フリッカーフリーのディスプレイを使おう

前ページの問い(肩こり対策)に対して、それなりの人が推していた「輝度の調整」などは、環境によっては身体的な負担がかなり改善される。ただし、漫然と輝度を下げれば良いわけではない。室内の明るさや机上の明るさと、ディスプレイの明るさに大きな違いがあると逆効果(目の負担になる)になってしまうので、環境光に応じた調整が必要である。

また、ディスプレイのチルト角も重要だ。一般的にディスプレイを眺める角度は、やや見下ろすくらいがちょうど良いとされている。この格好であれば、自然とまぶたが下がるようになり、眼球の露出面積が少なくてすむためだ。逆に見上げる格好は極力避けるべきで、眼球の露出面積が増すだけでなく、首や肩への負担も大きくなる。

目の疲れ対策としては、最近はブルーライトを削減するメガネなどが注目されているが、フリッカーも目を疲れさせる一因として言われており、その対策も必要だ。ここでいうフリッカーとは画面のチラつきのことであり、やはり目への負担となる。ただ、これはユーザー側で対策できるわけではないため、フリッカーフリーのディスプレイを選別する必要があるのだ。ちなみにブルーライトとは、液晶ディスプレイの画面が発する主に「青成分」の光を指す。青成分の光はエネルギーが大きいため、目に浴び続けているとダメージを受けるとされている。

眼科医・佐藤医師のコメント

日常的にモニターに触れる機会の多い現代人は眼精疲労を感じている方が多く、画面の奥からのバックライトのちらつき(フリッカー)もその要因の一つと考えられる。

フリッカーが知覚できなくなる臨界融合周波数(Crritical Fusion Frequency:CFF)は40~50Hzと一般的に言われているが、そのCFF以上である60Hzの点滅光でも動物(サル)の脳が反応しているというデータもある。一方、脳で認識できない細かな光の点滅であったとしても、知覚疲労の発生要因となってている事を示唆する報告もある。

そもそもフリッカーはCRT(ブラウン管)ディスプレイに比較して、液晶ディスプレイでは以前は問題になることがなかった。理由は従来の液晶ディスプレイは冷陰極管を光源としていため、残光の時間が長いことから、視覚への刺激の変化が小さく、フリッカーを感じることがなかったからである。ところが現在汎用されているLEDはこれに対して残光時間が短く、視覚への刺激の変化が大きいため、フリッカーを感じやすい場合がある。

最近、バックライトを明滅させない方式の液晶ディスプレイが発売されているが、このタイプは原理上フリッカーを無くすことが可能である。眼精疲労に悩まれる方はこのようなフリッカーフリーの技術を搭載したモニターも選択肢の一つとなると考えられる。

医療法人社団 泰晴会 あおば眼科クリニック
理事長 佐藤泰広
医学博士(東京大学眼科学教室)
日本眼科学会眼科専門医
所属 :
日本眼科学会、アメリカ白内障屈折矯正手術学会、
日本白内障眼内レンズ学会、日本緑内障学会

液晶ディスプレイの調光システムとフリッカー、フリッカーフリー

液晶ディスプレイの多くはPWM調光と呼ばれる調光システムを採用している。この方式では、光源(バックライト)の点灯と消灯を短時間に繰り返すことで、明るさを調整している。明るくしたい場合には点灯の割合を増やし、暗くしたい場合には消灯の割合を増やすわけだ。

動作原理だけを見るといかにもフリッカーが生じそうだが、かつての液晶ディスプレイで主流の光源だった冷陰極管(CCFL)は、残光の時間が長い。回路の上では消灯となっていても、実際には光が感じられた。ところが、LEDバックライトは残光の時間が短いため、明と滅の切り替え(輝度変化)がはっきりしている。よって、LEDが点灯/消灯を繰り返すことによるチラツキ(フリッカー)を、ユーザーが気付きやすくなっているわけだ。

昨今、再びディスプレイのフリッカーが話題に上るようになったのは、上記の理由による。特に低輝度ではフリッカーの発生が顕著となるため、先に記した「ディスプレイの輝度を調整する(多くの場合は暗くする)ことで目への負担を軽減する」という手法が仇になる可能性も出てくる。

PWM調光の動作原理

このフリッカーを無くしたのが、フリッカーフリーディスプレイであり、後述するBenQの製品群はもれなく搭載している。BenQはどのようにして液晶ディスプレイのフリッカーを消したのか?

これはDC調光方式の採用が大きなポイント。光源の点灯と消灯をせずに明るさをコントロールする直流(DC)制御を実装したことで、原理上フリッカーフリーが存在しなくなり、光源に依存することなくフリッカーフリーの表示を行えることになる。

DC調光の動作原理

体感ながら、フリッカーフリー機と従来の非フリッカーフリー機を比較すると、やはりフリッカーフリーに対応したディスプレイの表示が安定している。もともと、筆者はフリッカーをさほど感じるタイプではないのだが、オフィス環境ではなく、もっと暗い家庭用照明下で試したので(輝度も照明に応じて調整した)、より顕著となったのかもしれない。

さて、このフリッカーフリー技術に対応したBenQディスプレイは、先月発売したばかりのBL2710PTとXL2420TEの2製品を含め、都合9モデルを用意している(2013年10月現在)。加えて、BenQのフリッカーフリーディスプレイは、ブルーライトを軽減するモードも備えているのだ。パネルサイズも17型から27型まで幅広くそろっているので、各環境に応じた最適解を得ることができるだろう。

BL702A
17型
1,280×1,024ドット(5:4)
250cd/平方メートル
1,000:1

BL912
19型
1,280×1,024ドット(5:4)
250cd/平方メートル
1,000:1

RL2455HM
24型
1,920×1,080ドット(16:9)
250cd/平方メートル
1,000:1
GTG 1ms
ゲーム向け高応答性

GL2460HM
24型
1,920×1,080ドット(16:9)
250cd/平方メートル
1,000:1
24型スタンダードモデル

GL2450HT
24型
1,920×1,080ドット(16:9)
250cd/平方メートル
1,000:1
24型スタンダードモデル
GL2460HMとほぼ同等性能ながら、昇降・ピボットスタンドを採用

BL2411PT
24型IPSパネル
1,920×1,080ドット(16:9)
300cd/平方メートル
1,000:1
オートアイプロテクトセンサー(環境光センサ)や人感センサーによる消費電力低減

XL2420TE
24型
1,920×1,080ドット(16:9)
350cd/平方メートル
1,000:1
144Hz駆動
GTG 1ms
高駆動、高応答性のコアゲーマー向けモデル

GW2760HS
27型
1,920×1,080ドット(16:9)
300cd/平方メートル
3,000:1
ドットピッチ0.311mmの高い視認性

BL2710PT
27型AHVAパネル
2,560×1,440ドット(16:9)
350cd/平方メートル
1,000:1
27型フリッカーフリー対応機のハイエンドモデル

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