最新のノートPCやUltrabookと称される薄型・軽量のPCでのメインストレージとして活用が進むSSD(ソリッド ステート ドライブ)。筆者のPC環境は、2008年に登場したMacBook Pro(Late 2008)でその歩みが止まってしまっており、毎年ニューマシンが登場したニュースを見ては「いいなぁ~」と指を咥えて眺めていた。

正直なトコロ、私自身現状のPC環境に不満はない。メモリを8GBに換装してからはカーソルが虹色になる頻度も減ったし、原稿の執筆や取材で撮影してきた写真の整理・加工、Webサイトの閲覧等がメインの使用用途なので然したる不満を抱くことがなかった。編集者からの「SSDのスピードの速さを一度味わうと、もうHDDの速度には戻れませんよ。圧倒的ですもん」という言葉がきっかけで、SSDに興味を持ち始め、今回Plextorの最新SSD「M5 Pro XTREME」を試す機会を得た。

編集者もその実力に舌を巻くPlextorの最新SSD「M5 Pro XTREME」を試す

現状のマシンスペックをチェックしてみて愕然!こんなにも遅いのか……。

さて、最新鋭のSSDへと筆者のMacBook Pro(Late 2008)のHDDを換装する前に、現状のパフォーマンスをチェックしてみた。まず、起動スピードについてだが、電源ボタンを押してから起動するまでに平均で約2分……。普段、PCを使用しない時にはノートPCを閉じてスリープするだけだったので、まさかここまで時間が掛かるのかとちょっとビックリしながらも、比較対象がなかったので「まあ、こんなものだろう」というのが正直なトコロ。

次に、筆者の日常的な仕事でもとりわけマシンパワーを要する写真整理でのパフォーマンスをチェックしてみた。Nikon D600で撮影した写真(3008×2008、jpgフォーマット)を30枚、Photoshop CS6で開くまでに何秒掛かるかを数値化してみた。結果は平均で約20秒という結果。個人的には起動時間同様「まあ、こんなもんだろう」という印象。

Photoshop CS6で3008×2008ピクセルのjpg画像を30枚開く時に要する時間は約20秒

最後に、Mac用ベンチマークソフト「Blackmagic Disk Speed Test」で書き込み・読み込みの速度を計測してみたのだが、あまりの数値の低さに愕然とした。今回使用したベンチマークソフトの「Blackmagic Disk Speed Test」は、計測結果をスピードメーターライクに表示するのだが、書き込み・読み込み共に"ローギアで走ってるの!?"と思わず口に出してしまう程の数値。平均で書き込みが約48MB/s、読み込みが約60MB/sという結果には、昨今のPCのベンチマーク比較記事を見てしまうと、さすがに5年以上昔のマシンなのだなと痛感させられる。

実際にテストして数値化されると、そのスピードの遅さにビックリ

最新のMac OS X Mavericksにメモリを8GBに増強した筆者のMacBook Pro(Late 2008)の現状でのパフォーマンスを把握し終えたところで、いよいよPlextorの最新SSD「M5 Pro XTREME」へと換装してその実力を体感してみたいと思う。

HDDからSSDへの換装はとてもカンタン。必要なのはT6のトルクスドライバーと精密ドライバー(+、#00)と、HDDケースのみ

今回、SSD換装のために用意したアイテムは、精密ドライバーやトルクスドライバーがセットになったサンワサプライの携帯ドライバーとGroovyの2.5インチHDDケース(SATA専用)

筆者の頼れるメインマシンとして現役稼働中のMacBook Pro(Late 2008)は、実は、HDDの換装が非常に行い易いマシン。背面のラッチを引き上げ、バッテリーを覆うカバーを外せばすぐにHDDへとアクセスできるのだ。そこで、まずバッテリーを外し、HDDを本体に固定している黒のプラスティックパーツをプラスドライバーでネジを緩めて外そう。

HDDを外したら、HDD本体に4カ所ある固定用ネジをトルクスドライバーで外し、換装するSSDに付け替えよう。SATAコネクターにSSDを接続し、先ほどの手順とは逆に、本体固定用のプラスティックパーツを固定し直し、バッテリー装着後カバーを閉じれば換装は終了。

次に、SSDへ今までHDDで使用していた環境を移行する。HDDケースに今までPCに納められていたHDDを格納し、USBにて本体と接続したら、optionキーを押したまま電源ボタンを押して起動しよう。「復旧-10.9」と書いてあるディスクを選択し、ディスクユーティリティにてSSDを初期化。終了後タイムマシンにてバックアップしていた環境をSSDへと移行した。

本体をひっくり返して左側にあるラッチを引き上げる

すると、右にバッテリー、左にHDDが格納されている。ここで、バッテリーを外しておこう

本体とHDDを固定する黒いプラスティックパーツを精密ドライバーで外す

HDDとPCを繋ぐSATAケーブルを外し、HDDに4カ所ある固定用ビスをトルクスドライバー(T6)で外し、SSDへと付け替えよう

ヘアラインの入った筐体がMacのアルミボディとマッチ。あとは手順を逆戻りし、黒のプラスティックパーツを固定しバッテリーを装着、カバーを閉じれば換装作業は終了

optionキー+電源ボタンで起動させ、ディスクユーティリティでSSDを初期化。写真はタイムマシンにバックアップしていた環境を復元しているところ。スタート直後は約2時間と表示されたが、正味1時間半ほどで復元は終了した

明らかに速度が向上!確かにHDDの環境には戻りたくないかも

慣れない換装作業に手間取りながらすべて含めると約2時間でSSDへの換装が終了。何しろ高速である、とよく耳にする"SSD"。期待に胸を躍らせながら、シャットダウン後、起動速度を……おお!パスワード入力画面が表示されるまでの時間も短縮している気がする。実際に計測した平均は約1分と、従来の環境と比較して約半分へと短縮。確かに、体感的にも「モッサリせず、早く起動してるじゃん!」という印象を受ける。

この測定時には、ラップ1までの約38秒でパスワードの入力が行え、ラップ2でデスクトップ画面が表示、最終的に1分1秒65にはログイン項目でチェックした起動時に立ち上がるアプリケーションがすべて起動し終えた

換装後にシステムレポートをチェックしてみると、「リンク速度」「実際のリンク速度」ともに3ギガビットとなっている。一部のSSDでは「実際のリンク速度」が1.5ギガビットとなってしまうものもあるようだが、PlextorのSSDは問題なし

また、Photoshop CS6での写真整理パフォーマンスチェックでは、平均で約15秒という結果に。僅か数秒の違いでしかないが、一分一秒を争う発表会のレポート作成時などでは、この"僅か数秒"であったり"開くまでのもどかしさ"が非常に大きなストレスになる。数値では些細なものだが、実用シーンでは非常に役立つのだろうな、という印象を受けた。また、今回は30枚という数だが、数が多くなればより大きく差が出るだろう。

最後に、「Blackmagic Disk Speed Test」のテスト結果だが、書き込みが約200MB/s、読み込みが約256MB/sとグンと数値が跳ね上がった。レッドゾーンまでフル回転!……とまではいかないものの、換装前の書き込み約48MB/s、読み込み約60MB/sと比較すると約4倍という結果には驚かされた。

「M5 Pro XTREME」環境下で「Blackmagic Disk Speed Test」を行うと、書き込み、読み込みともにグンと速度が向上しているのがわかる

さらにPCを使用していて感じたのが、ソフトウェアの起動速度が向上していること。SSDのメリットが存分に発揮され、快適な速さを実現してくれている。特に強くそれを感じさせてくれたのが、PhotoshopやInDesign、Microsoft Wordを使用した時。実作業で使用するソフトでの違いは、やはり普段から使い込んでいるだけあってすぐに実感できたが、この圧倒的な読み書きスピードであれば、例えば動画の編集やエンコードといった作業においても、その性能を実感できるだろう。

既に数世代古いMacBook Proでも、今回のSSDへの換装のように手を掛けてやることでより快適な作業環境を構築できることに今回のテストで気が付かされた。筆者と同じMacBook Pro(Late 2008)を所有しており、未だ現役で使用しているユーザーであれば、動作がウルトラスムースになるPlextorのSSD「M5 Pro XTREME」への換装を試してみることをオススメしたい。体感的には、メモリ増設以上のパフォーマンス向上が感じられるのではないだろうか。

(マイナビニュース広告企画)

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