• 柴田氏、小林氏

    左:アンシス・ジャパン株式会社 マーケティング部長 柴田 克久氏
    右:マイナビニュース TECH+ 編集長 小林 行雄氏

2021年9月8~10日の3日間、アンシス・ジャパン株式会社(以下、アンシス・ジャパン)主催のオンラインイベント「Ansys INNOVATION CONFERENCE 2021」が開催される。本記事では、アンシス・ジャパン マーケティング部長の柴田 克久氏と、10日のスペシャルセッションにてモデレーターを務めるマイナビニュース TECH+ 編集長の小林 行雄氏に、日本の製造業におけるDX(デジタルトランスフォーメーション)の現状について対談してもらったうえで、イベントの概要も紹介する。

――― 日本の製造業におけるDXは現状どのような状態でしょうか。

小林氏
まだまだ進んでいないですね。大企業ではデジタル化という意味でのDXは進んでいるのですが、中小企業は「お金がない」「人材がいない」といった理由で苦しんでいる印象です。

柴田氏
中小企業は確かに、トップダウンで「DXをやれ」といわれても現場は何をすればいいのかわからない……という話を聞きます。また大企業も、デジタル化自体は進んでいますが、変化に柔軟に対応し、競争力強化や新ビジネス創造といった大きな目標に向かうためのDXにまでは行っていない企業が多いという認識です。



小林氏
デジタル化は戦術論であり、あくまで個々の戦い方の問題。対してDXは戦略論で、自社の強みを打ち出し、ビジネスモデルをいかに構築するかという視点で考える。この切り分けが大事だと思います。

――― 製造業がDXを進めていくうえで重要なことはなんでしょうか。

柴田氏
今後はシミュレーション技術がより重要になると考えています。いま、製造業で発生する設計開発や製造プロセスのあらゆる問題が複雑化しています。たとえば電気自動車向けに効率の良いバッテリを作ろうとなったとき、制御や温度、地域による違いなど多種多様な条件でテストをしなければなりません。しかし、従来のように現物でテストを行うと、時間やコスト面で限界がきます。一方、シミュレーション技術を使えば、最適な組み合わせを的確に試すことができます。当社では、この研究開発の段階からDXを進めていくことを提案しています。



小林氏
確かに複雑な条件の計算はデジタルでなければ難しいですね。さらに最近は見えない部分のパラメーターも入ってくるので、シミュレーションツールを使わなければ実質的に厳しいといえます。

柴田氏
加えて、これまでの職人芸のような属人化した業務を継承するために、標準化を図ることもDXのテーマの一つ。標準化には数値が必須ですから、やはりシミュレーションツールが活躍すると考えます。



小林氏
高速・大容量、多接続、低遅延通信を実現する5Gが登場し、シミュレーションの幅もグッと広がりましたね。

柴田氏
機器やセンサーなどのあらゆるデータをリアルタイムに収集できるのが5Gのメリット。そうして得たデータを、従来のように生産設備の予兆保全に使うだけでなく、ユーザーの使用データからニーズを先取りして新たな商品・サービスの開発につなげるなど、可能性が格段に増えました。



小林氏
リアルなものからデータを取り、それをシミュレーションと掛け合わせる、いわゆるデジタルツインが力を発揮するようになるでしょう。5Gであれば場所を問わず、かつ多数の機器から接続できるので、工場内設備の効率化はもちろんのこと、たとえば街全体のデータをバーチャルのスマートシティと融合して予測を出すといった使い方も現実に近づいたと感じます。

柴田氏
5Gと当社が提供するシミュレーションツールの組み合わせによるプラットフォームが、多彩なソリューションの実現につながる。そういう時代がきたことを実感しています。とはいえ当社単体では限界もあるので、さまざまなパートナーとの協力を深めながら、より大きなエコシステムを構築し、顧客のみなさんのDXをサポートしたいですね。



DXに関する悩みも解決! 年に1度の大型イベントとは



「Ansys INNOVATION CONFERENCE」は、2018年から4年連続で実施されている大型イベントだ。2021年は9月8・9・10日の3日間にわたりオンラインで開催される。
同イベントはもともとエンジニアリング領域のシミュレーション技術とソリューションに限定したフォーラムだったが、近年はDXをはじめとするビジネス課題にもテーマが拡大。エンジニアはもちろんのこと、エンジニアチームをまとめるリーダーやマネージャー層にまで対象が広がり、来場者も年々増加している。



また、テクノロジーのトレンドに合わせたテーマが3日間それぞれに設定されている。初日の8日は「Automotive Day」、9日は「Digital Transformation Day」、10日は「Electrification/5G Day」だ。プログラムは、各日のテーマに関連するスペシャルセッション/キーノートセッション、Ansysのシミュレーションツールを実際に活用している多彩な事例紹介のセッションに加えて、アンシス・ジャパン及びパートナーによるソリューション展示も用意されている。

8日のスペシャルセッションは、アンシス・ジャパンの自動車事業関連の担当者が登壇し、国際モータージャーナリストの清水 和夫氏がモデレーターを務めるパネルディスカッション。
9日はキーノートセッションとして株式会社東芝でDXによる改革を進める福本 勲氏からの講演が予定されている。
そして10日は、経済産業省の和泉 憲明氏をパネリストに招き、モデレーター役のマイナビニュース TECH+ 小林氏のもと、アンシス・ジャパン担当者と5G時代のDXについてパネルディスカッションを行う。

小林氏は10日のセッションに臨む意気込みをこう話す。
「とりわけ中小製造業の現場では、DXを進めようとはしていても予算や人材の問題があり、なかなか取り組めないという方が大勢いると思います。そうした方々にDXの考え方を理解していただき、トップにも行動を促して、DXの第一歩を踏み出すきっかけとなるような場にできればと考えています」

また柴田氏も、イベントに向けて次のように語る。
「新型コロナウイルスの影響で昨年に続きオンラインでの開催となりましたが、オンラインであるがゆえに全国各地から気軽にご参加いただけます。エンジニアリングをスタート地点とし、シミュレーションの活用によってDXを進めていくためのヒントを今回のカンファレンスから見つけ、有用な情報をみなさまの会社に持ち帰っていただければうれしく思います」

オンライン開催のため、気になるセッションのみ参加することも可能だ。シミュレーションによる活用事例に興味を持っている方、ものづくりのデジタル化を推進し、各産業の先端分野で次世代製品やサービスの開発、変革に従事する方はもちろんのこと、Ansys製品を使用している方など、ぜひ多くの方に参加していただきたい。


会  期:9月8日(水)・9日(木)・10日(金)
開催形式:オンライン
参加費用:無料・事前登録制
主  催:アンシス・ジャパン株式会社
協  力:株式会社マイナビ コンテンツメディア事業本部 TECH+セミナー運営事務局

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