デジタルテクノロジーがあらゆる業務で活用されるようになり、業務効率の改善や生産性の向上が図られている現代。ビジネスの最前線ともいえる営業分野においても「SalesTech」(セールステック)というキーワードが熱くなっている。そのSalesTechのひとつとして、特に注目されているのが"継続的な営業活性化"を実現する「セールス・イネーブルメント」だ。本連載では、セールス・イネーブルメントの概要や価値、実際の導入効果について3回にわたって解説。第2回目は、セールス・イネーブルメントが営業の現場にもたらす効果と、実際に取り組む際に重要となるポイントについて確認していく。

第1回
最近よく聞くSalesTech/セールス・イネーブルメントとは?

セールス・イネーブルメントで営業部門のデジタル革命を起こす

本連載の第1回目では、"営業の科学"を実践するためのアプローチである「SalesTech」と、その中でもっとも注目を集めている領域となる「セールス・イネーブルメント」について紹介してきたが、セールス・イネーブルメントが実現する人材不足や属人化の解消、営業担当者の能力向上と平準化といった効果については理解したものの、それが自身の環境でどう活きてくるのかが見えてこない営業部門や営業支援/営業企画部門の担当者もいるはずだ。ここでは、営業現場における課題と、それを解決するセールス・イネーブルメントの存在価値、さらに導入を成功させるためのポイントについて見ていきたい。

営業部門のマネージャーから聞く現場の課題としては、「営業担当者ごとに商談の内容に差がある」「営業担当者の育成に時間がかかる」などがよく挙げられる。言い換えれば"属人化"や"人材不足"に悩まされているということであり、こうした現場の生の声に対応するためには、"営業担当者の能力向上と平準化"を目指す必要がある。その実現を支援するための手法(ツール)ととらえれば、セールス・イネーブルメントというものが身近に感じられるはずだ。

第1回目でも述べたとおり、セールス・イネーブルメントはデジタルテクノロジーを活用して、継続的に営業を活性化するための施策をトータルで管理するための取り組みだ。売り手市場で従業員の入れ替わりも激しい昨今の就労状況では、若手の新人担当者だけでなく中途採用の営業担当者も増えてきており、担当ごとに使用するセールスコンテンツはバラバラで、各種デジタルツールに対する理解度や活用方法も担当者によって異なるというケースもめずらしくない。こうした状況では、効果的なセールスコンテンツの拡充やトレーニングの実施はおぼつかないだろう。優秀な営業担当者による効率的な業務ノウハウがあっても、それをコンテンツの作成・配布やトレーニングの内容に落とし込めなければ他のメンバーと共有することはできず、全体的な業績の底上げは図れない。こうした悪循環を改善して、営業スキルの標準化と営業担当者の早期育成によって業績向上を実現するのがセールス・イネーブルメントだ。

  • セールスイネーブルメントとは

とはいえ、セールス・イネーブルメントを実践して効果を出すためには、数々の課題をクリアする必要がある。多くの企業で一番のネックとなるのが、営業部門が"課題解決にデジタルテクノロジーを活用する"という意識を持っていないことだ。たとえば、経理部門が決算の早期化を考える場合、会計システムの入れ替えは必ず候補に挙がるはずだ。ところが営業部門で「営業力を伸ばす」と考えた場合に、デジタルツールやシステムの導入・刷新を挙げるケースはまだまだ少ないのが現状。営業担当者のスキルは、いまだ"ものづくりの職人"と同様の属人的なものと考えられており、担当者間の差をなくすためにはデジタルテクノロジーによる"営業の産業革命"的なパラダイムシフトが必要といえる。営業担当者が独自に理解して活用している販促ツールやトレーニングを、誰もが効果的に使えるようにして営業活動を活性化し、営業力を底上げして業績を向上させるのが目指すべき姿。その実現のために、重要な役割を担うのがセールス・イネーブルメントというわけだ。

「継続的な営業活性化」を成功させるために重要な4つのポイント

企業がセールス・イネーブルメントに取り組んで「継続的な営業活性化」を成功させるためには、4つのポイントに注視する必要がある。まずは「セールスコンテンツの拡充」。第1回で挙げたセールス・イネーブルメントの2つの要素のひとつだ。商品カタログや導入事例、インタビュー記事、シミュレーションといったコンテンツの種類・目的と、それに最適なコンテンツフォーマット(PDF、画像、動画など)の選択はもちろん、それに加えて活用ログや貢献度分析といった「営業ノウハウ」の要素を盛り込むことで優秀な営業担当者のノウハウを反映し、営業活動の"武器"であるコンテンツを磨いていく。2つ目に、セールス・イネーブルメントの2つの要素のひとつとなる「現場トレーニングの実施」だ。従来行っている集合研修や現場でのOJTに加えて、スキルの定着効果が高いマイクロラーニングを活用。営業の特徴といえる"スキマ時間"を有効利用することで、営業担当者の早期育成を実現していく。

3つ目のポイントは「推進体制づくり」となる。営業部門だけにとどまらないトータルな施策を管理・実行するセールス・イネーブルメントは、中心となる組織を決めることが極めて重要。営業企画・営業支援部門が中心となり、リーダーを選出して営業部門との密接なやり取りを実現していくのが基本となる。体制作りというと大掛かりなミッションに感じられるかもしれないが、実際には、すでに実施している営業支援業務の取りまとめ&延長ととらえれば推進しやすいはずだ。

そして4つ目となる最後のポイントは「取り組みの継続」だ。最近のビジネスでは、あらゆる業務においてPDCAサイクルが活用されているが、セールス・イネーブルメントにおいても同様の手法で取り組みを継続化させることが重要となる。セールスコンテンツ/トレーニングの仮説を構築し(Plan)、実際に営業活動を行い(Do)、その内容を分析・検証して(Check)、ノウハウを汎用化して誰でも活用できるようにする(Action)。このサイクルを繰り返して継続的な取り組みを行うことで、コンテンツやトレーニング、営業プロセスの「質」が向上するだけでなく、市場や環境の変化に対応することも可能となる。

このように、4つのポイントを確認しながら取り組んでいけば、セールス・イネーブルメントを活用した「継続的な営業活性化」を成功へと導くことができる。とはいっても、実際に4つのポイントを押さえてセールス・イネーブルメントを推進しようと考えた場合、「セールスコンテンツの拡充」で必要なコンテンツ管理・配信・分析のシステムや、「現場トレーニングの実施」におけるマイクロラーニングを含むトレーニング実施の手法、それらをまとめた運用体制の構築など、さまざまな箇所に課題が生じる企業も多いはずだ。そこで注目したいのが、セールス・イネーブルメントをスムーズに導入するためのデジタルツールとなる。本連載の第3回目では、セールス・イネーブルメントを始めるのに最適なツールであるアステリアの「Handbook」を、実際に導入・運用している企業の事例とともに紹介していく。セールス・イネーブルメントに取り組んでいる企業の"ナマの声"を確認すれば、自社の営業課題を解決するためのプロセスがより明確に見えてくるはずだ。

第1回
最近よく聞くSalesTech/セールス・イネーブルメントとは?

Handbook

Handbookは、営業活性化を実現するセールス・イネーブルメント・ツールです。
セールスコンテンツやトレーニングコンテンツを営業現場に安全に配信・管理し、利用ログの分析を行うことで営業スキルの標準化や属人化の解消を促進します。

[PR]提供: アステリア