■セキュリティグループでアクセス権を設定する

前回はセキュリティグループの作成を紹介しましたが、セキュリティグループを作成しただけでは、Microsoft 365の動作には何も影響がありません。SharePointやOneDrive for Businessのフォルダーに適用したときに、初めて効果が現れます。

ここでは作成済みのSharePointのフォルダーを例に紹介しますが、OneDrive for Businessの共有フォルダーの場合も基本的な使い方は同じです。というよりも、OneDrive for Businessは、SharePointのフォルダーをクラウド共有フォルダーの機能として利用することで実現されています。OneDrive for Businessの実体は、SharePointにほかなりません(ただし、個人向けサービスであるOneDriveは、Microsoft 365のOneDrive for Businessとは異なります)。

SharePointについては、当連載の第32回第40回でも紹介していますが、3年近く経過して変わっているところもあるため、またあらためて紹介したいと思います。

(1)アクセス権を変更したいSharePointのフォルダーの「:」(アクションの表示)をクリック。

(2)「アクセス許可の管理」メニューをクリック。

  • SharePointのフォルダー

(3)「+」をクリックして、アクセス権の設定ページを開く。

(4)もし、アクセスを許可したくないユーザーやグループにアクセス許可が与えられている場合は、「v」をクリックして、「共有を停止」メニューをクリックすると、アクセス許可を解除できる。

  • 「アクセス許可の管理」メニュー

(5)このフォルダーにアクセスを許可するユーザーのユーザー名またはセキュリティグループのグループ名を入力する。

(6)「v」をクリックして、アクセス権限レベル(「編集可能」または「閲覧のみ」)を選択する。

(7)チェックボックスをオンにすると、ユーザーまたはメールアドレスを持つグループに、自動的にこのフォルダーのアクセス許可の通知メールが送信される。

  • アクセス許可の通知メールを送信する

なお、前回(連載第64回)の表に掲載した「メールが有効なセキュリティ」グループの場合、「配布」グループの機能と「セキュリティ」グループの機能をあわせ持つので、(7)による自動通知が可能です。しかし、メールアドレスを持たない単なる「セキュリティ」グループの場合は、(7)のチェックボックスをオンにしても、メールアドレスを持たないため何も起きません。

(8)「アクセスを許可」をクリックして、設定を保存する。

  • 設定を保存する

(9)アクセス許可を与えられたユーザーは、SharePointサイトを開いて、このフォルダーを開くことができる。

  • アクセス許可を与えられたユーザーの場合

(10)アクセス許可を与えられていないユーザーは、このフォルダーを開こうとしても、メッセージが表示されて開くことができない。

■Microsoft 365のさまざまなグループ

ひと口にグループと言っても、Microsoft 365で作成するグループにはさまざまなタイプのグループがあります。ここで、Microsoft 365のグループを整理しましょう。今回紹介したのは、以下の表のうち、Microsoft 365本体のグループに相当します。

グループの分類 機能・内容 用途
Microsoft 365本体のグループ もっとも古くからある伝統的な機能で、配布グループやセキュリティグループがある。 メーリングリストの構築や、SharePointでのファイルアクセス権の設定に使用。 テナント管理者が設定する。 Azure ADで管理されるもっともシステムの中核に近いグループ。 多彩な機能を必要とせず、必要最小限の機能として、メーリングリストの構築だけ行いたいとき。 あるいはSharePointのアクセス権を詳細に設定するとき。
SharePointサイト メールアドレスを設定し、グループでファイル、予定表、連絡先などの多くのコンテンツを利用できる。高度なカスタマイズ機能があり、独自のワークフローを構築できる。 有料・無料の多彩なアドオンアプリがある。 組織の大規模グループウェアや、業務システム向け。
Microsoft Teams ファイル共有、予定表共有、チャットシステム、ビデオ通話や音声通話、ビデオ会議などが可能。 多くのアドオンアプリがある。 詳細なカスタマイズはできないが、オールインワン的に簡単に多彩な機能を活用できるグループ。 Microsoft Teams専用のゲストアカウントを作成できる。 プロジェクトチームや部署といった、実務レベルの小規模・中規模グループでの業務遂行、ビデオ会議の用途向け。
Yammer 組織内SNS。Facebookのようなシステムを組織内で運用する。ブログや電子掲示板的な機能が主体。 組織内のゆるやかなコミュニケーション。組織内の広報や業務外交流、サークル活動に向いている。
コラム「Skype for Business」

Microsoft Teamsに関連して、Skype for Businessにも触れておきます。

Microsoft 365(旧Office 365、旧BPOS)のチャット・ビデオ通話ツールとしては、もともと、Microsoft Lyncがありました。マイクロソフトがSkypeを買収したことにより、Microsoft LyncはMicrosoft Skype for Businessと名称を変えて現在にいたっています。現在ではまだSkype for Businessも使用できますが、Skype for Businessのほとんどの機能を内包し、さらに高度なコミュニケーション環境を提供するMicrosoft Teamsの登場により、Skype for Businessは2021年7月31日をもってサービスを終了します。

Skype for Businessをご利用の場合は、それまでにMicrosoft Teamsに移行する必要があります。

参考:「Teamsへのアップグレード」はこちら

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