• 「XJ-V110W」

ビジネスにおけるプロジェクターの活用というと、真っ先に思い浮かぶのはプレゼンや会議での使用でしょう。しかし、実際にはその他にも様々な場面でプロジェクターが活用されており、なかにはあまり考えつかない意外な使われ方がされていることもあります。

そのなかで、新たなプロジェクターの活用法をしているのが、住まいに関する製品を提供しているLIXIL。同社はカシオ製のプロジェクター「XJ-V110W」を4台導入しており、筑波工場のショールームにて図面を原寸大で投映をしています。

同社によると「この活用法は極めて難易度が高く、多くのハードルがあった」のだとか。いったいどのようにして実現に至ったのか。LIXIL 浴室事業部 浴室製造部 筑波工場 設計課の美留町敦氏に伺いました。

商品の価値を伝えるために”体験”を重視

  • LIXIL 浴室事業部 浴室製造部 筑波工場 設計課の美留町敦氏

LIXILは住まいにおける暮らしの課題を解決するために、様々な製品・サービスを提供している企業です。主にトイレや浴室、キッチンなどの水まわり製品と、ドア、インテリア、エクステリアなどの建材製品で知られています。

そのなかでも美留町氏が所属する浴室事業部 浴室製造部 筑波工場 設計課は、浴室に関する設計をオーダーメイドで行う部署。主なクライアントは設計事務所やゼネコンで、時にはエンドユーザー(ホテル、旅館の経営者など)と直接打ち合わせをしながら設計を進めることもあるといいます。

そんなLIXIL筑波工場ならではのユニークな取り組みといえるのが「入浴体験」です。筑波工場のショールームには、同社が開発する高級ユニットバス「スパージュ」をはじめとする多種多様な浴室製品が設置されています。そのため、工場見学に訪れた取引先やエンドユーザーは実際にこれらの浴室を体験することができます。シャワーを浴びたり、バスタブにお湯を張って入ったりすることも可能であり、これは広い敷地を持つ筑波工場ならではのサービスといえます。

  • ショールームに設置されている高級ユニットバス「スパージュ」

この入浴体験を実施している理由は、LIXILが何よりも「体験」を重視しているからだと美留町氏はいいます。

カタログや写真、文面では商品を体感することができません。しかし、この入浴体験をすることで、商品がある生活をイメージすることができ、商品の良さを体感することも可能です。そういった点からも入浴体験はお客様からご好評いただいています。



一方でオーダーメイドの浴室製品については、こうした「体験」が難しいという課題を抱えていました。

オーダーメイドの場合、完成前に実物をお見せすることができません。そのため、お客様には図面をお見せしてバスタブやトイレのサイズをお伝えすることになりますが、やはり図面だけでは伝わりにくいです。

LIXILのクライアントはゼネコンやデザイナーのように建築に詳しい人だけではありません。たとえば戸建住宅の建築を考えている一般のお客様やホテル経営者など、建築のプロではない方も多く訪れます。そのため、図面を見てもサイズ感がいまいちピンとこないことが多いそうです。

そこで美留町氏が考えたのは、プロジェクターを活用して入浴体験と同様にオーダーメイドの浴室のサイズ感を”体験”してもらう方法でした。

最初は、プロジェクションマッピングなどを取り入れたいとの話も出ていたのですが、予算的に厳しく……。そこで思いついたのが、プロジェクターをショールームの天井に設置する方法です。床に向けて実寸大の図面を投映すれば、バスタブなどのサイズ感をお客様に体験していただけるのではと考えました。


CADソフトを活用すれば、投影した図面を簡単に変更することもできます。商談の現場で「扉や洗面台の位置を変えてみたい」「バスタブのサイズを大きくしてみたい」などの要望が出てもすぐに対応できるので、クライアントの満足度向上にもつながりそうだと思い、導入を考え始めたそうです。

難度の高い導入プロジェクトに挑戦

こうしてスタートしたプロジェクター導入プロジェクト。プロジェクターの製造・販売を行っているカシオに相談した結果、提案を受けた製品が 「XJ-V110W」 でした。

XJ-V110Wは最短5秒で起動し、投映時の待ち時間を大幅に短縮できるプロジェクターです。約20,000時間の長寿命光源を搭載し、本体は防塵設計を採用。そのため、ランプやフィルター交換の手間がかからず、トータルコストを削減できる点が大きな魅力です。さらに環境に悪影響を及ぼす、水銀を光源に使用しない”水銀ゼロ”でありながら3,500ルーメンという高輝度投映を実現しているのも特徴。美留町氏が想像したショールームにベストな製品でした。

もっとも、導入は簡単ではありませんでした。図面を実際の大きさで投映するには、プロジェクターが複数台必要です。美留町氏はXJ-V110Wを4台導入し、それぞれのプロジェクターから投映した映像をブレンドツールで合成するという方法を考えていました。しかし、ズレなく合成するためには非常に緻密な調整作業が要求されたのです。

自社だけでは対応できなかったので、カシオの担当者にもサポートを仰ぎました。カシオは単にプロジェクターを販売するだけでなく、お客様の事業領域やニーズを汲み取り実現⽅法について提案しています。

カシオの担当者様とは本当に何度もやりとりをして、XJ-V110Wの設置をフォローしていただきました。



こうして、XJ-V110W導入プロジェクトは見事に成功しました。ショールームの天井に設置された4台のXJ-V110Wを見ると、取り付け位置や高さが緻密に調整されていることがわかります。実際にXJ-V110Wから床に向けて投映してみると、4台の映像を合成しているとは思えないほど自然な形で図面が映し出されました。

  • 試行錯誤を行って設置したXJ-V110W

  • 緻密な調整によって、ズレなく、自然な形で投影

XJ-V110Wの導入で商談もスムーズに

実際に稼働してみると、XJ-V110Wには多くのメリットが感じられたと美留町氏はいいます。

XJ-V110Wは3,500ルーメンの明るさを持っており、360°投映が可能なので、天井から床に向けて投映しても十分に明るく見やすく図面を映し出せます。またショールームの高い天井に常設する使い方では、頻繁に取り外してメンテナンスするのは難しいのですが、長寿命光源かつ防塵設計のXJ-V110Wはその点でも最適でした。




また美留町氏が特に気に入ったのは、誰もがすぐに使えるシンプルな操作性と電源を入れてから約5秒で投映が可能になる起動の速さだといいます。

起動の遅さはお客様にとってストレスにつながります。お客様の体験価値を高めるためにも、起動スピードは非常に重要です。




XJ-V110Wを導入した効果について、美留町氏は「大いに感じている」と話します。

図面を原寸大で投映でき、なおかつ調整も簡単なので、設計事務所やゼネコンとの打ち合わせがスムーズに進むようになりました。商談におけるコミュニケーションを効率化できていると感じます。また、エンドユーザーの方々には、オーダーメイドの浴室が実際にはどれくらいのサイズ感なのかをわかりやすく伝えることも可能。お客様と試行錯誤しながら作り上げられることが満足度の向上につながっています。




コロナ禍が落ち着いてきたこともあり、LIXILの筑波工場にはショールーム見学に訪れるお客様が増えているとのこと。そうした状況のなか、XJ-V110Wを活用した図面投映システムは想像以上の大活躍を見せているようです。

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操作がシンプルで使いやすいだけでなく、約5秒で起動する俊敏性から顧客満足度の向上を実現するXJ-V110W。高所に設置しても、防塵性能を備えているため長期的な安定稼働が可能であり、トータルコストの削減にもつながります。LIXIL筑波工場のショールームでは、そんなXJ-V110Wを活用することで提案力の強化や顧客とのコミュニケーションの向上を果たしました。

会議やプレゼンなどの一般的な用途以外にも、様々な活用ができるXJ-V110W。ぜひ導入を検討してみてはいかがでしょうか。

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[PR]提供:カシオ計算機株式会社