テレワークの普及により、打ち合わせや会議をオンラインで行うことも一般的になりました。それとともに顕在化してきたのが“音”の問題。周囲の雑音に自分の声がかき消されて発言が伝わらなかったり、生活音が会議参加者に丸聞こえで恥ずかしい思いをしたり……。通話や会議の際に静かな場所に移動すればすむ問題ではありますが、外出先で場所を選べないことや、電話やインターホンの呼び出し音のように突発的なノイズで困ることもありますよね。
そんな悩ましい“音”の問題をAIの力で解決してくれるのが、国内ベンチャー企業のアトムテックが発表したAIヘッドセット 「ATOM AIMic Pro」です。今回、その実機を試すことができたので気になる実力や使い勝手をチェックしてみました。
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アトムテックのAIヘッドセット「ATOM AIMic Pro」
通話やオンライン会議の際に、相手から「もう一度言って」と聞き返された経験のある人は少なくないはず。その理由はさまざまですが、よくあるのが周りの雑音に声がかき消されてしまっているケース。とくに駅のホームのように騒がしい場所では、相手に声が届かず会話が成り立たないことも珍しくありません。
OSやアプリによっては、そうした雑音を抑えて話し手の声を聞き取りやすくしてくれる機能が搭載されていますが、ノイズが取りきれないこともあれば、雑音と一緒に自分の声まで消えてしまうことも。また、機能によってはCPU使用率が上がってしまうので、デバイスの性能によっては積極的に使いたくない場合もあります。
「ATOM AIMic Pro」は、そんなやっかいなノイズを最新のAI技術で除去して、自分の声だけを相手に届けてくれるというAI搭載ヘッドセット。ヘッドセット本体にノイズキャンセリング機能が搭載されているため、デバイス側で何もしなくても周囲の雑音や生活音をキレイに除去することが可能です。革新的なスマートホーム製品やデジタル機器で注目を集めている国内ベンチャー企業のアトムテックが開発し、現在クラウドファンディングサービスのMakuakeで先行販売されています。
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「ATOM AIMic Pro」の外観。黒を基調にしたオーソドックスなデザインで、シーンを選ばず使いやすいのが特徴です
製品はいわゆるネックバンド型のワイヤレスヘッドセットで、スマートフォンやPCとはBluetoothで接続する仕組み。オープンイヤー型のため、耳を塞がず使いながらでも周囲の状況を把握しやすいのが特徴です。黒を基調としたオーソドックスなデザインのためビジネスシーンでも違和感なく使用することができます。
実際に試してみて、まず驚いたのが製品の“売り”である強力なノイズ除去能力です。音声翻訳機などに使用されているENC(環境ノイズキャンセリング)技術をもとに進化させたという、独自のノイズキャンセリング技術「ANS(AI Noiseless System)」を搭載。話し手の声以外のあらゆる環境音を見事なまでにキレイに消し去ってくれます。
たとえば、家電の稼働音。実際に掃除機をかけながら通話してみましたが、相手側にはノイズがまったく聞こえていない様子。駅のホームや人混みで使ったときも、ガヤガヤした雑音が抑えられ屋外で話していることに気づかれませんでした。スピーカーで音楽を大音量で流したり、キーボードを力いっぱいタイピングしたりもしてみましたが、相手側にはこちらの声だけが届いていたとのこと。
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掃除機を使いながら本製品のマイク音声をパソコンのボイスメモ機能で録音し、それを再生しているところ。波形の山になっているところが音声部分。音声以外は完全に平坦になっており、掃除機の大きなノイズがキレイに除去されているのが分かります
同じ環境で相手にも本製品を使ってもらいましたが、まるで他に人がいない会議室で話しているようなクリアな声で聞き取りやすかったのが印象的でした。びっくりしたのは、電話やインターホンの呼び出し音のような突発的なノイズも消し去ってくれた点。これなら、通話の際に仕事や家事の手を休めたり、オンライン会議で発言のたびにいちいちマイクのオンオフを切り替えたりしなくても、ノイズで相手を困らせることはなさそうです。
ちなみに、本製品はマイクが着脱式になっており、取り外すとマイクがオフ(ミュート)に、取り付けるとマイクがオンになります。接続部分はマグネットで吸着するようになっており、取り外しだけでなく取り付けも簡単。ボタンやアプリ上での操作のように、オフにしたつもりがオンのままだったというミスがなく、必要なときにすぐ確実にオンオフできるのが便利だと感じました。
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マイク部分はマグネット着脱式で簡単に取り外すことができます。マイクを接続端子に近づければ自然と正しい位置に吸着されるので、手探りでも取り付けに戸惑うことはありません
なお本製品はマイクを外した状態でも、ワイヤレスヘッドホンとして使用することが可能です。ミュージックモードやゲームモードなど、コンテンツに最適化された動作モードが用意されており、通話以外でも活躍してくれます。実際にさまざまな楽曲を再生してみましたが、原音に忠実で音の広がりもあり、仕事の合間などに音楽を楽しむには十分な音質という印象。オープンイヤー型ですが音漏れが少ないのも評価できる部分です。
「ATOM AIMic Pro」を普段の生活の中で使ってみて、気に入ったのがその装着感。本体が約25gと軽量なうえ、バンド部分がしなやかで押さえつけられる感じがしないため、長時間でもストレスなしで使用することができます。髪型が崩れにくいのも嬉しいポイント。またオープンイヤー型で耳をふさがないため、耳が痛くなることもありません。実際に3時間ほど連続で使用してみましたが、耳への負担が少ないため疲れにくく、途中からヘッドセットをつけていることを忘れてしまったくらいです。
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軽快な装着感も「ATOM AIMic Pro」の特徴です
バッテリーが長持ちなのも特徴のひとつで、満充電で約6時間の連続再生が可能になっています。これなら、長丁場のオンライン会議でも電池切れを心配することなく使えそうです。
充電は、付属の充電ケーブルを本体内側の磁気充電ポートに吸着させて行います。充電器は付属していませんが、一般的なUSB Type-Aに対応した充電器や、パソコンのUSB Type-Aポートなどにつなげて充電することができます。
本体内側の磁気充電ポートに付属の充電コードを接続することで充電が可能
満充電に必要な時間は約1.5時間ですが、15分の充電で最大1時間使用が可能な急速充電に対応しているため、うっかり充電し忘れていてもちょっとした空き時間や休憩タイムに当面必要な容量は確保することが可能。急なミーティングや長丁場の会議には心強い特徴ですよね。
個人的には、IPX4準拠の生活防水に対応していて、ちょっとした雨や汗に耐えられるのも気に入った部分。アウトドアでの使用やワークアウトのためだけに防水対応の製品を用意するというようなムダがなく、1日中同じヘッドセットを使って過ごせるのは荷物を少なくしたいときには大助かりです。
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IPX4準拠の生活防水にも対応しています
このほか、遅延が少なくスマートフォンやPCから最大12メートル離れた場所からでも安定して接続できるBluetooth 5.4対応や、2デバイスと同時接続できるマルチポイント対応などの魅力的な機能も搭載されています。そのため、PCで動画や音楽を視聴している最中でも、スマートフォンにかかってきた電話に即座に出ることが可能。またオンライン会議の直前までスマートフォンで通話していても、ヘッドセットをPCに接続し直す手間なくスムーズに会議に参加することもできます。その際、オンライン会議アプリでいちいちオーディオ設定を調整しなくても、ベストな通話品質で会議に参加できるのは、「ATOM AIMic Pro」ならではのメリットと言えるでしょう。
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通話やオンライン会議の多い人におすすめの「ATOM AIMic Pro」
クラウドファンディングサービスのMakuakeでは、そんな本製品が超超早割価格16,200円(税込)〜で販売されています。通話時のノイズ除去性能の高さや使い勝手のよさ、機能の充実度などを考慮するとコスパは抜群。とくに通話やオンライン会議の多い人にはおすすめできる製品だと言えます。使いやすく高機能なヘッドセットを探している人は、ぜひ注目してみてください!