PC系のライター・編集者になって22年以上が経過した(ライターとしてデビューしてからは約25年)。最近では某動画チャンネルで元プロレスラー風の衣装で登場し、「ウィー!」と叫びながらPCパーツについて語る謎のおっさんにもなっているが、それはともかく……。これまで数多くのノートPCに触れてきたが、何かを実現するには、何かを犠牲にするのがつきもの。例えば、軽さや薄さを追求するために、USBなどインタフェース類が最小限になって使い勝手が悪くなる。長時間のバッテリー駆動を実現するために、CPUが超低電圧版になり性能がそれほど高くない、といった具合だ。そのため筆者は“ノートPCは外出先のちょっとした作業用”と割り切って、性能よりもサイズや重量など持ち運びやすさを重視して製品選びをしてきた。

しかし、最近になってようやくリアルイベントや取材が増えてきて、ノートPCを使う機会が激増した。そうなると湧きあがってくる欲求が、仕事環境をノートPC1台に集約すること。テレワークが増えている昨今、外出先ではノートPCとして使い、会社や自宅では大画面の外部ディスプレイと接続して作業効率を高める、といったスタイルが非常に増えている。とはいえ、小型で軽くメインマシンとして問題ない性能があり、使い勝手もいいノートPCはそうそうあるものではない。

そんな時、マイナビニュースからノートPC「dynabook Vシリーズ」のレビュー依頼が届く。仕事でも遊びでも、全方位で快適な“5in1プレミアムPenノート”だという。正直「ホントかよ」と最初は思ったが、スペックを見て納得、使ってみてさらに納得のデキだった。軽い、頑丈、高性能で使い勝手も良好と「もう、全部これでいいじゃん」と手のひら返しで思ってしまった完成度。さっそく試用レポートをお届けしたい。

  • Dynabookの13.3型 5in1プレミアムPenノート「dynabook Vシリーズ」。今回試用したのはV6/V(P1V6VPBL)

dynabook Vシリーズの詳細についてはこちら

約979gの強烈な軽さと強力な頑丈さを合わせ持つ

dynabook Vシリーズは、ディスプレイが180度回転して、ノートPC型から完全なタブレット型にできるコンバーチブル構造(一般的には2in1とよばれる)。ノートPC、タブレット、ペン、フラット、モニターの5つのスタイルで使えることから“5in1プレミアムPenノート”とよばれている。スペック面では、インテルお墨付きの高性能ノートPCの証である「インテル Evo プラットフォーム」に準拠。この時点で、わかる人には「ああ、性能面では快適なのは確実」となるところ。それほどまでに、性能や使い勝手の面でEvoに準拠するためのハードルは高いのだ。

とまあ、複数のスタイルで使えて高性能なのが強みではあるが、それよりも強烈なインパクトは13.3型のディスプレイを備えながら、約979gと1kg切りの軽さを実現していること。幅303.9×奥行き197.4×高さ17.9mmと13.3型ノートとして一般的なサイズながら、持ってみるとほんとにCPUとかパーツが入っているのかを疑うほどの軽さ。

  • 重量は約979gと片手で軽々持てる。持ち運びがまったく苦にならない

それに加えて、アメリカ国防総省制定のMIL規格に準拠した9項目(落下、粉塵、高度、高温、低温、温度変化、振動、衝撃、太陽光照射)の耐久テストをクリアしたタフなボディ。気兼ねなくカバンに入れて持ち運べるのも非常にありがたい。

また、この軽さと頑丈さを実現するのにインタフェース類を犠牲にしていないのも素晴らしいところだ。右側面にはmicroSDカードスロットとType-A形状のUSB 3.1(Gen1)、左側面にはヘッドセット端子、HDMI出力、Thunderbolt 4(USB4 Type-C)×2とノートPCとして必要十分なものがそろっている。

  • 右側面にはmicroSDカードスロットとType-A形状のUSB 3.1(Gen1)を搭載

  • 左即目にはヘッドセット端子、HDMI出力、Thunderbolt 4×2を備える

バッテリー駆動時間は、JEITAバッテリ動作時間測定法Ver.2.0とノートPCでは標準的な測定方法を使って約22時間という長時間駆動を実現。長時間の移動があっても安心といえるだろう。また、充電はThunderbolt 4経由なので、USB PD対応で充電することができるというのもポイント。もし、出張などで付属の充電器を忘れたとしても、汎用的な充電器で対応しやすいのは持ち歩きが多い人ほど安心だろう。実際、会議や打ち合わせで専用のACアダプタを忘れて充電できずにピンチに陥るなんて経験はけっこうあるハズだ(筆者も何度かある)。

  • 充電はThunderbolt 4端子経由で行う。標準で65W出力のアダプタが付属

  • デザインはシンプルでスマート。仕事でも遊びでも学業でも使いやすい

何でも快適にこなせるCPUパワーとゲームも遊べる3D性能

今どきのライターは、原稿執筆だけではなく、写真を撮ってレタッチしたり、映像を撮影して編集したりといった能力も求められる。それだけにノートPCといえども、メインマシンとして使うことを想定した場合は、クリエイティブワークに対応できるだけの性能が必要だ。その点でも、今回試用したdynabook Vシリーズはまったく不安なしといってよい。

ちょっとマニアックな話だが、CPUにはIntel第12世代Coreの「Core i5-1240P」を採用。CPUの内部に高性能コアのPコアを4基、高効率コアのEコアを8基、合計12コアも備え、16スレッドの処理に対応。簡単にいえば、強烈な並行処理能力を持っているということ。実際、3人でビデオ会議を実施。処理性能を求められる背景のぼかし処理を使いながら、さらに資料を開き、Webブラウザで動画を再生するといった処理を実行してもCPUの使用率は20~30%程度。ぜんぜん余裕がある状態だ。テレワークで性能不足を感じることはほとんどないだろう。

そして、dynabookが長年培ってきた高い放熱効果を実現する「エンパワーテクノロジー」を採用しているのもポイント。なぜなら、CPUは熱が上がりすぎると自動的に性能を落としてPCを熱から守る機能が備わっており、適切に放熱しないと高い性能を維持できないためだ。高性能なCPUのパフォーマンスを最大限引き出せるように、ノートPCは単純なスペックだけではなく、放熱技術に力を入れているかも重要なのである。

  • CPUには12コア16スレッドと高い並列処理能力を持つCore i5-1240Pを採用

  • テレビ会議をしながら、資料を開き、Webブラウザで動画を再生してもCPU使用率は20~30%程度と余裕たっぷりだ

PCに基本性能を測定する「PCMark 10」を実行してみよう。アプリの起動、ビデオ会議、ワープロや表計算、画像や動画編集、3D処理など幅広いテストを行う定番のベンチマークアプリだ。

  • PCMark 10のベンチマーク結果

PCMark 10は、Web会議/Webブラウザ/アプリ起動の“Essentials”で4,100以上、表計算/文書作成の“Productivity”で4,500以上、写真や映像編集“Digital Content Creation”で3,450以上が快適にこなせる目安になっているが、すべて大幅に上回っている。どんな処理にも強いことがベンチマークでも証明された。

そしてそのCPUには高いグラフィック性能を持つ「インテル Iris Xe グラフィックス」が内蔵。CPUに内蔵されているグラフィック機能は3D性能が低いものが多く、ゲームをプレイするのは厳しいのが当たり前だった。しかし、Iris XeはフルHD解像度でかなり多くのゲームを楽しめる性能を持っている。

  • CPUには高性能なGPU「インテル Iris Xe グラフィックス」が内蔵されている

実際に人気FPSの「レインボーシックス シージ」で性能を試して見よう。解像度はフルHD、画質のプリセットは「中」にして、ゲーム内のベンチマーク機能を実行した。

  • レインボーシックス シージのベンチマーク結果

結果は平均82fpsと、ゲームの快適なプレイの目安は60fpsなので、それを軽く上回っている。つまりこのクラスの描画負荷のゲームなら、余裕で遊べるだけの性能を持つということ。仕事だけではなく、息抜きに人気ゲームで遊べるのもうれしいところだ。

一方、メモリはLPDDR5-5200が8GBで増設は不可なのがちょっと残念。ストレージはデータ転送が高速なPCle 3.0接続のSSDが採用されている。容量は256GBだ。ゲームを複数インストールするにはちょっと不安のある容量だが、Thunderbolt 4端子もあるので、Type-C接続の外付けSSDを活用するのもアリだろう。

  • SSDはPCle 3.0 x4接続で容量は256GB

  • SSDのデータ転送速度を測る「CrystalDiskMark 8.0.4」の結果。シーケンシャルリードは2302.22MB/sと十分に高速だ

取材で便利さを実感するペン入力

本機のディスプレイはタッチ対応となっており、指での操作に加えて、付属するWacom製アクティブ静電ペンによるペン入力もサポート。筆圧感知レベル4,096と、微妙な線の太さや濃淡を付けられる本格派のペンで、イラスト作成も可能なレベルだが、筆者は基本ライターなので、これまでペン入力を重要視したことはなかった。

しかし、実際に展示会などイベント取材で使ってみると非常に便利だ。イベント取材では基本立ったまま相手と話をすることになるので、筆者は質問内容を頭にたたき込んで、胸ポケットにボイスレコーダーを入れ、ノートに気になったことをメモするというスタイルが鉄板。

だが、それらを本機だけで完結できる。ディスプレイを360度回転させれば、完全なタブレット型になるので手に持ったままメモを取れるのはもちろん、質問内容をディスプレイに表示させておくこともできる。ボイスレコーダーアプリの「TruRecorder」も搭載されているので、別途レコーダーを用意する必要もなく録音も可能。さらに、キーボードの上部にはカメラも内蔵されているので、タブレット状態のままスマホのように撮影も。本格的な撮影は難しいが、取材メモ的な撮影なら十分だ。

うーん、約979gの軽さと高い処理性能も相まって取材が一気に快適になってしまったのである。

  • 筆圧感知レベル4,096と本格的なイラスト制作にも対応できるWacom製アクティブ静電ペンを付属。動作には単6電池を入れる必要がある

  • メモ用のアプリ「TruNote」が入っているので、手書きメモの管理もしやすい

  • キーボードの上部にカメラが内蔵されているので、タブレット状態でも撮影しやすくなっている

これら機能は、会議や大学の講義にも当然活用できる。バッテリー駆動時間が長いのもこういう時にも心強い。

趣味の時間を充実させる360度回転ヒンジとDolby Atmos

ディスプレイを360度回転できるのは、遊びにも非常に便利だ。タブレット型なら電子書籍を読むのに最適。筆者は本の購入はほとんど電子書籍オンリーになっているので、13.3型の大画面が寝っ転がりながらグダグダと本を読めるのは素晴らしい。老眼が入り始めているおっさんとしてはスマホの画面で読むのはけっこうキツイのだ。

  • タブレット型は電子書籍を読むのにも便利だ

また、ディスプレイを180度回転させて立たせる、テントモードともいわれる状態にすれば動画視聴に最適だ。ディスプレイは状態に合わせて自動的に回転してくれるので、テントモードにすれば当然上下が入れ替わる。この状態は奥行きも短くなるので、デスクの脇など狭い場所にも置きやすく、別の作業をしながら動画配信サービスを楽しむ、といったことがしやすいのも強みだ。

  • 動画の視聴に便利なテントモード

また、底面にはオーディオ機器で有名なharman/kardonのステレオスピーカーを備えているのに加えて、立体音響技術の「Dolby Atmos」もサポート。アプリでは音楽・映画など、ジャンルに合わせたイコライザーを用意しており、好みのサウンド環境を作れるのも面白い。例えば、映画のイコライザーは音が広がって空間を感じるようになり、音楽のイコライザーはボーカルを際立たせる印象だ。ちなみに、「Dolby Atmos」はヘッドホンにも有効なのがうれしいところ。

  • 底面にはharman/kardonのステレオスピーカーを搭載

  • 「Dolby Atmos」のアプリにはジャンル別のイコライザーが用意されている

このほか、装備も抜かりはないと感じた。ディスプレイは180度開けば相手に画面を見えやすいのでプレゼンなどに便利。キーボードはキーピッチ19mm、ストローク1.5mmと薄型軽量ボディとは思えないほどしっかりとしたサイズと深さが確保されており、文字入力も快適だった。長時間の文章入力も苦にならないだろう。

  • ディスプレイはキレイに180度開くことも可能

  • キーボードは日本語配列でクセもなく使いやすい

  • キーピッチは19mmと広く、キーピッチも1.5mm確保されており、キータッチは良好だ

  • キーボードにはバックライトも内蔵されており、暗い場所でも入力作業がしやすい

ノートPCの“汎用性”を最大限高めた1台

筆者にとってPC最大の魅力は“汎用性”にあると思っている。仕事もゲームも動画編集も作曲もイラスト制作も、やりたいと思ったことにすぐチャレンジできるのがPCの強みだ。そのためには、ある程度高い性能が必要になるが、本機はそれを約979gという驚きの軽さに凝縮。しかも、5in1というさまざまなスタイルで楽しめるようになっており、仕事も遊びも快適にこなせてしまう。非常に完成度の高い「万能」モデルが誕生したな、というのが素直な感想だ。仕事用にガチで欲しい1台である。

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