水漏れ時の応急処置方法
トイレの水漏れに気付いたら、まずは被害を最小限に抑えるために応急処置を行いましょう。最初に行うべきことは以下の2点です。
- 止水栓を閉める
- 電源プラグを抜く
まず止水栓を閉めて水の供給を止めます。
ネオレストの場合、止水栓は本体横の「すっきりパネル」内部にあり、マイナスドライバーを使って時計回り(右回し)に締めれば閉まります。

引用元:TOTO「止水栓の閉め方と調整方法」
次に電源プラグをコンセントから抜いてください。ネオレストは電化製品でもあるため、水漏れ時に電源が入ったままだと漏電など二次被害のリスクがあります。これらの処置で水漏れは一時的に収まり、安全も確保できます。
応急処置ができたら、漏れた水をタオルなどで拭き取りましょう。床に水が広がったまま放置すると、フローリングのシミや腐食の原因になります。バケツがあれば、念のため漏れている箇所の下に置いて受け皿にしておくと安心です。
また、ネオレストはタンクレストイレなので給水を止めるとタンク内の水はありませんが、念のためトイレは使用せず原因究明と修理に取り掛かってください。
ネオレストが水漏れする原因
ネオレストから水が漏れる原因としては以下のようなものがあります。
- 給水管の接続部分から水漏れ
- ネオレストの給水フィルターが原因の水漏れ
- 水抜き栓からの水漏れ
- ノズルからの水漏れ
ネオレストで水漏れが発生する箇所は主に決まっています。以下では、ネオレスト本体から水漏れする代表的な原因を4つ挙げ、それぞれどの部分から漏れるのか、なぜ漏れるのかを解説します。原因を特定することは適切な修理の第一歩です。それぞれ該当しそうな症状がないか確認してみましょう。
給水管の接続部分から水漏れ
ネオレストへ水を送る給水管と本体の接続部から水が漏れている場合、その接続部にあるパッキン(ゴムパッキン)が劣化して隙間が生じている可能性が高いです。

金属ナット周辺からポタポタ水が垂れるようなら、ここが疑わしい箇所です。
給水管は止水栓からネオレスト本体までフレキシブルホースで繋がれており、その接合部には水漏れ防止のためのパッキンが入っています。長年使用するうちにパッキンが硬化・ひび割れして水をせき止められなくなると、水滴が滲み出してきます。
接続部からの水漏れ原因としては、パッキン劣化の他にナットの緩みも考えられます。施工時やメンテナンス時にナットがしっかり締まっていないと、そこから水が漏れてしまいます。
また、稀にですが給水管自体に亀裂が入っていたり本体側の接続口に異常がある場合も漏水の原因になります。
まずはナットの緩みやパッキン状態をチェックし、必要に応じて後述する方法で対処しましょう。
ネオレストの給水フィルターが原因の水漏れ
ネオレストには給水フィルターという部品が備わっています。給水管から入ってくる水に混入したゴミやサビをキャッチするフィルターで、多くの機種では本体側面や下部に取り付けられています。
給水フィルター周辺から水漏れしている場合、フィルター内部のパッキンが劣化して隙間ができ、水が漏れていると考えられます。
フィルターのパッキンはゴム製で、水圧に耐えて水漏れを防ぐ役割があります。しかし長期間使用するとゴムが劣化・変形し、水密性が低下します。その結果、フィルターを締め込んでいてもわずかな隙間から水が漏れ出すことがあります。
給水フィルターそのものにヒビや破損がある場合も同様です。また、フィルターがきちんと締まり切っていない(半締まり)の場合も水漏れの原因になります。フィルター部からポタポタと水が垂れるときは、後述するフィルター部分の修理方法を試してみましょう。
水抜き栓からの水漏れ
水抜き栓とは、トイレを長期間使用しない際などに内部の水を抜くための栓です。ネオレストのようなタンクレストイレでは本体内部に水を貯めない構造上、給水経路の途中にこの水抜き栓が設けられています。
水抜き栓から水漏れしている場合、考えられる原因の多くは内部パーツ(パッキンやピストン)の経年劣化です。水抜き栓にも小さなOリング状のパッキンが入っており、これが劣化・損傷すると密閉できずに水が漏れます。実際、水抜き栓からの水漏れ原因の約8割はパッキン(Oリング)の劣化によるものだといわれています。
他にも、水抜き栓がしっかり閉まっておらず半開きの状態でも水漏れが起こります。一度水抜きをした後に完全に締め戻していないと、わずかな開放状態からチョロチョロ水が漏れることがあります。
また、水抜き栓自体やその配管が割れていたり、もし電動式の水抜き栓(住宅全体の元栓を遠隔操作するようなタイプ)が故障している場合にも、水が止まらなくなることがあります。ネオレスト単体の水漏れであれば主にパッキン不良ですが、念のため緩みや破損がないか確認してください。
ノズルからの水漏れ
ウォシュレットのノズル部分(おしり洗浄などに使うノズル)からポタポタと水が垂れてくるケースもあります。ネオレストのノズルから水滴が漏れる場合、まず疑うべきなのは「ノズルきれい」機能です。
ネオレストを含む最近のウォシュレットには、使用前後に自動でノズルを洗浄する「ノズルきれい」という機能があります。この機能が作動している間は、一見するとノズルから水漏れしているようにチョロチョロと水が出ますが、これは故障ではなく正常な動作です。
もし漏れがごく少量で、タイミングがウォシュレット使用直後や使用前のみであれば、この機能による水かもしれません。
しかし、上記とは関係なく常時ノズル先端から水が滴るようであれば部品の不具合が疑われます。その場合の多くはノズル内部のパッキン(止水ゴム)か、洗浄水の出を制御するバルブユニット(電磁弁)の劣化・故障です。
これらが不調になると、使用していないときでもノズル先端から水が漏れてきてしまいます。ノズル周辺のトラブルはユーザーで修理するのが難しく、部品の取り寄せ交換など細かな作業が必要になるため、専門業者やTOTOメンテナンスへの依頼が推奨されます。詳細は後述する修理方法の項で触れますが、自力で直せない場合は無理をせずプロに相談しましょう。
ネオレストの水漏れ修理方法
ここからは、上で挙げた原因別にネオレストの水漏れを修理する方法を解説します。基本的にパッキンや部品の交換で直せるケースが多いですが、電子部品の故障など高度な不具合は無理をせず業者に任せることも大切です。修理の際は、作業前に必ずコンセントを抜き止水栓を閉めて安全を確保してから行ってください。
必要な道具
ネオレストの水漏れを自分で修理する場合、あらかじめ以下の道具類を用意しておきましょう。
- モンキーレンチ(レンチ):給水管ナットの締め外しに使用。サイズの合うスパナでも可。
- マイナスドライバー:止水栓の開け閉めや、給水フィルター・水抜き栓の取り外しに使用。
- バケツ・雑巾(タオル):ホースや栓を外した際の残水を受け止めるため必要。作業箇所に敷いておくと安心です。
- ゴム手袋:ノズルを触る際は衛生的にも手袋着用がおすすめ。その他作業全般でのケガ防止にも役立ちます。
- 交換用部品:事前に原因箇所に応じた新品パーツ(パッキン、給水フィルター、水抜き栓ユニットなど)を入手しておくとスムーズです。型番は取扱説明書やTOTO公式サイトで調べられます。
以上の道具を準備できたら、いよいよ原因別の修理作業に取り掛かります。それぞれのケースごとに手順を見ていきましょう。
給水管の接続部分からの水漏れ修理方法
給水管接続部からの水漏れは、ナットの緩みを締め直すか、パッキンやホースを交換することで改善できます。以下に具体的な手順を示します。
- 電源プラグを抜く:感電防止のため、作業前にウォシュレット(ネオレスト)の電源プラグをコンセントから抜きます。水回り作業では必ず守りたい基本です。
- 止水栓を閉める:マイナスドライバーを使い、ネオレスト用の止水栓を時計回り(右方向)にしっかりと閉めます。開けたまま外すと大量の水が噴き出しますので、完全に止水できていることを確認してください。
- 水受けを用意する:給水管を外すと中に残った水がこぼれることがあるため、接続部の下にバケツを置くか床に雑巾を敷いておきます。こうしておけば万一水が漏れても床を濡らさずに済みます。
- 給水管ナットを外す:モンキーレンチで給水管接続部のナットを反時計回り(左方向)に緩め、取り外します。最初はレンチである程度緩め、手で回して外しましょう。ネオレスト本体側と止水栓側、両方のホース接続を外すと作業しやすくなります。
- パッキンまたはホースを交換する:ナット内部に入っている古いパッキンを取り出し、新しいパッキンと交換します。併せて、劣化している給水ホース自体も新品に交換可能です。ホースに破損がある場合はホース交換で水漏れが解消し、接続部からの漏れであればパッキン交換で漏れを止められます。交換用パッキンはホームセンターやネット通販で数百円程度で入手可能です。
- 元通り組み立てて完了:新しいパッキンを入れた上でナットを再度締め直し、ホース類を元通り接続します。モンキーレンチで適度に増し締めして完了です。最後にコンセントを挿し直し、止水栓を開けて水を流してみて、水漏れが止まったことを確認しましょう。
以上で給水接続部からの水漏れ修理は完了です。ナットの締めすぎには注意しつつ、しっかり確実に接続してください。新品パッキンに交換することで接続部のシール性が回復し、水漏れは解消するはずです。
ネオレストの給水フィルターが原因の水漏れ修理方法
給水フィルター部分からの水漏れは、給水フィルター自体を交換することで対処できます。フィルター内部のパッキン劣化が原因なので、新しいフィルター(パッキン一体型になっています)に取り替えてしまうのが確実です。手順は以下の通りです。
- 電源プラグを抜く:基本操作としてコンセントからプラグを抜き、通電しない状態にします。水濡れと電気が同居するリスクを避けるため重要です。
- 止水栓を閉める:マイナスドライバーで止水栓を右に回し、水を止めます。作業中に水が出ないよう確実に止水しましょう。
- 給水フィルターの位置を確認する:ネオレストの型番によって給水フィルターの位置は異なりますが、たいてい本体正面から見て左側面付近にあります。取扱説明書にも位置が記載されていますので参照してください。場所が分かったら、その部分にマイナス溝のついた樹脂製のネジ(キャップ)が見えるはずです。
- 給水フィルターを取り外す:マイナスドライバーをフィルターのネジ溝に差し込み、反時計回り(左回し)にゆっくり回してフィルターを外します。樹脂製なので、固く締まっている場合でも力を入れすぎないよう注意してください。外れると内部に円筒状の小さなフィルター部品が現れます。外した際に少量の水が出る可能性があるので、下にバケツを用意しておくと良いでしょう。
- 給水フィルターを交換する:古いフィルターを取り出し、新品の同型給水フィルターと交換します。新しいフィルターを差し込んだら、先ほどと逆の手順でマイナスドライバーを使い時計回り(右回し)にねじ込んでしっかりと締め付けます。このときパッキンがきちんと当たって密閉されるよう確実に締めましょう。
- 止水栓を開けて動作確認:作業が終わったら止水栓を開け、水がフィルター部分から漏れないか確認します。問題なければ電源プラグを再びコンセントに挿し、ネオレストを通常どおり使用できます。
以上の手順で給水フィルター起因の水漏れは解消できるはずです。フィルター掃除ではなく部品交換になるため少し勇気が要るかもしれませんが、フィルター交換用の部品はTOTOから取り寄せ可能です。なお、外した古いフィルターに汚れが詰まっていた場合は、今後のために新しいフィルターも定期的に清掃すると良いでしょう。
水抜き栓からの水漏れの修理方法
水抜き栓から水漏れしている場合、水抜き栓そのものを新品に交換する方法が効果的です。内部パッキンの劣化が主因なので、部品ごと取り替えてしまうのが確実な解決策になります。交換手順は以下のとおりです。
- 電源プラグを抜く:他の修理と同様、コンセントからプラグを抜いて作業中は電源オフにします。これはすべてのウォシュレット修理の基本です。
- 止水栓を閉める:マイナスドライバーで止水栓を右回しに締め、水の供給を止めます。必ず完全に閉まったことを確認してください。
- 水抜き栓の位置を確認する:ネオレストの水抜き栓は、本体正面から見て左側寄りに設置されていることが多いです。給水フィルターと近接した位置にある場合、形状が似ていますが、取説等で間違いのないよう確認しましょう(一部製品では給水フィルター付水抜き栓という一体型もあります)。目的の水抜き栓が特定できたら交換作業に移ります。
- 水抜き栓を取り外す:マイナスドライバーを水抜き栓の溝に差し込み、反時計回り(左回し)にゆっくり回して栓を外します。固着している場合も無理に力を入れず、徐々に緩めてください。水抜き栓はプラスチック素材でできているため、強い力をかけすぎるとねじ山をなめたり破損する恐れがありますので慎重に外しましょう。外れると穴が開き、水が少し出てくることがありますのでバケツで受けます。
- 水抜き栓を新品に交換する:用意した新品の水抜き栓ユニットを取り付けます。まず手で穴にねじ込み、ある程度入ったらマイナスドライバーで時計回り(右回し)に締め付けて固定します。締め込みすぎない程度にしっかりと止まるまで回してください。新品のパッキンできつめに感じる場合もありますが、確実に締め込むことが大切です。
- 止水栓を開けて確認する:元通り水抜き栓を取り付けたら、止水栓を開けて水を流し、水抜き栓周辺から漏れがないか確認します。問題なければ作業完了です。念のため数時間様子を見て、水滴が出てこないことを確かめてください。
このように水抜き栓ごと交換すれば、内部パッキンも新品になるため水漏れは解消されます。交換用の水抜き栓部品(給水フィルター付水抜き栓の場合はそのユニット)はTOTOから取り寄せ可能です。型番は機種によって異なるため、事前に確認しておきましょう。
もし一時的な対処で済ませたい場合は、水抜き栓を増し締めして様子を見る方法もありますが、根本的な解決には新しい部品への交換が望ましいです。
ノズルからの水漏れの修理方法
ネオレストのノズルからの水漏れは、DIYで完全に直すのが難しいケースが多いです。基本的にはメーカーや業者に修理を依頼することを念頭に置きつつ、可能な範囲で以下の対処を行います。
- 「ノズルきれい」動作の確認:修理というより原因確認になりますが、まず水漏れと思っている現象がノズル自動洗浄機能によるものかを見極めます。ウォシュレット使用前後のみノズル先端から少量の水が出る場合は故障ではなく正常動作です。この場合は修理の必要はありません。
- 電源プラグを抜き、止水栓を閉める:ノズルから常に水が漏れる明確な故障の場合、他の修理と同様にまずコンセントを抜いて止水栓を閉めます。これで作業と漏水拡大を防止します。
- ノズルを取り外す(可能な場合):TOTOネオレストのノズルは基本的にユーザー交換不可とされていますが、一部機種ではノズル先端を手で取り外せるものもあります。ノズルが前方に伸びた状態で根元から左にひねると外れるタイプもあるため、取扱説明書を確認し可能であればノズル先端を外してみましょう(この際は衛生のためゴム手袋をしてください)。取り外せた場合、ノズル内部の汚れを掃除したり、ひび割れがないか点検します。
- ノズル先端の交換 or 再装着:取り外したノズル先端に明らかな劣化や破損があるなら、新品部品と交換できる場合があります。INAX製シャワートイレならユーザーがノズル交換可能なモデルが多いですが、TOTOネオレストでは単体ノズル販売が基本的にないため、交換は難しいかもしれません。交換パーツが用意できない場合は、外したノズルをそのまま右に回して元通りに取り付け直します。なお、機種によってはノズル自体が本体に固定されており取り外せないものもあります。その場合、このステップは飛ばしてください。
- 動作確認:止水栓を開けて電源プラグを挿し、水漏れが改善したか確認します。ノズル先端を清掃・再装着したことで改善すれば良いのですが、依然として漏れる場合やノズルを外せなかった場合は、内部バルブユニットの故障が強く疑われます。
残念ながら、ノズルやバルブユニットの不具合はDIYでは修理できません。そのため、上述の手順で解決しない場合はTOTOメンテナンスや水道修理業者に修理依頼するのがベストです。
専門技術者であればバルブユニット(電磁弁)やパッキンの交換といった処置で水漏れを直してくれます。また最悪の場合、便座ウォシュレット部分全体の交換となることもありますが、プロに任せれば確実でしょう。
修理と交換の判断基準とは?
ネオレストの水漏れに対処する際、「修理で直すべきか、それとも本体ごと交換すべきか」と迷うことがあります。判断の目安となるポイントをまとめます。
- 使用年数
- 不具合の深刻度
- 修理費用の見積もり
- メーカーのアドバイス
使用年数(製造後の経過年数)
一般的にウォシュレットなどの機器寿命は約10年程度と言われます。ネオレストも10年以上使っている場合、部品劣化が各所で進行しており、今後も別の不具合が起きる可能性が高まります。
特に15年以上経過したネオレストが故障した場合、修理対応できず本体交換となるケースが多いことが知られています。
実際「年数の経過したタンクレストイレは故障すると総入れ替えでウン十万円かかる」といったユーザーの声もあります。使用期間が長くメーカー保証や部品供給期間(通常発売後10年程度)も過ぎている場合、大掛かりな修理費を払うより最新モデルへの交換を検討するのも一つの判断です。
不具合の深刻度
水漏れと一口に言っても、ナットの緩みやパッキン交換で済む軽微なものから、陶器部分のひび割れや電子部品故障など重大なものまで様々です。
簡単に直せる箇所(パッキンやホース程度)なら修理で問題ありませんが、便器そのものにひびが入っている場合は修理不能で本体交換が必要になります。
またウォシュレットの基板故障など高額部品の交換が必要な場合、修理代が高騰するため新品購入との費用対効果を比較しましょう。
修理費用の見積もり
修理を依頼した場合の見積もり金額を確認し、それが本体交換費用のおおよその半額以上になるようなら交換を考えるのもありです。
本記事後半で触れるように、ネオレストの水漏れ修理は内容によりますが2~3万円程度が一般的な範囲です。一方、ネオレスト本体の新品価格はグレードにもよりますが20~40万円台と高額です。
たとえば10万円の修理を要すると判明した場合でも、新品価格の方が遥かに高いなら修理を選ぶ価値があります。しかし修理見積りが数十万円にもなる(大規模な修理になる)場合は、いっそ新品に替えた方が長い目で見て得策かもしれません。
メーカーのアドバイス
TOTOメンテナンスに問い合わせて症状を伝えると、修理可能かどうか、交換すべきかある程度のアドバイスをもらえることがあります。
プロの意見も参考に、最終的に判断すると良いでしょう。
以上を総合すると、経年劣化が進んだ古いネオレストで重大な故障が起きた場合は交換、新しいもので軽微な不具合なら修理というのが一つの目安になります。もちろん愛着や予算の都合もあると思いますので、一概には言えませんが、専門業者に状況を見てもらい適切な判断をしましょう。
ネオレストの水漏れを修理してくれる業者
自分で直せない、水漏れが止まらない、といった場合はプロの業者に修理を依頼しましょう。
- TOTOメンテナンス
- 水道修理業者
ここではそれぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。
TOTOメンテナンス
TOTOメンテナンス株式会社はTOTOグループの公式修理専門会社で、TOTO製トイレの修理を一手に引き受けています。
ネオレストの製造元であるTOTOの直系サービスのため、純正部品を用いた確実な修理が期待できます。また、メーカーの専門知識を持った技術者が対応するので安心感があります。
TOTOメンテナンスを利用するメリットは、公式ならではの信頼性と、修理内容に対する一定の保証が受けられる点です。修理後に同じ箇所で不具合が発生した場合の対応も含め、正規サービスならではのサポートが得られます。
ただしデメリットもあり、費用が割高になりやすいことと、受付時間が決まっているため融通が利かない点です。
たとえば訪問するだけで点検費用が発生し(出張費込みで数千円~)ますし、緊急でも即日対応が難しいケースがあります。
受付は基本的に8:00~18:00で、訪問日時も予約制となるため、夜間や早朝の急な対応はできません。 それでも公式に頼みたいという場合は、まずTOTOメンテナンスの修理受付窓口に連絡しましょう。
フリーダイヤル(0120-1010-05)やウェブから365日受付しており、症状を伝えると訪問日程を調整してくれます。
なお、ネオレストの症状によっては部品取り寄せが必要で即日修理完了とならない場合もあります。その際は一旦応急処置をして後日改めて対応、となることも覚悟しましょう。
費用は次章で述べますが、水漏れ修理の場合で概ね2万円台~(作業内容による)と見込んでおくと良いです。
水道修理業者
街の水道修理業者やトイレ修理業者でも、ネオレストのような高機能トイレの修理を依頼することが可能です。TOTOの公式サービスではありませんが、経験豊富な業者であれば充分に対応できるケースが多いです。
メリットとしては、迅速かつ柔軟な対応が期待できる点が挙げられます。24時間365日対応を謳う業者も多く、夜間や休日の緊急出動もお願いしやすいです。また出張見積もり無料の業者が多く、まずは点検・見積もりだけお願いすることもできます。
水道修理業者の修理費用はピンキリですが、総じて公式より安く抑えられる傾向にあります。競争もあるため価格設定が良心的な会社も多く、「部品代+作業費」で適正価格を提示してくれるでしょう。
デメリットとしては、業者選びに注意が必要なことです。中には高額請求や不要な工事提案をする悪質なところも存在するので、信頼できる業者を選ぶことが大切です。
選定のコツとして、自治体の水道局指定工事店に登録されている業者だと安心です。公式サイトの実績や口コミも参考に、信頼性を確認しましょう。
なお、ネオレストのような電装品を含むトイレの場合、業者によっては対応できない(メーカー対応になる)ケースもあります。しかし多くの修理専門業者は「ウォシュレットの水漏れ」「高機能トイレの修理」に慣れており、TOTOメンテナンスと遜色ないサービスを提供しています。
料金が比較的安く、すぐ来てほしい場合は水道修理業者に依頼するのがよいでしょう。
ネオレストの水漏れ修理にかかる費用
ネオレストの水漏れを修理する際の費用相場について、「自分で修理した場合」と「業者に修理を依頼した場合」に分けて説明します。トラブルへの予算感を掴んでおきましょう。
- 自分で修理した場合
- 業者に修理を依頼した場合
自分で修理した場合
自力で修理を行う場合、費用の中心は部品代のみとなります。作業工賃がかからない分、かなり安く済ませられるのが利点です。具体的な部品代の目安は以下のとおりです。
- パッキン類: 1個あたり数十円~数百円程度。給水管接続部や水抜き栓用のOリングなどは安価に入手できます。ホームセンターで汎用パッキンが手に入る場合もありますが、できれば型番適合品を用意しましょう。
- 給水フィルター: 1個あたり数百円~1,000円前後。機種ごとに形状が異なるためTOTO純正部品の取り寄せになりますが、小さな部品なので価格は高くありません。
- 水抜き栓ユニット: 1個あたり1,000~2,000円程度。こちらも型番指定での取り寄せ品ですが、比較的安価です。ただし電動式など特殊なものは部品代が上がる可能性があります。
- 給水ホース: 1本あたり1,000~3,000円程度。ネオレスト本体と止水栓を繋ぐフレキホースを交換する場合の費用です。長さや材質によって変わりますが、純正品でなくとも合う規格のものを選べば入手できます。
- バルブユニット(電磁弁): 1個あたり1~2万円程度。ノズルの水漏れ原因となる電磁弁ユニットを交換する場合、部品代は他より高めです。例えばネオレスト用バルブユニット(TCH○○など)は通販で1万円強で購入できます。
以上のように、簡単なパッキン交換で済むなら1,000円未満、大きな部品を替えても1~2万円程度が自己修理の材料費総額となるでしょう。例えば前述のユーザー事例では、1万円少々のバルブユニット購入で済み、仮に本体交換した場合と比べ「40万円前後の出費を避けられた」というケースもあります。
ただし、自分で直すための工具購入費や、万一修理に失敗して結局業者を呼ぶことになった場合の二重の出費リスクも考えておきましょう。
ウォシュレット部分の修理は高度なこともありメーカーもDIYは推奨していません。無理をするとかえって故障箇所を増やし、余計に修理費用がかかる可能性もあるので注意が必要です.
業者に修理を依頼した場合
プロの業者に依頼した場合、作業料金+部品代がかかります。費用は依頼先や修理内容によって幅がありますが、ネオレストの水漏れ修理ならおおむね数千円~数万円台に収まることが多いです。ここでは参考として一般的な費用相場を紹介します。
軽微な修理(パッキン交換・増し締めなど)
5,000~10,000円前後が目安です。例えば給水管接続部のパッキン交換のみで済む場合、作業は短時間で終わり部品代もわずかなので1万円以下で収まるケースもあります。
水抜き栓パッキン交換で8,000円程度という事例もあります。業者の出張費込みでもこの程度です。
中程度の修理(部品交換を伴う)
10,000~30,000円程度が多いです。給水フィルターや水抜き栓ユニットの交換、給水ホースの交換などはこの範囲に収まります。
またウォシュレット内部の電磁バルブ交換なども作業工賃込みで2~3万円ほどが相場です。
実際、TOTOメンテナンスの料金目安でも「ネオレストの水漏れ修理:23,000円~」とされています。
大掛かりな修理
30,000円以上になるのは、便器のひび割れ補修(実際は便器交換工事)や基板交換など特殊なケースです。
例えば水抜き栓周りの配管を丸ごと交換する工事では6~7万円に達するとのデータもあります。しかしこれだけ費用がかかる場合は、先述の判断基準どおり本体交換を検討した方がよいかもしれません。
上記はあくまで目安です。TOTOメンテナンスの場合は定額制に近い料金設定で、水漏れなら症状問わず一律2万円台+出張費ということもあります。
一方、水道修理業者の場合は見積額に幅があります。必ず事前に見積もりを取り、納得してから修理を依頼しましょう。不明瞭な高額料金を提示する業者は避け、複数社で比較するのも有効です。
幸い、トイレの水漏れ修理は他の住宅設備修理と比べても高額になりにくい部類です。おおよそ数万円以内で直せる場合がほとんどですので、早めに対処して被害が広がる前に解決するようにしましょう。
自分で修理できない時はすぐに業者に依頼しましょう
TOTOネオレストの水漏れについて、原因から応急処置、修理方法、費用まで詳しく解説しました。最後に重要なポイントを振り返ります。
- 水漏れ発生時は速やかに止水栓を閉め、電源を落として応急処置を行いましょう。二次被害を防ぎつつ原因を特定します。
- 主な原因4つは給水管接続部、給水フィルター、水抜き栓、ノズルです。それぞれパッキン劣化や緩みなどが漏水の引き金になります。
- 原因に応じた修理方法として、パッキンや部品の交換手順を説明しました。自分で対応可能な範囲では、適切な工具と手順で交換すれば水漏れは解消できます。無理な場合は無理をせずプロに任せましょう。
- 修理か本体交換かの判断は、使用年数や故障箇所、費用を総合的に考慮します。古くて大きな故障なら交換、新しくて軽微な不具合なら修理というのが目安です。
- 修理を依頼できる先はTOTOメンテナンス(公式)か水道修理業者です。それぞれメリット・デメリットがありますが、状況に応じて選択してください。緊急時は地元の信頼できる業者が頼りになります。
- 修理費用の相場は自分で直す場合は部品代のみ(数百~数千円)、業者依頼では作業料込みで数万円程度が一般的です。見積もりを取り、納得の上で修理を進めましょう。
水漏れを放置すると床や壁を傷めてしまい、最悪の場合下階への漏水など大きな被害につながります。ネオレストのような高性能トイレでも消耗品の劣化は避けられませんので、異変に気付いたら早めに対処することが大切です。
適切に修理すればまだまだ長く使える場合も多いので、本記事の内容を参考に、安全・確実にトラブル解決してください。困ったときは遠慮なく専門業者へ相談し、快適なトイレ環境を取り戻しましょう。
※本記事は公開時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。あらかじめご了承ください。
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