ノートPCをあらゆる場所で安定して利用するには、内蔵バッテリの充電状況をしっかり管理する必要がある。そのため、オフィスや自宅はもちろん、定期的に訪れるビジネス上の拠点などにも充電用のACアダプタを置き、常に充電できる環境を整えているという人も多いのではないか。
ただ新しいPCに買い換えると、そうした買い増しの古いACアダプタが利用できなくなってしまうことがある。改めて新しいPC用のACアダプタを追加で購入しなければならないが、これが結構な負担となる。
しかし最近増えてきた「USB PD」に対応するノートPCやACアダプタを利用することで、こうした負担を将来的に大きく低減してくれる可能性があるのだ。今回はこのUSB PDの機能と、ビジネスでUSB PD対応ノートPCを利用するメリットを解説する。
新しいノートPCに変更してもACアダプタを買い換える必要なし
ノートPCには、必ず「ACアダプタ」が付属する。ACアダプタは、ノートPCの内蔵バッテリを充電するために必要な重要な部品であり、原則的には付属するそのノートPCでしか利用できない。ACアダプタの充電コネクタや供給電圧/出力は、付属するノートPC専用に設計されているからだ。
そのため、古いノートPC向けのACアダプタでは新しいノートPCを充電できない。冒頭で紹介したような環境を構築したいなら、作業拠点ごとに新しいノートPC用のACアダプタを買い足さなければならないわけだ。
ただ、こうしたムダな出費を防ぐため、デルのビジネス向けノートPCでは、ノートPCが搭載する電源回路を調整し、ACアダプタと接続するコネクタを共通化する仕組みを備えている。古いノートPC用のACアダプタでも、新しいノートPCを充電できるようにしているわけだ。
それでもノートPCの世代が大きく代わると、ACアダプタの規格やノートPCが要求する出力が変わってくるため、古いACアダプタでは対応できなくなってしまうこともある。
また薄さやサイズに制限がある薄型ノートPCでは、そうした共通コネクタを搭載するのが難しいという理由で、ノートPCごとに専用の充電用コネクタを搭載することもあるのだ。
しかしノートPCとACアダプタがUSB PDに対応していれば、こうしたムダなコストを払わなくてすむようになる。古いノートPCを充電するために購入した「USB PD対応のACアダプタ」で、新しいノートPCを充電できるようになる。作業拠点ごとに用意したACアダプタを、いちいち買い換えなくてもよくなるということである。
モバイルノートPCを集中管理している部署でも、大きなメリットがある。前述したように、ノートPCにはそれぞれ対応するACアダプタがある。充電状況を管理するには、ACアダプタとノートPCをきちんとまとめておく必要があるし、万が一取り違えが起きたら大変な手間になる。
しかしノートPCがUSB PD対応なら、USB PD対応のACアダプタ一つですべてのノートPCが充電できる。ノートPCとACアダプタの組み合わせに悩むこともなく淡々と充電していけるわけで、ノートPCの充電管理は飛躍的に楽になる。
強力になった給電能力をノートPCのバッテリ充電に活用
USB PDは「USB Power Delivery」の略で、USBポートを利用した給電機能の一つである。
同じくUSBポートを利用する給電機能としては、「USBバスパワー(USB bus power)」という規格がある。ただUSB 2.0では電圧5V/電流500mA(電力は2.5W)まで、USB 3.0でも電圧5V/電流900mA(同4.5W)までと言う制限があり、キーボードやマウス、USBメモリなど消費電力が小さい周辺機器しか利用できなかった。
しかしUSB PDでは、5V/9V/15V/20Vという複数の電圧と、最大で5Aの電流に対応する。20V×5Aの組み合わせなら、供給電力はなんと100Wにも達する。こうした大きな供給電力を、ノートPCの内蔵バッテリ充電に利用できるようにしたのが、USB PD対応のACアダプタと考えてよい。
USB PD対応のノートPCでは、充電ポートにType-Cコネクタを利用する。メーカーごとではもちろん、場合によってはモデルによっても異なっていたノートPCの充電コネクタの形状が統一されるわけだ。またType-Cコネクタは小型で薄型なので、非常に薄いモバイルノートPCにも搭載しやすい。
複数の電圧や電流に対応するため、さまざまなデバイスの充電に利用できることも特徴の一つだ。スマホやタブレットなどでもUSB PD対応が進んでおり、一つのACアダプタで複数のモバイルデバイスを充電できる。出張などでノートPCに加えて複数のモバイルデバイスを持ち歩く機会が多いユーザーにとっても、うれしい機能だろう。
デルのノートPCのUSB PD対応を確認したい場合は、Webサイトの製品紹介ページで「製品特徴」をクリックし、「ポートとスロット」を見てみよう。「USB Type-C」という小さなポートを搭載し、そのポートが「電源供給」をサポートしているなら、USB PD対応だ。
たとえば今回試用した「Latitude 9510」では、左側面にUSB PD対応のUSB Type-Cを2基装備している。付属するACアダプタの仕様は「セットアップと仕様ガイド」を見ないと分からないのだが、これをみると出力が65W、あるいは90WののUSB PD対応ACアダプタが付属している可能性があることがわかる。
また、USB PD対応の充電対応のUSB Type-Cコネクタのほかに、専用の充電用端子を搭載しているノートPCもある。こうしたタイプのノートPCには、デルの一般的なノートPC向けACアダプタが同梱されている。しかしUSB PD対応のACアダプタでも充電は可能だ。
こうしたノートPCとしては、「Latitude 5310」がある。左側面に充電用端子を搭載しており、通常は付属のACアダプタのケーブルをこの端子に挿して充電する。しかし隣にあるUSB Type-CにUSB PD対応のACアダプタのケーブルを挿せば、普通に充電できる。
ACアダプタは出力が65W以上のモデルなら安心
このように非常に便利なUSB PDだが、USB PD対応ならどんなノートPCやACアダプタの組み合わせでも大丈夫、というわけではない。充電を行うノートPCには、「充電に必要な電力」というものが設定されており、それより小さい出力しかサポートしないACアダプタでは、充電したりノートPCを動作させたりできないことがある。
ただ、デルのノートPCに付属しているACアダプタはもちろん、デルが単体で発売しているUSB PD対応ACアダプタは、基本的にノートPCの充電を前提に設計されている。そのため、ノートPCを充電するという用途においては、ほとんどトラブルは起きないと考えてよいだろう。
ACアダプタの出力を確認したい場合は、シールで張られている仕様を確認してみよう。デルのUSB PD対応ノートPCでは、おおむね45W出力か、65W出力のACアダプタが付属していることが多いようだ。
どちらもUSB PD対応ACアダプタとしてはよく使われている出力であり、ほかのノートPCの充電で問題が発生することはほぼ考えなくてもいいだろう。強いて言えば、出力が大きな65Wタイプのほうが安心感があるというていどだ。
デルが単体で販売しているUSB PD対応ACアダプタとしては、90Wまでの出力に対応する「USB-C電源アダプタPlus -90W-PA901C」(直販価格:6500円)や、65Wまでの出力に対応する「E5 65W Type-C ACアダプタ」(直販価格:5000円)などがある。どちらでも出力の面では問題ない。
原稿/撮影 竹内亮介
監修 デル株式会社 マーケティング統括本部
広域法人マーケティング シニア・アドバイザー 粟津和也
第10世代インテル® Core™ vPro® プロセッサーを搭載した
最新のインテル® vPro® プラットフォームで IT 強化と作業効率化を
インテル® vPro® プラットフォームに第10世代インテル® Core™ vPro® プロセッサーを搭載し、妥協のない生産性とハードウェア・ベースのセキュリティー機能、処理能力の革新に繋がる基盤を提供します。
Intel、インテル、Intelロゴ、Ultrabook、Celeron、Celeron Inside、Core Inside、Intel Atom、Intel Atom Inside、Intel Core、Intel Inside、Intel Insideロゴ、Intel vPro、Itanium、Itanium Inside、Pentium、Pentium Inside、vPro Inside、Xeon、Xeon Phi、Xeon Inside、Intel Optaneは、アメリカ合衆国および/またはその他の国におけるIntel Corporationまたはその子会社の商標です。
[PR]提供:デル