ベンチマークで一目瞭然! 電源ユニットの品質がPCの安定度を左右する

さて、電源ユニットの違いを理解してもらうために、まずは下の2つのキャプチャをご覧いただきたい。こちらはベンチマークソフト「OCCT(Ver.4.1.1)」のテスト結果を並べたものになる。OCCTは電源ユニットのデータも採取できるソフトウェアで、PCに掛ける負荷も相当高いことで知られている。要するにCPUやGPUを極限まで動かし続けて、その結果をモニターできるのだ。

ベンチマークソフト「OCCT

一般的なバルク700W電源ユニットのベンチマーク結果(+12V)

マウスコンピューターでオプション選択できる80PLUS GOLD認証付き700W電源ユニットのベンチマーク結果(+12V)。比較用の電源ユニットデータと時間的にも倍だが、それでも安定しているところに注目してほしい

このベンチマーク結果は、一般的な700W電源ユニットと、マウスコンピューターで選択できる80PLUS(GOLD)認証付きの700W電源ユニットを比べたものになる。もちろん、動作させているパーツは同じもので、電源ユニットだけを取り替えてベンチマークを実行させた結果だ。電気にそれほど詳しくなくても一目で分かると思うが、CPU稼働率が落ち込んだ瞬間に電圧が大きく揺らいでいるのが一般的な電源ユニットで、同じ状況でも安定した電圧供給がおこなえるのが80PLUS認証付きの電源ユニットとなる。

80PLUS認証付きの電源ユニットは、回路に使われているコンデンサをはじめとした各パーツに高品質なものが使われると考えることができる

ただし、グラフが揺らいでいる電源ユニットの場合でもすぐに不具合があるかというと、そんなことはなく、実際に日常で使用しているときには正常に動作しているように感じるはずだ。しかし、こうした波形が出やすい電源ユニットは、PCパーツのどこかに負担を掛けているケースが多い。簡単にいえばパーツが壊れやすくなる確率が高く、それだけあらゆるトラブルが起こるというリスクも大きくなるというわけだ。

また、電源ユニットを選ぶ際には、トータルの消費電力を知っておくことも大切になる。PCを構成するパーツの消費電力の目安のひとつに「TDP(放熱量)」がある。例えばCPUのTDPが120Wで、グラフィックスカードが90Wだとすれば、それだけで210Wの電力が消費される可能性があるということになる。現実には放熱量=消費電力とはならなず、あくまでも目安として使えるという程度ではあるが、何も情報がないよりはずいぶんマシだ。ちなみに、実際の消費電力はTDPよりも少し高い数値になることが多いと覚えておこう。

「TDP」は各パーツメーカーの製品ページなどに記載されていることが多い

一般的にはその他のHDDや拡張カードなどが消費する電力をすべてプラスして、それに対して1.5~2倍の容量を持つ電源ユニットを選ぶとよいといわれている。これは、電源ユニットの「○○○W」という表記が、あくまでもピーク時に供給できる最大ワット数を表記することが多いことに起因している。さらにいうと、電源ユニットが供給する3.3V、5V、12Vなどの各アウトプットごとに出力できる電力の限界値があるため、それぞれを把握しておくことが必要になるが、ある程度余裕をみておけば安心できるという理由もある。いずれにしても、電源ユニットの容量は大きいに越したことはない。費用面で制約はあるだろうが、予算内でなるべく品質の高い大容量の電源ユニットを選ぶとよいだろう。なお、電源ユニットから出ているケーブルには色が付いているが、黄色が+12V、赤が+5V、オレンジが+3.3Vを表しているので、各コネクタなどを見てそれぞれのパーツにどのような電圧が必要か見てみると面白いはずだ。

4pin ATXコネクタ

24pin Motherboardコネクタ

SATAコネクタ

PCI Expressコネクタ

テストに用いたマウスコンピューターのPCの構成だが、CPUに「Intel Core i7-3930K」、グラフィックスカードに「NVIDIA GeForce GTX 580」という組み合わせになる。TDPでいうとCPUが130W、グラフィックスカードが244Wだ。つまり、最低でもピーク時に400W近くは消費することが予想できるので、500W電源ユニットでは少し厳しく、700W電源なら安心感はずいぶん増してくると理解すればいいだろう。しかし、PCは様々なパーツが組み合わされるので、計算上だけで実際の消費電力を計ることは難しい。実際に正しく計測するには、「ワットチェッカー」が必要になる。今は安く手に入るので気になる人はワット表示できるタイプを選べば使いやすいはずだ。

上記構成のPCをワットチェッカーでテストしてみると、アイドル時で80W前後、CPU、GPU共に100%近くで稼働させたピーク時では500Wを超える数値となった。もちろん、このケースでは80PLUS認証付きの700W電源を使用しているので何も問題は起こらなかったが、これが500W電源だとしたらすぐにPCはシャットダウンしてしまうのだ。消費電力が大きいパーツを組み合わせるときは、電源ユニットに気を使わないといけないことがよくお分かりいただけると思う。

アイドル時の消費電力

ピーク時の消費電力

ちなみに、CPUに「Intel Core i7-2600」、グラフィックスカードに「NVIDIA GeForce GTX 550 Ti」を搭載するPCのピーク時の消費電力は約293Wとなった。これなら品質のよい500W電源でも十分安定稼働する