内蔵HDDをSSDに換装、その準備とは
MacBookなどノート型機の内蔵HDDに対しどのようにメスを入れるかというと、結論は「SSD」となる。以前は導入コストがHDDに比べはるかに高く、万人にお勧めすることはできなかったが、現在ではだいぶこなれた価格にまで低下した。容量あたりの単価はいまなおHDDのほうが廉価だが、メインのストレージにSSDを使用するメリットは大きい。
まず、記憶媒体としてNAND型フラッシュメモリを使用するSSDは、データの読み書き速度に優れる。HDDの場合、データの読み書きを行う磁気ヘッドが目的位置まで移動する時間(シークタイム)が必ず発生するが、SSDにはそれがない。磁気ヘッドがひんぱんに移動するデータ読み書き(ランダムアクセス)の場合、その差は顕著に表れる。そのうえSSDの消費電力はHDDより少なく、HDDに比べて軽量で衝撃にも強いとくれば、まさにノート型機に適したストレージデバイスといえる。
前モデルのMacBook Proに限っていえば、内蔵HDDはとても簡単にSSDへ換装できる。今回の作業対象とするマシンは、筆者が2010年4月に購入したMacBook Pro 13インチモデル(Mid 2010)だが、同じユニボディ搭載のMacBook / MacBook Proであれば、ほぼ同じ方法で作業できるはずだ(2012年発売のRetinaモデルなど工場出荷時点からSSDを搭載しているモデルは除外)。
今回、換装するSSDとしてチョイスしたのは「Samsung SSD 830」の256GBモデル。256GBあれば、Mountain Lionにも対応できる容量だ |
利用した工具たち。00番のプラスドライバーと、6番のトルクスドライバー(T6)を忘れずに用意しておくこと |
換装用にチョイスしたSSDは、一部のMacBook Proにも採用されていると噂の「Samsung SSD 830」。256GBモデルのノートPC用キットを利用した。Samsung SSD 830シリーズには、容量によって64GB/128GB/256GB/512GBという4モデルがあり、さらに各モデルそれぞれに、ベーシックキット、ノートPC用キット、デスクトップPC用キットが用意されている(ノートPC用キットのみ、128GB/256GB/512GBの3種類)。ここで使ったノートPC用キットには「SATA-USB変換ケーブル」が付属するため、SATA SSDやSATA HDDのベアドライブをUSB接続の外付けドライブとして利用できる。また、換装前のHDDから換装後のSSDへとシステムやデータを移行できる、シマンテックのソフトウェア「Norton Ghost 15」のフルバージョンが付属するのもポイントだ(Norton Ghost 15はWindows専用となるため、今回は利用しない)。
さて、Samsung SSD 830のフォームファクタは2.5インチ、接続インタフェースはSATA 6.0Gbpsであり、MacBook Pro(Mid 2010)に装着すればそのまま内蔵HDDとして使用できる。しかもこのSSD、Samsung製トリプルコアコントローラを搭載し、転送速度がリードで520MB/秒、ライトで400MB/秒(いずれも最大値)、IOPS値(I/O Operations Per Second、1秒当たりの入出力回数)も最大80,000というパフォーマンスを持つ。これでシステム全体のリード/ライト性能が底上げされれば、Mountain Lionにアップデートしても快適に使える可能性は大だ。
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