TSUKUMO(ツクモ)のBTOパソコン「eX.computer」には、性能とコストパフォーマンスに優れるノートPCもあるが、ゲーマー向けのハイスペックモデルとして設計された「G-GEAR note」ブランドの各製品も用意されている。

今回、その最上位機種として新たに登場した15.6型ノートPC「G-GEAR note N1581J」シリーズは、従来モデルからさらなるパワーアップを図っただけでなく、市場から寄せられた要望を反映させ、デザイン・使い勝手ともに、ユーザー本位のさまざまな改良が加えられた意欲的な新製品となっている。今回、発売されたばかりの同機を試用する機会を得たので、どのような進化を遂げることができたのか、詳しくチェックしてみよう。

新しいGPUとデザインで登場したTSUKUMOの最上位ノート「G-GEAR note N1581J」

高性能ノートを求める全ユーザーにオススメできる最上位機

これまでTSUKUMOのゲーマー向けノートPCで最上位に位置づけられていたのが、昨年8月に発売された「G-GEAR note N1580J」シリーズだったが、今回の新製品はこれを置き換える新シリーズとなっており、グラフィックスチップが従来のGeForce GTX 770Mから最新のGeForce GTX 870Mへと進化したことがスペック面での最大の特徴となっている。

もちろん新製品の性能は大いに気になるところで、本稿でものちほどベンチマークテストの結果を紹介するが、それに加えて注目したいのが本体内外のさまざまな部分に加えられた改良だ。まず、一目でわかるのが外観で、従来のアグレッシブなデザインから落ち着いた風合いのものに変更されている。

つや消しブラックのシンプルなデザインとなった天板

従来機(左)と比較すると、側面のメタリックなパーツも省かれ落ち着いた印象

前モデルの迫力あふれるデザインは、一見して高性能を感じさせるもので製品コンセプトをよく表現していたが、個性的な分、ユーザーによっては好みの分かれる要素ともなっていた。新製品では、よりシンプルなデザインの天板を採用するとともに、内側のスピーカー部分の色もレッドからシルバーへと変更することで、落ち着いた印象を演出。ゲーマーのみならず、一般のハイエンドノートを求めるユーザーも受け入れやすい外観に、生まれ変わったと見ることができるだろう。

常時視界に入るスピーカーホールのフレームが、レッドからシルバーに変更

新製品(右)では無彩色のみとなり、画面により集中しやすくなった

また、液晶ディスプレイは15.6型のフルHD(1920×1080ドット)で、従来機からサイズ・解像度に変更はないが、従来よりも広視野角のパネルを採用し、幅広くどの角度から見ても正確な色表現が可能となっている。実際に新旧の両モデルを並べて同じ内容を表示してみたところ、従来やや紫色寄りに見えていた部分もより自然な色彩になっていたほか、中間色の表現が改善されたのだろうか、細部のシャープネスも高まっているように感じられた。また、斜めから見たときの明るさやコントラストでもはっきりした違いが確認できた。

ディスプレイの液晶パネルも、より広視野角・高精度のものに変更された(右が新機種)

カメラの露出とホワイトバランスを固定して、従来機(左)と新製品の画面を撮影してみた。より自然な色彩になり、この画像ではわかりにくいかもしれないが細部の表現力も上がったように感じられた

斜めから見たときの明るさとコントラストの違いは明らか(右が新機種)

さらにTSUKUMOによると、グラフィックス機能と液晶パネルの内部接続インタフェースとして、embedded DisplayPort(eDP)を採用したことで、応答速度の向上も果たしているという。多くのユーザーにとってはわずかな違いかもしれいないが、コンマ何秒の操作の反映にもこだわりたいゲーマーには、うれしいポイントといえるだろう。ディスプレイ表面の仕上げは従来通りノングレアタイプの仕上げとなっており、表面での光の反射が小さいため、長時間のプレイでも目が疲れにくいのが特徴だ。

ゲーマー向け周辺機器ブランド・SteelSeriesデザインのキーボードは今回も引き続き採用

最下段の配列に注目。プレイ中に誤って触れやすいWindowsキーを右側に移しているのが特徴

CPUはCore i7-4700MQ(4コア、2.4GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.4GHz)、メモリは8GB(4GB×2、最大増設時は8GB×4の32GB)、SSD搭載モデルはSSD 128GB+HDD 500GBと、グラフィックスチップ以外のスペックは前モデルを継承しているように見えるが、このうちSSDは従来mSATA接続のモジュールを採用していたのに対し、新製品では2.5インチドライブに変更。パフォーマンスが向上しているほか、あくまでメーカーサポート外にはなるが、知識のあるユーザーにとっては将来的なドライブ交換がよりしやすくなるというメリットもある。

従来機(右)はmSATAモジュールだったSSDが、より汎用的な2.5インチ型に変更された

周辺機器との接続環境にも若干の変更があり、アナログRGB出力が削除された分、Mini DisplayPortが追加され、外部ディスプレイ端子はMini DisplayPort×2+HDMI×1の3系統となっている。DisplayPort→アナログRGBは市販のアダプタで変換できるので、ハイエンドユーザーにとってはデジタル出力が可能なポートが増えるという点でむしろメリットになる。また、無線LANモジュールはIEEE802.11 a/b/g/n/ac対応のインテル製「Dual Band Wireless-AC 7260」に変更されている。

背面のディスプレイ出力。アナログRGBが削減され、代わりにMini DisplayPortが追加された

左側面のUSBは3ポートすべてUSB 3.0対応。SDカードスロットも搭載

右側面にはヘッドフォン、マイク、ライン入力、ライン出力の各端子を独立して搭載。こちらのUSBポートはUSB 2.0

有線LANにはQualcommのゲーマー向けLANコントローラーチップ「Killer E2200」を採用。アプリケーション毎の帯域を制御できるユーティリティソフト「Killer Network Manager」も付属

標準で十分強力だが、BTOでの構成変更も可能

G-GEAR note N1581Jシリーズには2つのモデルが用意され、HDDモデルには「N1581J-700/E」、SSD+HDDモデルには「N1581J-710/E」の型番が付与されている。違いはストレージのみで、HDDモデルは500GBのHDDのみ、SSD+HDDモデルはこれに128GBのSSDが追加され、OSはSSD側へプリインストールされる。

グラフィックスチップには前述の通りGeForce GTX 870Mを採用。従来のGTX 770Mと同じ"Kepler"アーキテクチャのモバイルGPUだが、グラフィックス処理を行うCUDA Coreの数が960基から1344基へと4割増しになっており、コアクロックも若干の引き上げが行われている。ゲームをプレイするにあたってこれがどの程度の性能アップにつながるか楽しみなところだが、いずれにしてもゲーマー向けノートPCとしてはハイエンドクラスのスペックであることに間違いない。

標準構成で十分な性能を有しているが、動画エンコードの時間を少しでも短縮したい、予算を度外視してでも最上のスペックを求めたいといったユーザーは、BTOオプションでCPUをCore i7-4900MQ(4コア、2.8GHz、ターボ・ブースト機能利用時最大3.8GHz)に変更可能。なお、2コアCPUのCore i5-4200Mも選択肢には用意されているが、標準構成との価格差はマイナス5,000円程度となっているので、G-GEAR noteのような高性能機を求めるユーザーで、Core i5を選択するケースはあまりないと考えられる。そのほか、より大容量のメモリおよびストレージ、そしてブルーレイディスクドライブがオプションに用意されている。

また、従来機のプリインストールOSはWindows 7 Home Premium/Professionalのみだったが、Windows 8.1/Proが選択肢に加えられた。Windows 7から8では主にスタートメニューを中心としたUIが大きく変更されたが、OSの起動など動作そのものはWindows 8のほうが高速になっていることから、ゲーマーでもWindows 8.1/Proという選択は十分考えられるだろう(なお、Windows 8.1/Proモデルが先行発売され、Windows 7 Home Premium/Professionalモデルは4月以降に追加される予定)。

Webカメラの左側に搭載されているマイクが、ステレオになっているのも細かいこだわりだ

これだけのハイスペック機なのでACアダプタはさすがに大型。出力は19.5V/最大9.2Aで容量約180W