年末年始のお楽しみといえば、寒さが堪える街中に外出せずとも堪能することができるゲーム。注目作品も多数発売されたいまこそ、まとめてプレイするのに絶好のタイミングだ。ゲーミングPCといえば、一昔前は高いCPU/GPU性能による発熱や、サウンドカードやLANカードなど多数のデバイスを必要とする点から、ATXサイズのマザーボードとミドルタワー以上のケースが必須だった。しかしCPUやGPUの省電力機構の進化や各種機能のオンボード化の進行により、現在はグラフィックスカードさえ搭載できればゲーミングPCとして十分成り立つようになっている。そこで今回は、Micro-ATX以下のサイズで組み上げるゲーミングPCについて考えてみたいと思う。

ケース1:Micro-ATXのすべてを利用する最強のゲーミングPC

Micro-ATXサイズのケースに最強の環境を詰め込みたいなら、GIGABYTEの「GA-X99M-Gaming 5」は間違いなく選択肢となるモデルだろう。Intel X99 Expressチップセットを搭載し、Core i7-5820KやCorei7-5930K、そしてCore i7-5960Xといった6コア/8コアを搭載したCPUが利用できる。

またNVIDIA SLIやAMD CrossFireXといったマルチグラフィックスにも対応しており、高い3Dグラフィックス処理能力を持たせることも可能だ。問題は当然それらのパーツの冷却となるが、この分野には面白い製品が登場している。Corsairの「Carbide Air 240」はCPU/GPU、マザーボードと電源ストレージエリアを完全に区分けし、デュアルチャンバー仕様としたケース。高さは低いが横幅はそこそこあるという面白いケースだが、このようなケースを利用すれば液冷パーツも簡単に搭載できるため、一風変わった小型ハイエンドゲーミングPCを組み上げることが可能だ。

Haswell-Eを搭載できるMicro-ATXサイズのゲーミングマザーボード「GA-X99M-Gaming 5」

ケース2:国産MMOのプレイに便利な超小型ゲームコンソール

今年の冬は地域によっては大雪が続いており、非常に冷える。そんな寒い日に欠かせないのがコタツ、そしてコタツトップPCだ。ディスプレイはテレビで代用してもいいし、それほど大きくないディスプレイを持ってきてもいいだろう。ゆくぬくとコタツで暖まりながらダラダラと遊ぶMMOはお正月の無為な時間にピッタリだ。そんなコタツトップPCに欠かせないのは、小型のゲーミングPC。

それほど3D処理能力を必要としない国産MMOのプレイが前提ならば、AMDのAPU環境でグラフィックスカードを追加せずに組んでしまえば、大きさも抑えられるだろう。AMD A88Xチップセットを搭載した「GA-F2A88XN-WIFI」ならば、AMD A10-7850KのようなAPUを詰むことで、省スペースかつコストパフォーマンスに優れた小型ゲームコンソールを簡単に構築できる。

ソケットFM2+に対応したAPUを利用し、コンパクトなゲームコンソールを組める「GA-F2A88XN-WIFI」

ケース3:AVラックに収められるリビングゲーミングPC

いっそのことリビングにゲーミングPCを常設してしまうのもひとつの手だ。常設する場合は、生活空間を圧迫しないデザインが最優先事項となるだろう。大型テレビを利用しているなら、リビングにはある程度のAV機器が収まるようなAVラックが存在しているはず。HTPC向けケースを利用して、スタイリッシュなPCを組んでみよう。

PCゲームの定番プラットフォームであるSteamでは、大型テレビに接続してプレイすることも踏まえ、ゲームコントローラでメニューなどが操作できる「Big Picture」というモードを搭載しているため、リビングでも快適にゲームがプレイできる。HTPCのサイズはさまざまだが、ATXサイズの場合はAVアンプ並みかそれ以上になる場合が多く、逆に薄型の場合は搭載できるグラフィックスボードの幅が狭くなってしまう。今回は中間となるMicor-ATXで、実際にリビングゲーミングPCを組んでみよう。

SteamのBig Pictureモードを利用すれば、PCの起動からゲームプレイ、終了までゲームコントローラだけで操作できる