ダーモスコピーを利用すれば、健康なホクロと区別しづらい悪性黒色腫(メラノーマ)などの皮膚がんも見つけやすく、患者にとっては「安い」「早い」「痛くない」の三拍子が揃った診察方法と言える。
このダーモスコピーを効率よく、しかも無料で学べるクラウドベースの学習サイトが、カシオの運営する「D'z IMAGE(旧名:CeMDS)」だ。今回は千葉大学病院に勤務する宮地秀明先生と李宇先生を訪ね、D'z IMAGEをどのように仕事や学習に活かしているかインタビューした。
宮地先生は千葉大学の出身で医師としては5年目。皮膚科の所属となって3年目が終わるところと言う。李先生は山梨大学を卒業し、現在千葉大学で勤務している。医師としては4年目だ。
「今日の問題」を解くだけで経験の蓄積に
――早速ですが、D'z IMAGEは、普段どのくらい使っていますか?
宮地先生:「私はほぼ毎日ログインしています。『診断トレーニング』の中に、毎日一問の出題を解く『今日の問題』があり、これを解いてルーチンにしています。一回あたり、短いときは開いて、診断して、解説を読むだけなので、1~2分で終わります。一問ごとの症例がしっかりしているので、このコンテンツを毎日こなしていれば、経験の蓄積になると思っています」
――李先生はどうですか。
李先生:「正直に言うと、最近はあまり見ることができていません。というのも、私はいま、所属が総合診療科で皮膚以外も何でも診なければならないセクションなのです。そのため、皮膚のことだけ勉強するとなると頻度が少なくならざるを得ない状況です。
ただ、以前、ローテーションで皮膚科に所属していたときは、毎日皮膚を診ていましたから、D'z IMAGEも頻繁に利用していました。そのときは佐藤先生の連載が、初学者向けに具体的で分かりやすく書かれていたのが印象的でした」
――症例の画像を見る機会は多いのですか。
李先生:「自分で見るだけでなく、たとえば学生に教えたりするときに、説明中の疾患のダーモスコピー画像を見せたいと思うことがあります。同じ症例のいろいろな画像がざっと表示できるのが良いと思います。皮膚科の宮地先生のほうがそうした機会は多いのではないですか」
宮地先生:「そうですね。『症例データベース』で色素性母斑(ホクロ)の画像を表示して、ホクロは拡大するとこういう風に見えるんだよと見せたりしています。いろんなパターンを見せられるので重宝しています」