マウスコンピューターは、格安SIMカードなどを装着し、外出先でもディスプレイを開いてすぐにネット接続が利用可能な13.3型ノートPC「m-Book J350SN-S2-LTE」を販売。本製品にはSIMロックフリーのLTE(4G)通信モジュールが内蔵されており、別途LTE対応SIMカードを用意し、装着・設定することで、Wi-Fiが利用できない環境でもネットワーク接続が利用可能だ。また第8世代4コアCPUや高速SSDを採用することで、パフォーマンス向上も図られている。今回、実機を借用したので、詳細スペック、使い勝手、パフォーマンスなどについてレビューしていこう。

  • マウスコンピューター「m-Book J350SN-S2-LTE」

    マウスコンピューター「m-Book J350SN-S2-LTE」

  • パッケージには本体、バッテリー、ACアダプタ、電源ケーブル、マニュアル類(製品仕様書、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書)が同梱されている

    パッケージには本体、バッテリー、ACアダプタ、電源ケーブル、マニュアル類(製品仕様書、ファーストステップガイド、マウスコンピューターサポートマニュアル、保証書)が同梱されている

LTE(4G)通信モジュール搭載モデルで9万円台から

今回レビューする「m-Book J350SN-S2-LTE」は、CPUに「Intel Core i5-8250U (1.60/3.40GHz)」、ディスプレイに13.3型フルHDノングレア (1,920×1,080ドット、LEDバックライト)を採用。また、8GBのメモリ(DDR4-2400 SDRAM)に、240GB SSD(Serial ATAIII接続)のストレージを標準で搭載している。

「m-Book J シリーズ」としては下記の13製品が用意されている。そのうちLTE(4G)通信モジュールが搭載されているのは、CPU別にCeleron プロセッサー 3865Uを搭載した「m-Book J320SN-S2-LTE」(69,800円:税別)、Core i5-8250Uプロセッサーを搭載した「m-Book J350SN-S2-LTE」(99,800円:税別)、「m-Book J350SN-M2SH2-LTE」(109,800円:税別)、Core i7-8550U プロセッサーを搭載した「m-Book J370SN-S2-LTE」(114,800円:税別)の4モデルだ。

m-Book J シリーズのラインナップ(Coreプロセッサー搭載)
型番(価格:税別) CPU メモリ ストレージ LTE
m-Book J350EN
(89,800円)
Core
i5-8250U
8GB 500GB Serial ATAII HDD
m-Book J350SN-S2
(94,800円)
240GB Serial ATAIII SSD
m-Book
J350SN-S2-LTE
(99,800円)
m-Book
J350SN-M2SH2
(99,800円)
256GB Serial ATAIII M.2 SSD、1TB Serial ATAII HDD
m-Book
J350SN-M2S5
(104,800円)
512GB Serial ATAIII M.2 SSD
m-Book
J350SN-M2SH5-C
(109,800円)
512GB Serial ATAIII M.2 SSD、1TB Serial ATAII HDD
m-Book
J350SN-M2SH2-LTE
(109,800円)
256GB Serial ATAIII M.2 SSD、1TB Serial ATAII HDD
m-Book J370SN-S2
(104,800円)
Core
i7-8550U
240GB Serial ATAIII SSD
m-Book
J370SN-S2-LTE
(114,800円)
m-Book
J370SN-M2SH2
(109,800円)
256GB Serial ATAIII M.2 SSD、1TB Serial ATAII HDD
m-Book
J370SN-M2SH2-C
(117,800円)
16GB
m-Book
J370SN-M2S5
(114,800円)
8GB 512GB Serial ATAIII M.2 SSD
m-Book
J370XN-M2SH2
(124,800円)
16GB 256GB Serial ATAIII M.2 SSD、1TB Serial ATAII HDD

どのモデルを購入する場合でも、メモリ(8GB/16GB/32GB)、SSD(128GB~2TB)、HDD(1TB/2TB)など豊富なカスタマイズ項目が用意されている(モデルによっては選べない項目あり)が、LTE非対応モデルでLTE(4G)通信モジュールを選択することはできない。

別途LTE対応SIMカードが必要

LTE対応「m-Book J シリーズ」でLTE(4G)通信を利用するためには、LTE対応SIMカードを別途用意する必要がある。SIMカードスロットは標準SIMカード形状が採用されているが、アダプタを用意すればmicroSIMカード、nanoSIMカードでも問題なく利用できる。ただし粗悪なSIMカード変換アダプタを使用した場合、脱着時に内部で引っかかってしまう可能性がある。マウスコンピューターの通販サイトではSIMカード変換アダプタは販売されていないので、大手通販サイトなどで評価の高い製品を選んで購入しよう。

LTE対応SIMカードのセットアップは、基本的にスマートフォンと変わらない。LTE対応「m-Book J シリーズ」には、背面のバッテリー装着部分にSIMカードスロットが用意されている。ここにSIMカードの表面が見える状態で、カチリという感触があるまで奥へ押し込めば装着は完了だ。

あとはWindowsを起動し、「設定→ネットワークとインターネット→携帯電話→詳細オプション」と進み「APNを追加します」を選択。そこでプロファイル名(任意の名前をつける)、APN、ユーザー名、パスワード、サインイン情報の種類を、SIMカードのパッケージやサポートページに記載されているとおりに入力すればいい。最後にクイックアクションで「携帯ネットワーク」のパネルを有効にすれば、LTE(4G)通信が利用可能となる。

一度設定すれば、Wi-FiとLTEで切り替える必要はない。Wi-Fi環境ではWi-Fi接続が優先されて、接続できるWi-Fiアクセスポイントがなければ、自動的にLTE(4G)通信でネットワークにつながる。注意しなければならないのはSIMカードのデータ通信量。動画視聴やオンラインストレージサービスをヘビーに使っていると、あっという間にデータ通信量を使い切り、速度制限がかかってしまう。オンラインストレージサービスは、外出先ではこまめに同期を一時停止しておこう。

  • SIMカードは表面を上にして、SIMカードスロットに挿入する

    SIMカードは表面を上にして、SIMカードスロットに挿入する

  • 「設定→ネットワークとインターネット→携帯電話→詳細オプション」と進み「APNを追加します」を選択してから、APN情報を入力する

    「設定→ネットワークとインターネット→携帯電話→詳細オプション」と進み「APNを追加します」を選択してから、APN情報を入力する

  • 最後にクイックアクションの「携帯ネットワーク」を有効にすれば、状況に応じてLTE(4G)通信でネットワーク接続が利用できる

    最後にクイックアクションの「携帯ネットワーク」を有効にすれば、状況に応じてLTE(4G)通信でネットワーク接続が利用できる

LTEでノートPCの利用スタイルが変わる

LTE(4G)通信の使用感についても触れておこう。「m-Book J350SN-S2-LTE」でのLTE(4G)通信環境は想像以上に快適だ。長めのメールを送る必要があるとき、スマートフォンやタブレットよりも、キーボードのある本製品のほうが素早く返信メールを作成できる。

そしてYouTubeやニコニコ動画などの動画視聴時も、検索キーワードを素早く入力し、目的の動画をすぐに再生できるし、13.3インチの大画面でゆったりと鑑賞可能だ。4コア8スレッドのCPUパフォーマンスを生かしオンラインゲームを楽しむのもいい。

「m-Book J350SN-S2-LTE」は屋外でもシームレスにネットワークにつながるので、メール送受信、動画視聴、オンラインゲームプレイ時に、ネットワークの存在を意識する必要はない。もちろんWi-Fi環境とは通信速度は異なるが、基本的なPCの利用スタイルが屋内でも屋外でも変わらないというのが、LTE(4G)通信に対応する本製品最大のアドバンテージだ。

約1.5kgの軽量ボディでラクラク持ち歩ける

「m-Book J350SN-S2-LTE」のサイズはW324×D234×H22.5~25.0mm、重量は約1.5kg。毎日の通勤通学時にバッグに入れたままでも負担にならないサイズ、重量だ。使い勝手を向上させるために、ディスプレイの最大展開角度を約140度と広く確保したり、接続機器同士がぶつからないようにUSB端子の間隔を広げている点も見逃せないポイントだ。

  • 本製品の実測重量は1450.5g。トートバッグなどに入れて気軽に持ち歩ける重さだ

    本製品の実測重量は1450.5g。トートバッグなどに入れて気軽に持ち歩ける重さだ

  • ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測213.4g。「ACアダプタ用直結プラグ」などを装着すれば、電源ケーブルのぶん軽量化を図れる

    ACアダプタと電源ケーブルの合計重量は実測213.4g。「ACアダプタ用直結プラグ」などを装着すれば、電源ケーブルのぶん軽量化を図れる

  • ACアダプタの仕様は入力100-240V~1.0A、出力19V/2.1A、容量40W。製品保証は国内仕様となっているが、変圧器を使わず世界各地で利用可能だ

    ACアダプタの仕様は入力100-240V~1.0A、出力19V/2.1A、容量40W。製品保証は国内仕様となっているが、変圧器を使わず世界各地で利用可能だ

  • バッテリー容量は3275mAh。予備のバッテリーをBTOオプションとして購入しておけば、ACアダプタなしで長時間運用できる

    バッテリー容量は3275mAh。予備のバッテリーをBTOオプションとして購入しておけば、ACアダプタなしで長時間運用できる。ちなみに、予備バッテリーは、標準バッテリー:6,800円、大容量バッテリー:9,800円の2種類から選べる

  • ディスプレイの最大展開角度は従来モデルの約130度から約140度に広げられた。シチュエーションに合わせて最適な角度に調整できる

    ディスプレイの最大展開角度は従来モデルの約130度から約140度に広げられた。シチュエーションに合わせて最適な角度に調整できる