一昔前に比べるとモバイル向けのCPUやグラフィックボードの性能が大きく向上し、デスクトップ向けと比べても遜色ないパフォーマンスを出せるようになってきている。それにともない、ニーズが急拡大しているのがゲーミングノートPCだ。
デスクトップ型に比べて設置スペースが少なくてすみ、ディスプレイやキーボードなどの周辺機器を別途購入する必要がないため手軽にゲーミング環境を整えられるのが人気の理由。そのためゲームを楽しむにあたって、まずゲーミングノートPCの購入を検討するという人は少なくないだろう。
そんな人に紹介したいのが、パソコン工房を運営するユニットコムから発売中のゲーミングノートPC「LEVEL-15FX164-i7-RMSX」だ。
2kg前後の軽量ボディに第13世代Core i7プロセッサーやGeForce RTX 4060、高リフレッシュレート液晶ディスプレイなどを搭載し、重いゲームも滑らかな映像で快適に楽しめるのが大きな特徴。今回、その実機を試すことができたので、製品の外観や使用感を詳しく紹介していきたい。
ゲーム以外の用途にも使いやすいシンプルなデザイン
ユニットコムのPCブランド「iiyama PC」のうち、ゲームに特化したシリーズが「LEVEL∞(インフィニティ)」だ。そのうちノート型の製品が「N-Class」と呼ばれ、エントリー向けのお手頃モデルからヘビーゲーマー向けのハイエンドモデルまで多彩な機種が用意されている。
今回試した「LEVEL-15FX164-i7-RMSX」は、その中でもパフォーマンスと価格のバランスに優れた売れ筋モデル。コスパのよいゲーミングノートPCを探しているライトユーザーや初心者はもちろん、ノート型でもパフォーマンスを妥協したくないというヘビーゲーマーにもおすすめできる製品に仕上がっている。
筐体は黒を基調としたシンプルかつオーソドックスなデザインで、プライベートだけでなくビジネスシーンでも使いやすいのが特徴。15.6型という大きめの液晶ディスプレイを搭載しながら、狭額縁デザインを採用することでフットプリントを約360mm(幅)×241mm(奥行き)に抑えており、小さめの机にも設置しやすくなっている。厚みはゴム足を含めて28.6mmとそれなりにあるが、質量は約2.04kgと軽めなので、いざというときはバッグなどに入れて外出先に持ち運ぶことも十分可能だ。
本体底面には3分の1くらいの面積にスリット状の吸気口が設けられており、ふたつのファンで空気を取り込んで本体背面や側面にある通気口から排出する仕組み。ベンチマークなどで負荷をかけると、背面や側面の通気口から勢いよく空気が排出されるので、エアフロー効率はかなり高そう。実際、重い処理を連続で行っても動作は安定しており、パフォーマンスが大きく落ちることはなかった。
インタフェースは、本体左側面にUSB 3.0 Type-A、USB 2.0 Type-A、ヘッドフォン/スピーカー出力、マイク入力端子が、本体右側面にmicroSDカードスロット、USB 3.1 Type-C、LAN端子が搭載されている。また本体背面にはUSB 3.1 Type-C、HDMI、Mini DisplayPortなどの映像出力端子と電源ポートも装備されている。
ちなみに右側面と背面のUSB 3.1 Type-Cポートは、USB PDとDisplayPort Altモードには対応しておらずデータ伝送のみ使用できる。この辺りの仕様はモデルによって微妙に異なるようなので、購入前にチェックしておくことをおすすめする。
このほかディスプレイ上部には100万画素のWebカメラとマイクが内蔵されており、ビデオチャットやWeb会議などに利用することができる。通信機能は有線LANに加え、Wi-Fi 6E(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)とBluetooth 5が搭載されている。
144Hz駆動の液晶パネルとマルチカラーLEDキーボードを搭載
液晶のサイズは15.6型で解像度はフルHD(1,920×1,080ドット)というスペック。ノングレアパネルを採用しているため、照明の下や日中の窓際のような明るい場所でも映り込みが少なく画面が見やすかった。視野角の広さや色再現性の高さも良好で、ゲームはもちろん、画像・動画編集などのクリエイティブ用途でも安心して使うことができた。
液晶パネルのリフレッシュレートは最大144Hzで、一般的なノートPCの内蔵ディスプレイの60Hzの倍以上。そのぶんフレームレートの高い映像もヌルヌルと滑らかに再生されるため、グラボの性能次第では、FPSやTPSなどの素早い動きが重要になるゲームタイトルも快適に楽しめる。普段使いでもマウスカーソルの動きやページスクロールなどがスムーズで見やすかった。
キーボードはキーとキーの間に隙間のあるアイソレーションタイプ。4列テンキーを標準搭載しており、Excelなどの数値入力が素早く効率的に行えるのがうれしい。キーピッチは実測で約18.5mm、キーストロークも十分確保されているためタイピングはしやすく感じた。
このキーボードにはマルチカラーLEDが内蔵されており、プリインストールされているユーティリティ「Control Center」で色や明るさを変更することができる。特定のキーだけ光らせたり、ゾーンごとに異なる色を割り当てるようなことはできないが、ゲームプレイ時のモチベーションアップや雰囲気作りには役立ってくれそうだ。
タッチパッドはクリックボタンが一体になったタイプ。操作スペースが広くて余裕があるためスクロールやマルチタッチジェスチャーなどの操作がしやすく、Web閲覧や文書作成などの日常的な用途では外付けマウスがなくても不便を感じなかった。
高リフレッシュレート液晶の性能をいかせるCPUとグラフィックス
「LEVEL-15FX164-i7-RMSX」は、CPUに第13世代のIntel Core i7-13700Hを採用し、グラフィックスにNVIDIA GeForce RTX 4060 Laptop GPUを搭載したミドル~ミドルハイクラスのゲーミングノートPC。標準構成だと、メモリは16GBのPC4-25600(DDR4-3200)で、ストレージは500GBのNVMe対応 M.2 SSDとなっている。
今回はその性能をチェックするため、「CINEBENCH」「PCMark 10」「3DMark」などのベンチマークソフトでスコアを測ってみることにした。
まず、CPUの性能を測る「CINEBENCH R23」と「CINEBENCH R24」は、次の結果になった。
CINEBENCH R23 ベンチマーク結果 | |
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CPU(マルチコア) | 18650pts |
CPU(シングルコア) | 1903pts |
CINEBENCH R24 ベンチマーク結果 | |
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CPU(マルチコア) | 928pts |
CPU(シングルコア) | 113pts |
最大5.00GHzで動作する14コア20スレッドの高性能プロセッサーを搭載していることもあって、パフォーマンスはかなりよい。前世代のCore i7-12700Hと比べるとシングルコア、マルチコアともに1割程度スコアが向上しており、前世代の上位モデルであるCore i9-12900Hにも負けない性能を実現していることが分かる。
続いて、PCの総合的なパフォーマンスをチェックするため「PCMark 10」を実行してみた。
PCMARK 10 ベンチマーク結果 | |
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総合スコア | 7375 |
Essentials | 10485 |
Productivity | 10002 |
Digital Content Creation | 10381 |
快適に動作する目安は、基本性能を示すEssentialsが4100、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450となっているが、本製品はいずれも大きく超えている。画像・動画編集などの重めの処理もストレスなく快適に行えることがわかる。
次に、グラフィック性能を測るため「3DMark」も試してみた。
3DMARKベンチマーク結果 | ||
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テスト | 総合スコア | グラフィックスコア |
Time Spy Extreme | 4879 | 4774 |
Time Spy | 10290 | 10209 |
Fire Strike Ultra | 6120 | 5975 |
Fire Strike Extreme | 12277 | 12886 |
Fire Strike | 24105 | 27374 |
Port Royal | 5728 | 5728 |
いずれも前世代の上位モデルGeForce RTX 3070 Tiに迫るスコアになった。DirectX 12世代のWQHD(2,560×1,440)解像度のテスト「Time Spy」で10000を超えるスコアが出ているので、フルHDやWQHDなら重めのゲームも十分快適に楽しめそうだ。
実際、3DMARKの「Estimated game performance」を見ると、人気のバトルロイヤル系ゲーム「Apex Legends」ならフルHDで140以上のフレームレートを出せる判定だった。本機の高リフレッシュレート液晶ディスプレイの性能をフルに活かしたヌルヌルの滑らかな映像でプレイできることが分かる。
最後に、「CrystalDiskMark」でストレージの性能も測ってみた。試用機には500GBのNVMe対応M.2 SSDが搭載されていたが、シーケンシャルリードが3500MB/s前後と通常用途には十分すぎる速度だった。
CrystalDiskMark ベンチマーク結果 | |
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1M Q8T1 シーケンシャルリード | 3486.26 MB/s |
1M Q8T1 シーケンシャルライト | 1640.63 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルリード | 2177.59 MB/s |
1M Q1T1 シーケンシャルライト | 1630.60 MB/s |
4K Q32T1 ランダムリード | 464.73 MB/s |
4K Q32T1 ランダムライト | 354.52 MB/s |
4K Q1T1 ランダムリード | 83.23 MB/s |
4K Q1T1 ランダムライト | 256.87 MB/s |
第13世代Core i7プロセッサーやGeForce RTX 4060を搭載し、高リフレッシュレート液晶ディスプレイを採用した15.6型ゲーミングノートPC「LEVEL-15FX164-i7-RMSX」。
直販サイトでは183,800円(税込)~という価格で販売されているが、人気のゲームタイトルがヌルヌル動き、画像・動画編集などのクリエイティブ用途も快適にこなせる性能の高さを考えればコストパフォーマンスはかなりよい。手軽にゲーミング環境を整えたい初心者から、出先でゲームする際も性能を妥協したくないヘビーゲーマーまで、幅広い層におすすめできる製品だ。
主なスペック
メーカー | ユニットコム |
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型番 | LEVEL-15FX164-i7-RMSX |
ディスプレイ | 15.6型フルHDノングレア(1,920×1,080) |
CPU | Intel Core i7-13700H |
メモリ | 16GB DDR4-3200 (PC4-25600) |
M.2 SSD | 500GB(NVMe対応) |
チップセット | CPU統合チップセット |
光学ドライブ | - |
グラフィックス | NVIDIA GeForce RTX 4060 8GB GDDR6 |
OS | Windows 11 Home 64ビット |
LAN | 1000BASE-T LAN、無線:IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n対応 Wi-Fi + Bluetooth 5.0 |
インタフェース | ヘッドフォン/スピーカー出力×1、マイク入力×1、USB 3.1(Type-C)ポート×2 、USB3.0×1、USB 2.0×1、ディスプレイ出力(HDMI×1/Mini DisplayPort ×1) |
サイズ | 約W360×D241×H28.6mm |
重量 | 約2.04kg(バッテリー含む) |
バッテリー 駆動時間 |
約4.1時間 |
価格 | 183,800円(税込)~ |
[PR]提供:ユニットコム