動画制作や、ライブ配信において、もっとも重視すべきポイントはなんだろう。もちろん映像のクオリティや編集技術が重要な要素であることは間違いないのだが、意外と見過ごされているのが「音声」ではないだろうか。視覚的にわかりやすい映像や編集に比べると地味な印象があるが、実は「音声」もまた、動画のクオリティを左右するポイントなのだ。
今回、元朝日放送アナウンサーであり、現在は自らも動画配信を行いながらeスポーツアナウンサーとして活躍中の平岩 康佑 さんに「音声」の大切さと、動画制作におけるクオリティを上げるためのポイントなどについて聞いた。
「音声」の大切さ
――まず、平岩さんのご経歴から伺います。
平岩: アナウンサーとして7年間、スポーツ実況を担当していました。4年前の冬、韓国でeスポーツ大会の熱狂ぶりを見て、自分の人生をeスポーツに賭けたいと決意し、すぐに辞表を出しました。以降、仲間と共にeスポーツアナウンサーとして活動しています。
――現在の動画コンテンツやゲーム実況の盛り上がりをどのようにご覧になっていますか?
平岩: 特にゲーム実況は盛り上がっているジャンルですし、これからさらに拡大していくと思います。日本はゲーム実況のおかげでゲームを見る文化が醸成されているので、そこからeスポーツ観戦につながっていくといいですね。 ゲームを初めて見る人でも楽しめるように、ルールをわかりやすく説明したり、選手のパーソナリティを紹介したりして盛り上げていくのが、ぼくの役目だと考えています。
――平岩さんは、ご自身も動画クリエイターとして数々の動画を制作され、ゲームの生配信も行われています。動画コンテンツを制作する際のポイントについて教えていただけますか?
平岩: なんといっても音声、特に“聞き取りやすさ”を大切にしています。というのもインターネットでの動画視聴は人によって環境がまったく違うからです。電波状況でも聞き取りやすさは変わりますし、光回線で見ている人もいれば3G回線で見ている人もいます。イヤホンやスピーカーの種類でも音質は違ってきます。
聞き手の環境はぼくにはどうしようもないのですが、配信機材や話し方などであれば自分でコントロールできます。機材に関しては、Blueのマイク「YetiX」を愛用しています。また、話し方の面では、言葉を噛まないのは当然として、紛らわしい言葉はしっかり区別できる単語に置き換えるなど工夫しています。
たとえばクイズ動画では「正解/不正解」という単語を口にすることがありますが、「不正解」の「不」の部分は早口になると聞き取りにくく、「不正解」も「正解」に聞こえてしまって紛らわしいんです。ですから、回答が間違っていた場合、ぼくは「不正解」ではなく「残念」と言うようにしています。このような点をいくつも心がけています。
――まさにアナウンサーの技術ですね。
平岩: 音質も重要です。音質によっても聞き取りやすさはかなり違いますからね。生配信のように字幕をつけられないコンテンツは特にこだわった方がいいでしょう。一番いいところで音が割れてしまって伝わらないのが、一番もったいないですから。
最近はむしろ、音だけ聴いているという視聴者も増えている印象です。ぼくの動画でも、たとえば運転中にラジオ感覚で音だけ聴いてくださっている方がいらっしゃるんですよ。
――一般の方でもすぐに使える話し方のコツはありますか?
平岩: 誰でもできるのは、“ゆっくり話す”ことです。よく「自分は滑舌が悪い」とおっしゃる方がいますが、ほとんどの場合、早口で話しすぎているんです。ゆっくり話せば、噛むことはありません。
――平岩さんの今後の展望や、eスポーツのこれからについて見解を教えてください。
平岩: ぼく自身は今後も実況にフォーカスして活動をしていきます。これからさらに多くの人がゲーム実況の作り手になっていくでしょうし、eスポーツも賞金額が大きくなってますます注目度が高まるでしょう。将来的には、eスポーツ観戦がプロ野球観戦のような存在になると思っています。
――ありがとうございました!
クリエイター、ストリーマーのためのマイク
■「YetiX」を実際に使用した動画はこちら
「YetiX」の性能に迫る
eスポーツ実況の第一人者であり、自らも動画クリエイターとして活躍する平岩さん。そんな平岩さんの動画制作におけるこだわりは「音声」だ。
音質はもちろん、使い勝手や機能面も含めて、平岩さんが「ベスト」だと推薦するマイクがBlueの「YetiX」である。お気に入りのポイントは、マイク自体にインジケーターがついており、ボイスレベルの確認ができること。音が割れたり、逆に音がミュートになっているなどのトラブル時にインジケーターですぐにチェックすることが可能だ。
もちろん、音の状況は配信ソフトや視聴者コメントなどでも把握はできる。しかし、配信中はゲーム画面を全画面に拡大しているため、配信ソフトの画面が見えない状態になっていることが多い。コメントを見逃してしまうことも。音のトラブルは意外と気が付きにくいのだ。
「YetiX」は平岩さんのように、動画配信やポッドキャストなどの利用に最適な高性能マイクである。
4カプセルアレーを搭載しており、高音質で明瞭なサウンドを再現する。レコーディングやストリーミングに向いた単一指向性のほかに、電話会議に適した無指向性、インタビューに適した双指向性にも対応。さらにはASMRの録音など、あらゆる場面でベストな選択肢となるマイクとなっている。
音声の質は動画のクオリティを左右する重要なポイントだ。平岩さんも愛用の「YetiX」は、動画クリエイターとして活動するのであれば、ぜひ導入するべき機材といえるだろう。
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