数多くのPCケースが選べ、きめ細やかなカスタマイズメニューで好みの仕様に仕立てられるのが大きな魅力の「カスタムPCストーム」。高性能なフルタワーモデルから手のひらにのるような超小型PCまで、デスクトップPCのラインナップはかなり豊富だ。ここで紹介する「Storm Desk Mini」は、ほかのBTOメーカーではなかなかお目にかかれない個性的かつ実用的なモデルだ。

3基のケースファンで強力なエアフローを発生

Storm Desk Mini ST-CI3。直販価格は32,550円~となっている

まずはベースとなるPCケースをチェックしてみよう。採用されているのはIN WINの「WAVY Ⅱ」。W112×D230×H264mm(縦置き時)というコンパクトなサイズがポイントとなるPCケースだ。この製品に与えられたキャッチは「ミニITXにも無限の可能性を!」となっており、ミニITXフォームファクタでも強力なシステム、実用性の高いマシンに仕立てることがコンセプトになっているのがうかがえる。実際、試用したStorm Desk Mini ST-CI3は、動作クロック3.30GHz、2コア4スレッド処理に対応するCore i3-2120を採用している。コンパクトな筐体になるとモバイルアーキテクチャを採用するメーカーが多いが、カスタムPCストームではデスクトップアーキテクチャを組み込んだかたちだ。

比較的発熱の高いデスクトップアーキテクチャをコンパクトな筐体に搭載できる理由は、強力な冷却機構にある。ケース上部には80mmの排気ファン、左側面には92mmの吸気ファン、底部に40mmの吸気ファンと計3基のケースファンを備えているのだ。もっとも大口径な左側面の92mmファンは、発熱の高いCPU周辺部にフレッシュなエアを送り、底部の40mmファンはHDDに空気を当て熱を奪う。そして、ケース内で熱を帯びた空気は上昇し、上部の80mmファンで排気されるという仕組みだ。熱を帯びた空気が上昇することを利用したエアフローを生み出すのだ。


ケース前面には凹凸のストライプが施され、その凸部の一部が盛り上がり波打っているように見える。PCケース名のWAVEはこのデザインに由来し、電源ボタンは右上の“波”の部分にある。前面下部のパネルをオープンするとUSB2.0×2、オーディオ入出力にアクセスできる。背面にはUSB3.0×2、USB2.0×4、DVI、D-Sub15ピン、HDMI、eSATA、オーディオ入出力、PS/2が用意されている

左側面は広く開口したメッシュ仕様。その奥に92mmファンが確認できる。上部の80mmファンの周囲もメッシュとなっている。40mmファンは3.5インチ内蔵ベイに取り付けられ、HDDに直にエアを送る