iPadを日常的に持ち歩くようになったビジネスユーザーにとって、「自分の仕事に役立つiPad用ツールがあれば……」と感じるシーンは少なくないはずだ。ただ、そのアイデアを具現化する「アプリを開発する」となると、開発者でなければ相当敷居の高いものとなる。そんなユーザーにおすすめなのが、WindowsやMacはもちろん、最新のiOSデバイスを簡単にビジネスに活用できる総合アプリケーションプラットフォーム「FileMaker」だ。FileMakerには無料で入手できる「FileMaker Go」に加え、評価版を試用できる「FileMaker Pro」、初心者向けチュートリアル「FileMaker Traning Series: 基礎編」が用意されている。「アイデアを形にしたい!」と思ったら、ぜひ試してみてほしい。

FileMakerプラットフォームで何ができる?

FileMakerとは、WindowsとMac OS X、iPhone/iPad、Web上で動作する、データベースマネジメントとユーザインタフェースを統合した開発ツール。プログラミング言語やデータベース問い合わせ言語の技術の習得が必要なく、簡単な操作で手軽にビジネスソリューションを開発できる。

FileMakerでは、グラフィカルユーザインターフェイス(GUI)でアプリケーションの開発が完結する。データを入力するための画面作りや、データを入力するための器、処理の自動化を行うスクリプトの作成に特別なプログラミング知識は必要ない。

Starter Solutionと呼ばれるテンプレートも、多数用意されている。「見積書の管理」や「会議の議事録」といった用途や場面に応じて、PCはもちろん、iOSデバイスをビジネスに活用できる。必要に応じて、自社や部門の業務に沿った形にカスタマイズすることも可能だ。

FileMaker Goでは何ができる?

iPhone/iPad上のFileMaker Go(無償)をダウンロードすることで、FileMaker Proで作成したビジネスソリューションをそのままiOSデバイス上で展開できる。具体的にどのようなことが実現できるのかを紹介しよう。

FileMakerで作成したビジネスソリューションをiPhone/iPad上で使えるようにする

これまでPC上でしかできなかった業務を、iPhone/iPadでどこからでも必要な情報にアクセス。iOS向けに画面・業務を最適化し、iOSのジェスチャやソフトウェアキーボードを用いて、各項目に特化した入力/表示UIを実現できる。

外出先でビジネスに必要な情報をやり取り・即時共有できるようにする

テキストデータはもちろん、iPhone/iPadのカメラやマイク、GPSを活用して、ビジネスに必要な情報を即時共有することが可能だ。

サードパーティとの連携、有効活用する

サードパーティのカードリーダーを使用した情報連携が行える。Office形式やPDFなど、業務で頻繁に使用されるファイルをPCとiPhone/iPad上でリアルタイムに共有することや、FileMakerビジネスソリューション内にWebブラウザを組み込み、サードパーティのWebアプリケーションやAPIとも連携できる。

FileMaker Goを使って、iOSデバイスの機動力をビジネスで活用

iOS向けのアプリケーションを独自に一から開発する場合、乗り越えなければならない障壁がいくつもある。Objective-Cの習得、データベースの習得、UIデザイン、アプリ間通信の知識等……さまざまな知識を習得した上で、十分な開発期間を確保しなければならないのだ。

FileMaker ProとFileMaker Goを使えば、何も知らない状態からでもすぐに業務で活用できるビジネスソリューションの開発・運用が可能になる。公開されているドキュメントやビデオチュートリアル、先述のStarter Solutionと組み合わせて活用することで、わずかな期間内でPCとiOSデバイスをフル活用した業務改善・省力化のための仕組みを導入できる。

FileMakerの使い方については、公式ドキュメントをはじめとして書籍等数多く公開・販売されている。この中でもFileMakerの体系的な知識を自分のペースで学びたい方は、FileMaker Training Series: 基礎編をチェックされたい。

初心者向けチュートリアル - FileMaker Training Series: 基礎編

FileMaker Training Series: 基礎編(以降「FTS: 基礎編」)は、ファイルメーカー社が提供するFileMakerの公式トレーニングカリキュラム。FileMakerの概念から基礎的な知識、操作方法、開発テクニック、画面作りのポイントが段階を追って解説されている学習用教材だ。『FTS: 基礎編』は無償にて公開されており、すぐにダウンロードして学習を開始できる。iBooks StoreからダウンロードできるePub版と、ファイルメーカー社のWebサイトからダウンロードできるPDF版がある。

無料ダウンロード

FileMaker Training Series: 基礎編(iBooks Store)

ePub版FileMaker Trainging Series。順番通りにレッスンを読み進められるほか、必要な情報にすぐにジャンプできるようになっている

FileMakerはデータベースマネジメントだけではなく、処理の自動化を行うスクリプトや集計を簡単に行うための仕組み、グラフ描画など多くの機能が用意されている。自由度が高く、作り手の思想を形にしやすい反面、最初に「何から着手していいかがわからない」といった現象に陥りやすい面もある。

FTS: 基礎編は公式に提供されているカリキュラムなだけあり、体系的な知識をステップごとに習得できるようになっている。図版も多く用いられており、初心者でも迷わずFileMakerの学習を読み進められるように工夫がされている。

抽象的な概念や操作に迷いやすい箇所の解説には図版が用いられており、初心者でも難なく読み進められる

FileMakerの使い方のみならず、ビジネスソリューションの開発にあたり重要なフェーズである設計についても触れられている。FTS: 基礎編の「レッスン5 ユーザ中心設計」では、新たに作成するビジネスソリューションについて、機能を中心に考えるのではなく、利用者の目的に焦点をあてた設計プロセスを中心に解説が進んでいく。

ユーザ中心設計の「3つの原則」を筆頭に、架空の例題とともに1ステップずつ学習できるようになっている。架空の例題を読み進めながら、実際に手を動かしてソリューションを作ってみることでより深い理解を得られるようになる。

FileMakerの利用方法とビジネスソリューションの開発方法について自分のペースで同時に学習したい場合、FTS: 基礎編は手軽に始められる最適な学習教材と言えるだろう。

iBooksの標準機能でしおりやメモを追加でき、効果的に学習できる

初めてFileMakerを使う方は、FileMaker Pro無料評価版(無償)と一緒にFTS: 基礎編をダウンロードすることをおすすめする。

『FTS: 基礎編』でFileMakerの概念や初歩的な操作、基礎知識を習得したら、次は中級者~上級者向けの開発テクニックが網羅された『FTS: 応用編』に挑戦してみよう。FileMaker開発を習得するために必須の要素である9つのモジュールから構成されており、56のレッスンが含まれているので実際に練習しながら学習を進められる。冊子版が4,000円、ダウンロード版が2,000円で販売中だ。(価格はいずれも税別希望小売価格)

FTS: 応用編

FileMaker iOSサンプルソリューションを見てみよう

iOSデバイスをビジネスに活用するには、どのようなアプローチの仕方があるだろうか。iOSデバイスでFileMakerを使ったサンプルソリューションは、fmgo.jpでチェックできる。

fmgo.jpでは、さまざまなFileMaker開発者や企業が業務にマッチしたiOSビジネスソリューションを公開しているWebサイトだ。顧客管理やGPS利用、店舗レジシステム、医療など業務に応じてサンプルソリューションを絞り込み、試すことができる。

FileMaker GoをインストールしたiPhone/iPadであれば、サンプルソリューションをダウンロード後そのまま利用開始できる。fmgo.jpの利用や提供されているサンプルソリューションは無料だ。iOSデバイスのビジネス活用法をイメージするにあたり、ぜひチェックしておきたいところだ。

困ったときはプロフェッショナルに!

FileMakerのビジネスソリューション開発や、運用において困った場合は、FileMaker Business Allianceに相談できる。FileMaker Business Allianceとは、日本全国のFileMakerエキスパートが参加するコミュニティだ。

FileMaker Business Alianceには、FileMakerのPC/iPhone/iPad向け業務ソリューションの開発や提案、導入、運用保守など、さまざまな分野における専門家が在籍している企業が参加している。FileMakerを使ってビジネスの拡大を目指す場合や、困ったときにはプロフェッショナルにぜひ相談してみてほしい。

FileMakerをより深く活用するために

FileMakerをより深く理解してビジネスに活用する方法として、ドキュメントやチュートリアルのほかにも、さまざまな手段がある。

「始めましょう」ツアー

製品に同梱されている解説用サンプル。基礎的な使い方を紹介

「始めましょう」ツアー。カスタムビジネスソリューションを作成するための機能について、実際に操作をしながら使い方を学習できる

Webセミナー

無料で視聴できるオンラインセミナー。録画ビデオもあり。セミナーのテーマに沿って、動画と音声で効果的に学習できる

ワークショップ

スキルアップ・ワークショップは、FileMaker Business Allianceが主催する無料で参加できるセミナー。随時日本各地で開催されている。このほか、FileMaker Business Allianceトレーナーが独自に開催する講習もある

コミュニティ

ユーザや開発者が集うFileMakerフォーラム。議論やQ&Aとして活用できる。このほかにも専門的な技術情報を共有・交換できるコミュニティとしてFileMaker TechNetが公開されている。どちらも無料

市販の書籍など

Made for FileMaker - 書籍&ビデオAmazon - FileMakerカテゴリで検索など

FileMaker ProとFileMaker Go、FileMaker Training Seriesをはじめとした各種チュートリアル・ドキュメントは、iOSデバイスを活用したビジネスをスピーディに展開し、なおかつ業務変革のスピードに耐えるシステムを長期間運用するための近道だ。FileMakerを触ったことがない方や、独学でFileMakerの使い方を学んできた方、これからFileMakerを使って業務システムを構築しようと考えている方は一度FileMaker Training Seriesを目に通しておきたい。

[PR]提供:ファイルメーカー