交換のタイミングです。高性能トイレを使ってみたいと思ったときに、新しい便器に交換するのも良いでしょう。
トイレは日々の生活に欠かせないものです。今回紹介した内容を参考にして、交換時期を考えてみてください。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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