ミドルからハイレンジまで新旧4製品をチョイス

用意した新旧グラフィックボードはNVIDIA「GeForce GTX570」「GeForce GTX670」、およびAMD「Radeon HD6870」「Radeon HD7850」の計4製品。2012年6月末現在、G-GEARのカスタマイズメニューから選べるグラフィックボードをチョイスした。ベンダー独自のGPUクーラーを搭載したモデルも多く、外見はバラバラで、6月末時点でのBTO価格の差はRadeon HD6870にプラス4,200円でRadeon HD7850。RADEON HD7850とGeForce GTX570はほぼ同価格で、GeForce GTX570にプラス16,800円でGeForce GTX670となる。金額差だけをみると、やはり旧世代製品は買い求めやすい。

G-GEARで選択できる新旧4製品のグラフィックスカード。左から「GTX570」「GTX670」「HD6870」「HD7850」だ

「GTX670」を実際に挿した様子。オリジナルミドルタワーケース「62R3」は、長いグラフィックスカードにも対応できる

ハイエンドに迫る性能を叩きだすGeForce GTX670/570

GeForce GTX670/570は、NVIDIAのシングルGPUのハイエンドであるGTX680/580に迫るパフォーマンスを実現しているハイレンジの製品だ。プレミアがつき高価になりがちなGTX680/580に比べ現実的な価格で提供されるので、最新の3Dゲームを高解像度、高画質設定で楽しみたいゲーマーに人気がある。ただし消費電力や発熱もハイエンドに準ずるため、電源や冷却には気を遣わなければいけない製品でもある。

旧世代となるGTX570は、科学演算などでも活用される処理能力の代償として、消費電力が大きくなりがちという特徴があった。しかし新世代のGTX670ではその点が見直され、ゲームを優先した設計に変更が行われた。その結果、大幅に処理能力が向上し消費電力が軽減したため、自作PC市場では2012年7月現在、高い人気を誇っている。

写真左上がGeForce GTX570、右下がGTX670。若干後者のほうが、ボード全長が長い

消費電力当たりの性能に優れたRadeon HD6870/7850

Radeon HD6870/7850は、AMDがHD6xxxシリーズより新しくラインナップした、価格対性能比を突き詰めたミドルレンジ製品だ。厳密にはHD6870の後継機種はHD7870になるのだが、BTOカスタマイズで選べる範囲で検証しているため、今回は新世代のボードにHD7850を使用している。

一定以上の電力を必要とするアッパーミドル以上のグラフィックボードではPCI-Express電源が2系統必要になることが多いのだが、HD7850は1系統のみで動作させることができ、消費電力は低めと予想できそうだ。また、VRAMもHD6870の1GBに比べ2GBと大容量になっている。一方旧世代のHD6870だが、上位クラスの製品を揃えたNVIDIA勢と比べてもGPUクーラーが大きいのが見て取れる。これは標準でオーバークロックが行われた製品「Hawk Twin Frozr III」が採用されているためだ。よって、通常のHD6870よりも高い性能を発揮することができる。旧世代の製品を選ぶ場合、こういった付加価値製品が搭載されている可能性もあるので、よくチェックしよう。

写真左上がRadeon HD6870 Hawk Twin Frozr III、右下がRadeon HD7850。両方ともツインのGPUクーラーを備えている

Windows エクスペリエンス インデックスの差は?

4製品を比べる前に、まずはそれぞれのWindows エクスペリエンス インデックススコアを確認してみよう。基本性能は、プロセッサ「7.7」、メモリ「7.8」、ハードディスク「7.9」と申し分ない。グラフィックス2項目に関しては、旧世代のミドルレンジとなるRadeon HD6870のみ「7.8」。ほかの3製品はいずれもWindows 7の最高スコアとなる「7.9」となっており、差が見出せない。Windowsの動作においての支障はまったくないといっていいだろう。

Windows エクスペリエンス インデックス スコア

グラフィックボード GTX570 GTX670 HD6870 HD7850
プロセッサ 7.7 7.7 7.7 7.7
メモリ(RAM) 7.8 7.8 7.8 7.8
グラフィックス 7.9 7.9 7.8 7.9
ゲーム用グラフィックス 7.9 7.9 7.8 7.9
プライマリ ハードディスク 7.9 7.9 7.9 7.9