パソコン工房を運営するユニットコムから、インテルのNUC規格に準拠した超小型デスクトップPC「SOLUTION-CNTI-i7-UXX」が発売中だ。

手のひらに乗るサイズにもかかわらず高性能な第11世代Intel Core i7プロセッサーを搭載しており、プライベートからビジネスまで幅広いシーンで快適に使用できる。また2.5GBASE-TやHDMI端子をそれぞれ2基搭載するなどインタフェースが充実しているのも特徴で、多彩な周辺機器を接続することが可能。またインテルvProに対応しており、セキュリティの強化とPCを遠隔操作で管理・運用するのに最適。

  • ユニットコムの超小型デスクトップPC「SOLUTION-CNTI-i7-UXX」

今回、その実機を試すことができたので、使用感やパフォーマンスなどを詳しく紹介していこう。

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場所を選ばず設置できるコンパクトなデスクトップPC

一般ユーザーからゲーマーまで、幅広い層に向けた製品を展開しているユニットコムのBTOパソコンブランド「iiyama PC」。そのうち、ビジネスユーザー向けの製品が「SOLUTION∞(インフィニティ)」シリーズだ。

今回試した「SOLUTION-CNTI-i7-UXX」は、同シリーズのデスクトップPCのなかではもっともコンパクトなケースを採用したモデル。インテルのNUC(Next Unit of Computing) ミニ PCベースの製品で、フットプリントは幅117mm×奥行き112mm、厚みも約54mmしかない。容積はわずか0.7リットルで、質量は実測で633g。CDジャケットにすっぽり隠れてしまうくらい小さく、手のひらに無理なく乗せられるくらい軽い。これくらいコンパクトだと、机の片隅やラックの隙間などにも無理なく設置できるのが嬉しい。

  • 手のひらサイズの「SOLUTION-CNTI-i7-UXX」

ACアダプタは19V/6.32Aで出力120Wとなっている。本体に比べると少しサイズが大きく見えるが、厚みは約25mmと薄型なので置き方を工夫すればそれほどジャマにはならない。

  • ACアダプタは少し大きめだが、ジャマになるほどではない

本体はブラックで統一されており、本体天面はざらっとしたマットな質感になっている。左側面と右側面にはメッシュ状の通気口が設けられており、エアフローの効率はよさそう。ちなみに製品にはVESA規格に対応した専用マウンターが付属しており、同規格に準拠した外付けディスプレイ背面などに取り付けて一体型PCのように使うことも可能だ。

  • 本体左側面。メッシュ状の通気口が設けられている

  • 本体右側面。こちらにもメッシュ状の通気口が設けられている

  • 付属のVESA規格に対応した専用マウンター。VESA規格準拠の外付けディスプレイの背面などに本製品を取り付けることができる

  • 本体天面。ざらっとした質感で、汚れや指紋が付きにくくなっている

小型軽量ながらインタフェースは充実

小型軽量ながら拡張性やメンテナンス性に優れているのも本製品の特徴。本体内部へは、底面の4つのネジを緩めれば比較的容易にアクセスすることができる。

マザーボードは上部カバーの裏面に取り付けられており、メモリスロットは2基、M.2スロットは1基用意されている。また2.5インチベイも搭載しており、セカンドストレージとしてSATA接続のSSDやHDDを内蔵することが可能。無線LANはWi-Fi 6(IEEE802.11 ax/ac/a/b/g/n)で、Bluetooth 5も搭載されている。

インタフェースは本体前面にUSB 3.1×2、本体背面にThunderbolt 4ポート(Type-C)×1、Thunderbolt 3ポート(Type-C)×1、USB 3.1×1、USB2.0×3、HDMI×2、2.5GBASE-T LAN×2が搭載されている。Thunderboltポートに加えてHDMIが2ポート用意されているため、マルチディスプレイ環境を構築しやすいのは嬉しい。

またLANが2ポート搭載されていることで、有線LANによるネットワーク接続とNASへの接続を両立することも可能。複数のネットワーク接続を1本の回線として扱うリンクアグリゲーションなどを実現することもできる。

そこでいきてくるのが「インテルvPro」だ。本製品はPCを遠隔操作で安全に管理・運用するのに最適なvProに対応している。「インテルvPro」は、強力なセキュリティが搭載されており、例えばインテル ハードウェア・シールドによりCPUを使用した効率的なBIOSの保護に対応し、攻撃リスクの軽減となる機能が搭載される。

そして、インテル アクティブ・マネジメント・テクノロジーによりネットワークにさえつながっていれば、遠隔で本製品の電源を入れたりBIOS設定をするなど、ハードウェアレベルでのセキュアなリモート操作が可能。企業のPCの管理者や利用者の負担を軽減しつつ高度なリモートデスクトップを実現することができ、テレワークやハイブリッドワークをスムーズに推進することができる。

こうしたvProに対応するには、サポートされているCPUやチップセット、LANコントローラーなどが必要で、それらをひとつひとつ揃えるのは結構たいへん。本製品なら、購入した時点でそれらがすべて揃っていて、当然ながらきちんと機能する。そこが法人向けとしてはもちろんだが、個人ユーザーのテレワーク用PCとしてもおすすめできるポイントだ。

  • 本体底面。四隅のネジを緩めることで内部にアクセスできる

  • 本体内部。M.2スロットは1基、メモリスロットは2基用意されている。また2.5インチベイも搭載されている

  • 本体前面にはUSB 3.1×2が搭載されている

  • 本体背面にはThunderbolt 4ポート(Type-C)×1、Thunderbolt 3ポート(Type-C)×1、USB 3.1×1、USB2.0×3、HDMI×2、2.5GBASE-T LAN×2が搭載されている。このサイズによく詰め込んだと思うくらいインタフェースは充実している

画像編集や軽い動画編集にも対応できるパフォーマンス

評価機には、CPUとして4コア8スレッドの第11世代Intel Core i7-1185G7プロセッサーが搭載されていた。グラフィックスはCPU内蔵のIris Xe Graphicsで、メモリは16GB(デュアルチャネル、DDR4-3200)、ストレージは500GB(NVMe対応M.2 SSD)という構成だった。

今回はそのパフォーマンスをチェックするため、「CINEBENCH R23」「PCMark 10」「3DMark」「CrystalDiskMark」などのベンチマークソフトでスコアを測ってみた。

まず、CPUの性能を測る「CINEBENCH R23」は、次の結果になった。

CINEBENCH R23
CPU(マルチコア) 5829pts
CPU(シングルコア) 1551pts

アプリのパフォーマンスに影響するシングルスレッド性能が1500ptsを超えておりかなり高め。Officeなどのビジネスアプリはもちろんだが、画像編集や動画編集など、クリエイティブ系アプリも快適に使用できると思われる。マルチスレッド性能も高く、複数のタスクを同時に処理するような場合も動作が重くなりにくいはずだ。

続いて、PCの総合的なパフォーマンスをチェックするため「PCMark 10」を実行してみた。

PCMark 10
総合スコア 4817
Essentials 9646
Productivity 6403
Digital Content Creation 4912

快適さの目安となるスコアは、基本性能を示すEssentialsが4100以上、ビジネスアプリのパフォーマンスを示すProductivityが4500以上、クリエイティブアプリのパフォーマンスを示すDigital Content Creationが3450以上。本機はいずれのスコアも上回っており、普段使いやOfficeを使ったビジネス文書作成はもちろんのこと、画像編集や動画編集などのクリエイティブ用途でも快適に使用できることがわかる。

次に、グラフィック性能を測るため「3DMark」も試してみた。

3DMark Time Spy
Time Spy score 1652
Graphic score 1485
CPU score 4592
3DMark Fire Strike
Fire Strike score 4402
Graphic score 4839
Physics score 14338
Combined score 1621
3DMARK Night Raid
Night Raid score 15784
Graphic score 17987
CPU score 9318

DirectX 12世代でWQHD(2,560×1,440ドット)解像度のテスト「Time Spy」が1652、DirextX 11世代でフルHDの「Fire Strike」が4402となっている。CPU内蔵グラフィックスということもあってそれほどスコアが高いわけではないが、フルHDで軽め〜中程度の重さのゲームならそこそこ快適に楽しめそうな結果。動画視聴や、ちょっとした画像・動画編集であれば十分なパフォーマンスだ。

このほか「CrystalDiskMark」でストレージの性能も測ってみた。試用機にはPCIe Gen3×4接続のM.2 SSDが搭載されていたが、シーケンシャルリードが3000MB/s程度と、一般的な用途には十分な速度だった。

CrystalDiskMark
1M Q8T1 シーケンシャルリード 3039.88
1M Q8T1 シーケンシャルライト 1637.36
1M Q1T1 シーケンシャルリード 2318.98
1M Q1T1 シーケンシャルライト 1607.38
4K Q32T1 ランダムリード 462.96
4K Q32T1 ランダムライト 525.34
4K Q1T1 ランダムリード 84.36
4K Q1T1 ランダムライト 175.16

手のひらに乗るコンパクトサイズでありながら、ビジネスPCに求められるパフォーマンスや機能をきっちり搭載した超小型PC「SOLUTION-CNTI-i7-UXX」。

直販サイトでは170,800円(税込)~という価格で販売されているが、その実力を考えれば十分納得できる価格だといえる。置き場所を選ばないコンパクトなPCがほしいと考えているユーザーにはぜひ注目してほしい製品だ。CPUなどの構成が異なるよりリーズナブルなモデルも用意されているので、併せて検討してみてはいかがだろうか。

レビュー製品の詳細はコチラ

標準スペック

メーカー ユニットコム
モデル SOLUTION-CNTI-i7-UXX
CPU Intel Core i7-1185G7
メモリ 16GB DDR4-3200 (PC4-25600)
M.2 SSD 500GB(NVMe対応)
チップセット CPU統合チップセット
光学ドライブ -
グラフィックス Intel Iris Xe Graphics
OS Windows 11 Pro 64ビット(DSP版)
LAN 2.5GBASE-T×2
インタフェース USB 3.1×2、Thunderbolt 4ポート(Type-C)×1、Thunderbolt 3ポート(Type-C)×1、USB 3.1×1、USB2.0×3、ディスプレイ出力(HDMI×2)
サイズ 約W117×D112×H54mm
価格 170,800円(税込)~

[PR]提供:ユニットコム