"PCを買い替えたいが、買い時がわからない"と考えているなら、Windows 10にSkylakeこと第6世代Coreプロセッサーが出そろった今がその時。メモリもDDR3からDDR4へ移行したし、SSDもSATAからPCI-Express直結タイプへ移行し、CPU以外の足回りも強化されている。

だが同時にパーツの選定基準も大きく変化したため、パーツ知識がないと"これでいいのか"と不安になってしまうのも無理はない。しかし、こういう時こそ通販大手メーカーのBTOマシンが輝く。

今回はマウスコンピューターの「MDV ADVANCEシリーズ」の中から、Core i7-6700Kを筆頭に、現在のトップクラスのパーツで構成されたハイパワーPC「MDV-GZ7700X3-M2」をチェックしてみたい。

ハイパワーPCを買って長く使いたい人にはピッタリのマシン「MDV-GZ7700X3-M2」。マウスコンピューター直販サイトにて259,800円(税別)で販売されている

シンプルかつ実用的にまとめられた本体

MDV-GZ7700X3-M2の基本構成はCore i7-6700Kに32GBのDDR4メモリ、さらにグラフィックスはGeForce GTX 980 Ti、SSDはサムスンのPCI-Express x4接続の超高速SSDといったもの。中身は同社のゲーミングPC「NEXTGEAR」シリーズの上位モデル並といっていいだろう。ゲームはもちろんだが、写真や動画編集などのコンテンツクリエイト系作業向けのハイパワーマシンだ。

その割に外見は非常におとなしい。つや消し黒のフロントマスク中央のインジケーターLEDを除けば、むしろ業務用PC的なテイストのマシンといえる。

今時の第6世代Core用マザーだとUSB 3.1やType-Cコネクタを搭載しているものが多いが、本機ではUSB 3.0止まりとなる。やや惜しい気もするが、現状のUSB 3.1は機器との相性や安定性に難があり、"思ったほど速くない"こともしばしば。USB 3.1は安心感が何より優先されるPCでは時期尚早といったところだろう。

フロントパネル中央にパワーとHDDアクセスランプを兼ねた大きな発光部がある以外は、非常におとなしいデザイン。USB 3.0やメモリカードリーダーが前出しになっているため使い勝手は良好だ

シャーシは程々の厚みのスチール製。背面は塗装なしにすることでコストを抑えている。背面にはUSB 3.0が4系統と、USB 2.0が2系統のほかに、オーディオなどごく標準的な端子が並ぶ。マザー側のディスプレイ出力はGTX 980 Tiがあるのでふさいである

最上段にはDVDスーパーマルチドライブ。POSAカード形式やダウンロード販売がメインとなった現在では必須装備ではなくなったが、システムメンテナンスやデータの受け渡しなどでまだまだ活躍の機会は多い。電源ボタンはフロントパネルの右上部分に設置されている

MDV-GZ7700X3-M2の内部。シンプルな構成のZ170マザーを横断するように設置されたGTX 980 Tiカードなどが見える

CPUクーラーはBTOマシンではお馴染みのCooler Master製。コスト重視のクーラーなので残念ながら動作音は大きめ。静音性と冷えを両立させたい場合は、BTOで水冷クーラー(+6900円)を追加するのがオススメだ

ビデオカードはGeForce GTX 980 Tiのリファレンスカードを採用。VRAMが6GBと豊富なため、ゲームを4K&高画質で楽しみたい人なら絶対欲しくなる一枚

「HWiNFO64」でMDV-GZ7700X3-M2のCPU/GPU/メモリなどの情報をチェック。DDR4-2133の8GBモジュールが4枚で32GB構成になっている

CPUのすぐ下にあるM.2スロットにはサムスン製のPCI-Express x4接続のSSD「SM951」が組み込まれている。このSSDは規格的に一番新しい「NVMe」ではなく、従来型の「AHCI」を使ったものだが、公称読み込み速度は2000MB/秒を超えるという超高速タイプ。今回の評価機には256GBモデルが採用されていた

SSDの各種情報を「CrystalDiskInfo」でチェックした。インタフェースが「SATA」となっているが、これは内部的にAHCIでつながっているだけで、物理的にはPCI-Express x4だ

データドライブとして2TBのHDDも標準搭載。RAW画像や映像素材の置き場所として使うといいだろう。ちゃんとHDDの前面には吸気ファンを配置しているため過熱の心配はゼロ。フロントパネルの側面に吸気用のメッシュがある点にも注目だ