キヤノンの「imageFORMULA DR-C125」(以下、DR-C125)は、A4サイズ対応のドキュメントスキャナ。毎分25枚(両面で50面)の読み取りが可能な「1パス両面スキャン」、読み取り時の紙送りエラーを抑える「ダブらんスキャン」など、高い性能と使い勝手で人気のモデルだ。取り込んだ文書や名刺の管理ソフトも付属し、ビジネスシーンはもちろんホームユースでも活用できる。そこで、DR-C125の性能や機能を簡単に整理しつつ、普段から愛用しているユーザーの使いこなし術を紹介しよう。

キヤノンのドキュメントスキャナ「imageFORMULA DR-C125」

■主な仕様 [イメージセンサー] CIS [光学解像度] 600dpi [ADF容量] 約30枚(80g/m2紙) [原稿サイズ] W50.8~216mm、D70~356mm(ラウンド排紙)、D53.9~356mm(ストレート排紙) [読み取り面] 片面/両面 [読み取りスピード] 25枚/分(A4カラー片面、200dpi) [本体サイズ] 未使用時(用紙トレイ収納) W300×D156×H220mm、使用時(用紙トレイ全開) W300×D235×H336mm [重量] 約2.6kg

打ち合わせの資料やFAX、取引相手の名刺など、仕事をしていると紙の資料が大量にたまりがちだ。専用の文具を使ってファイリングしても、文具自体が場所を取ってしまうことも多い。そこでおすすめなのが、紙の資料をデジタル化できるドキュメントスキャナだ。読み取った"紙"をPDF形式やJPEG形式で保存することで、現物の保管スペースが不要になる。デジタルデータなので検索性も高く、目的の資料を素早く見つけ出すことも可能だ。ビジネスシーンだけでなく、家庭にあるさまざまな"紙"のデジタル化にも大いに役立つ。

そこでDR-C125だが、発売が2011年7月とやや時間が経過しているものの、性能や機能は申し分なく、実売価格が手ごろになったこともあって、人気を保ち続けている。対応原稿サイズはA4からカードサイズまでが基本で、長尺用紙なら最大3mまで読み取れる。一度にセットできる原稿の枚数はA4用紙で最大30枚。毎分25枚、表裏合わせて50面の高速スキャンが可能だ。

収納時のDR-C125本体前面。右側に電源ボタン(上)とスキャンを開始するスタートボタン(下)が配置されている

本体右側面には電源コネクタとUSB2.0端子。さらに原稿の給紙方法を切り替える「給紙切り替えレバー」(上)と、用紙の搬送方法を変更する「排紙切り替えレバー」(下)

大きな特徴として挙げたいのは、使用時までを含めた省スペース性。同種のドキュメントスキャナは、本体後方のADFに原稿をセットして、前方へ紙送りしながらスキャンするタイプが多いが、これだと本体の後方/前方にそれなりのスペースが必要だ。

ところがDR-C125の場合、本体の上方から原稿をセットし、原稿が「U字」を描く紙送り経路でスキャンする「ラウンド・スキャン」方式によって、省スペース性を大幅に改善している。スキャン後の原稿は、本体前面の排紙トレイに縦の状態で排紙されるため、給排紙を含めた使用時の奥行きが短くて済むのだ。オフィスの個人デスクに置いても邪魔にならず、家庭でもちょっとした「すき間」的なスペースに置いて使える。

給紙トレイを開き、用紙ガイドを開いた運用時の状態

給紙方向からUターンするように排紙する「ラウンド・スキャン」により、給排紙スペースが少ない

使い方も簡単だ。PCとはUSB接続で、セットアップが完了したあとは、DR-C125の給紙トレイ(ADF)に原稿をセットして、DR-C125本体のスタートボタンを押すだけ。付属のスキャンソフト「CaptureOnTouch」が起動し、スキャン結果が画面に表示される。セットした原稿の向きがバラバラでも、自動的に正しい向きにそろえてくれるので便利だ。サイズの異なる原稿を同時にセットしても、最適なサイズで取り込まれるので面倒がない。

付属のスキャンソフト「CaptureOnTouch」(写真左)。画面左のジョブを使えば、本体のスタートボタンを押さずにソフトからスキャンを開始し、そのままファイルに保存することもできる(写真右)

付属のスキャンソフト「CaptureOnTouch」を使う場合、保存可能なファイル形式は、PDF、JPEG、TIFF、BMP、PPTX(PowerPoint)の4種類。PowerPoint形式で直接保存できるのも、ビジネスシーンで大いに役立つだろう。そのほか出力先として、プリンタ/複合機で印刷したり、クラウドサービスのEvernoteへアップロードすることもできる。

ファイル形式にはPDFのほか、JPEGやPowerPointの文書も選択できる(写真左)。ファイルの出力先にクラウドサービス「Evernote」を選択すれば、スマートフォンやタブレット、別PCとの共有も簡単だ(写真右)

PPTX(PowerPoint)形式で保存すると、スキャンした文面が画像オブジェクトスライドに埋め込まれると同時に、OCRで自動認識/変換されたテキストも追加される。紙の書類をPowerPoint文書に仕立て直すのも簡単だ(この写真はちょっと見にくいが、画像とテキストをあえて同時に表示しているため)

そのほかの付属ソフトとして、スキャンした名刺の管理ソフト「やさしく名刺ファイリングエントリー3」やPDF編集ソフト「eCopy PDF Pro Office」、スキャンした文書の管理や検索に便利な「ファイル管理革命Lite」が用意されている。

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