Web閲覧中の音楽再生もOK。レスポンスもスムーズ
気になるIMMの使い勝手については、なかなかよく工夫されていると感じる。Androidはもともとタッチパネルのモバイル端末に最適化されたOSだが、IMMでは画面にマウスポインターが表示され、「ウルトラナビ」のポインティングデバイスでも直感的に操作できる。Windowsの右クリックメニューにあたるサブメニューは、「ウルトラナビ」の右クリックボタンでも呼び出せるようになっており、ThinkPadの画面上でAndroidが動いているというのは、なかなか不思議な光景だ。
IMMで利用できるアプリは「ブラウザ」「メール」のほか、写真や動画を再生するための「ギャラリー」、音楽プレイヤーの「音楽」などが主だったところ。欲をいえば「マップ」や「YouTube」あたりも搭載されていればなおよかった。右は設定画面だが、スマートフォンやタブレット端末で見慣れたものだ |
また、操作に対するレスポンスもよく、アプリの起動や切り替えは瞬時に行われる。「ブラウザ」でのWeb閲覧については、Flashコンテンツも問題なく利用できる。PC向けサイトの閲覧時には表示が若干もたつくこともあるが、1,366×768ドットの液晶とクアルコムのSoCという組み合わせにしてはわりあいスムーズに動作している。さらには、Androidスマートフォンやタブレットと同様に、「音楽」で音楽を再生しながら「ブラウザ」でWebを閲覧することも可能だ。予想以上にパワフルだったのが「ギャラリー」の動画再生で、720pはもとより1080pのMP4動画も問題なく再生できた。
バッテリ駆動時間が2倍に延伸するのがIMMのメリット!
では、IMMを使うことの一番のメリットは何かというと、消費電力の低さだ。先述の通り、IMMはクアルコムのSoC上で動作するが、これは最近のスマートフォンに搭載されているものと同等で、PC向けシステムと比べて消費電力がはるかに低い。加えて、IMMの使用中はCore i5をはじめとするWindows側のシステムがスリープ状態になるので、その分の消費電力も下がる。そのため、ブラウザでのWeb閲覧など、同じ作業でもIMM側で行ったほうがより少ない電力量で済む。レノボによれば、IMM使用時のバッテリ駆動時間は、Windows使用時の約2倍に延びて約10時間の駆動が可能になるという。試しに手持ちのワットチェッカーで消費電力を計測してみたところ、Windows使用時はアイドル状態でも15W前後だったが(これでも十分低い水準といえる)、それがIMMに切り替えると9Wに下がった。しかも、フルHD動画を再生しているときでも9Wのままだ。
「ThinkPad X1 Hybrid」にはIMMを実現するためのセカンダリーシステムが含まれるため、従来の「ThinkPad X1」よりも価格がやや高めになるの、IMMを使うことでバッテリ駆動時間が飛躍的に延ばせるというのはやはり魅力を覚える。作業内容によってはブラウザとメールだけで事足りる場面もあるだろうし、休憩時間に動画を楽しみたいこともあるが、そういったときこそIMMの出番となるだろう。(本文:星紀明)
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