アメリカ合衆国運輸省によれば、アメリカ合衆国単体の自動車走行距離は毎年4兆マイル。太陽光が地球に到達するまで8分かかることを考えると、その距離を光が通過するまでなんと、8か月以上かかる計算になる。これらの数字は、人々が道路に出て、もっと時間を過ごしたいという気持ちと、車が日常生活において中心となってきていることを少なからず示している。そんな中、自動車に関連するシステムへの期待は加速度的に強まっており、特に安全面と、スマートフォンを扱うくらいの簡易な操作性、パーソナライズへの期待が高い。

ハードウェアとソフトウェア、両輪で技術が進歩している今日では、より高度な自動運転ソリューションが登場し続けている。今回はその中で、最も革新的だと思われる5つを紹介したい。

Tech Trend #1: Advanced Driver Assistance System(ADAS)

エンベデッドビジョン技術をベースにしたADASは、運転プロセスの中でドライバーのワークロードを低減するようにデザインされている。この考え方で車のビジョンシステムは、ドライバーのエラー、路上の障害物、ほかの車や歩行者に邪魔されずに車が安全に走行できるよう導く。また、画像を処理することで、車線逸脱警報、衝突回避、ドライバーの眠気検知などのほか、多くの「先を読む」機能を、車載セーフティーシステムへ提供している。

Tech Trend #2: Advanced Motor Control

先進的な乗り物にはドライブモーター以外にも、ポンプやファン、コンプレッサー、各種サーボ機構といった専用のモーターコントロールシステムが備わっている。効率化と管理の最適化を理由に昨今のエンジニアたちは、スカラ型のコントロールシステムから、トルクを正しく制御できるデジタルで洗練されたベクトル型アルゴリズムへ乗り換えている。

Tech Trend #3: Engine/Energy Management Systems

より少ないガソリンで、より長距離を走りたい。この市場のニーズは、より効率的なデジタルエンジン制御システムの追求と、さらには「リッターあたり何キロ走るのか」という項目が車の販売価格に影響を及ぼすところにまで波及した。電気自動車やハイブリッド車においては、バッテリーにセーフティークリティカルな制御機能を提供するのとはまた別に、ガソリンやバッテリーが適正に利用されるようモニターし、分析し、管理する機能が備わっている。モーター制御のトレンドは乗り物全体に管理システムを分散することだが、反面エンジン管理は情報を集中する方向に傾いている。

Tech Trend #4: グラフィカルインターフェイス

車載機器関連メーカーは、もっと情報を、もっとエンターテインメントを、というユーザーからの要望にこたえ続けようとしている。ダッシュボードに、アームレストに、座席の後部にタッチスクリーンを搭載しているのはなにも一部の高級車だけではない。解像度、コントラスト、サイズとともに要望を満たし、その中心となる製品がTFT液晶である。車内のディスプレイをタッチパネル形式にし、さらにはスマホのようなグラフィックや管理画面を提供し、外部アプリストアを導入して、車内で利用できるサービスを拡大している。

Tech Trend #5: 車・システム・IoT

輸送手段は複雑で安全への配慮が欠かせないため、最高級レベルの自動車にみられる処理速度や対話式計算システムを提供できるシステムアプリはほとんどない。また、ソーシャルネットワーキングが爆発的に浸透した今となっては、インターネットにつなぎ、車内にいてなお快適に過ごせるそれ以上のアプリはおそらくは、存在しない。 そう考えるとICメーカーができることは、パワーマイクロプロセッサーの機能拡張にこそあるだろう。ワイヤレス接続が進化すれば、車載システム同士の通信のみならず、たとえば外部ネットワークや、さらにはほかの車との通信もシンプルに実行できるようになる。乗り物が互いに通信し、車とクラウドデータが交信できれば、これまで未開拓だったメンテナンス時期の予測、パフォーマンスの傾向、 トラフィックの管理、そして最も重要であろう、安全性と緊急時の対応の向上につながる可能性が出てくる。

運転の安全性と効率化については日々議論がなされ、各種ソリューションが登場している。今回ここで紹介するのはスマートドライブ社の「ドライブx IoT」ソリューションである。

スマートドライブは2013年創業。専用デバイスで得たデータを可視化したサービスの提供、テレマティクス保険の開発や最近では個人向けの定額制コネクテッドカーサービスなど、自動車にまつわる多角的なソリューションを提供している。そのサービスの特徴は、工事等が不要なクイックスタートと、直感的に理解しやすいビジュアル。車両から取得した情報を活用するシーンを考え、ユーザーや車ごとにデータを可視化し、利用しやすいサービスとして提供している。