コンテンツクリエイト系ソフトの実力は?

ゲームではせっかくの高速SSDが活かせないようだが、コンテンツクリエイト系ソフト、いわゆる動画や写真編集ではどうだろうか? ここでは「Lightroom CC 2015」「Photoshop CC 2015」、そして「Premiere Pro CC 2015」の定番ソフトを使い、SATA SSD搭載モデルと比較してみた。

まずは「Lightroom CC 2015」を使い、200枚のRAW画像(2416万画素)に標準サムネールをつけてライブラリへ追加する作業と、それをそのままJPEG最高画質で書き出す処理の2つを比較した。

「Lightroom CC 2015」における各種処理時間

超高速なPCI-ExpressのSSDは通常のSATA SSDモデルより速く終了させることができたが、劇的に速くなる印象はなかった。もちろん1分1秒でも早く作業を終わらせたい、という人には本機は有効だが、CrystalDiskMarkで見せた性能差は体感できない、ということになる。

次は「Photoshop CC 2015」を使い、巨大画像をバッチ処理にかけたときの時間を比較する。元画像は6000×4000ドットと21600×4900ドットの2種類。これをそれぞれ縦横4倍に引き伸ばし、回転やチャネルごとの反転を加える、というシンプルな処理だが、元の画像が大きいので仮想メモリへのアクセスが発生する。つまりメモリが枯渇するような処理をさせたときにどこまで粘れるか、をチェックする。

だが結論から先にいってしまうと、21600×4900ドットの画像を使った場合、SATA SSDモデルはストレージの残量が不足し、仮想記憶のための領域がとれずに比較ができなかった。そこで21600×4900ドットの画像の場合のみ、手持ちのSSD(Crucial製「CT1000MX200SSD1」)を追加し、OSとPhotoshop側の仮想メモリをすべて増設SSD側に置いた設定でも計測した。

起動ドライブが120GBのSATA SSDでは、仮想メモリの置き場所が確保できず処理が停止した

「Photoshop CC 2015」を使ったバッチ処理時間の比較

元素材が6000×4000ドットだと、一瞬ではあるがPCI-Express x4接続のSSDを備える本機が速い。しかしもっと巨大な画像を素材にすると、SATAとPCI-Expressの実力差が歴然としてくる。今回のSATA SSDモデルはツインSATA SSD構成にしてようやくバッチを完走した訳だが、処理時間はPCI-Express SSDのほぼ2倍。メモリが枯渇するような状況では、SATA SSDだとCPUのパフォーマンスの足かせになる、ということがわかる。

最後は「Premiere Pro CC 2015」で約2分20秒に編集した4K動画をH.264形式に書き出す時間を比較する。「最高レンダリング品質」を有効にし、ビットレート最高12MbpsのVBRで1パス/2パスエンコードそれぞれの時間を計測した。

「Premiere Pro CC 2015」の4K動画書き出し時間

1パスエンコードではほぼ同着だが、2パスではSATA SSDモデルが若干遅くなった。全体の作業時間から見ると差はわずかだが、この小差の積み重ねを考えれば僅差と切り捨てることはできない。1分1秒が惜しいクリエイターなら、MDV-GZ7700X3-M2のPCI-Express SSDはぜひとも欲しい装備であるといえよう。

まとめ

以上、MDV-GZ7700X3-M2を各方面からチェックしてみたが、パフォーマンスは申し分ない。PCI-Express SSD「SM951」の速さを実感できるシチュエーションはそう多くはないが、画像処理などでメモリを多量に消費するシーンでは、PCI-Express SSDの読み書き性能の高さがいかんなく発揮される。動作が重くなってしまうコンテンツクリエイト系ソフトを使用する際には重宝する、まさにクリエイター向けのマシンといえるのだ。

ただ本機は完全無欠、という訳ではない。CPUクーラーが小型の普及品を使っているため、アイドル時でも騒音は48デシベルと高く、エンコードなど高負荷時になると53~56デシベルとかなり耳につくノイズが出る(フロントパネル正面30cm位置で「AR815」で測定。暗騒音35デシベル)。静かに使いたいならBTOで高性能クーラーに交換すべきだろう。空冷なら5000~6000円、水冷で6900円追加とお得感もある。さらにCドライブは実容量237GBなので容量の大きなゲームを入れる、あるいは素材を多量に仕込む場合は不足しがちになる。BTOでメインのSSDを512GBに増量(+35,900円)するのもいいだろう。

誰でも快適に使えるポテンシャルを備えているが、ワンメイクで目的に特化させた構成にすることもできる。ハイパワーPCは欲しいがある程度自分で構成を考える余地が欲しいと考える人には、絶対にオススメしたい製品だ。

標準のパーティション構成。Cドライブは237GBとなる

※ここで紹介した各パーツは、今回試用した機種のものです。出荷時にメーカー、型番などが変わる可能性もあります。ご了承ください。

標準スペック

メーカー マウスコンピューター
型番 MDV-GZ7700X3-M2
CPU インテルCore i7-6700K
メモリ 32GB PC4-17000 DDR4
SSD 256GB Samsung SM951シリーズ (M.2規格/PCI Express x4接続)
HDD 2TB SerialATAIII
チップセット インテルZ170 Express
光学ドライブ DVDスーパーマルチドライブ
グラフィックス NVIDIA GeForce GTX 980 Ti
OS Windows 10 Home 64ビット
LAN ギガビット(10/100/1000)LAN
インタフェース USB 3.0×6(前面×2、背面×4)、USB 2.0×2(背面×2)
サイズ W190×D490×H410mm
ディスプレイ
価格 259,800円(税別)

上記スペックは、あくまで構成の一例だ。BTOを駆使して、ぜひ自分好みの一台を作ってみてほしい。


価格・構成については、記事掲載時点の情報です。最新情報についてはマウスコンピューターのサイトにてご確認ください。

マウスコンピューター/G-Tune

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