老舗のモニタカンパニーとして国内のPCユーザから高い信頼を得ている「iiyama」から、アスペクト比16:9、1920×1080ドットのフルHD液晶ディスプレイ「ProLite E2209HDS」が発売された。本製品の魅力を、PC接続と動画再生両面から探っていこう。

1920×1080ドット・PC向けフルHD液晶ディスプレイの魅力

現在、PC周辺機器としてフルHD液晶ディスプレイが、大変な人気を集めている。これまではアスペクト比16:10のWUXGA(1920×1200ドット)対応の高解像度液晶ディスプレイが主流だったが、昨年末ごろから家庭向け薄型テレビ同様アスペクト比16:9のフルHDディスプレイが登場してきているためだ。

フルHDは解像度が1920×1080ドットなので、この点で比較すれば縦の解像度がWUXGAよりも一段低いことになる。しかし、地上デジタル放送やBlu-rayビデオ、PS3やXBOX 360といったゲーム機など、フルHD表示対応の映像ソースを上下の黒帯なしで鑑賞できる利点がある。このため、複数の映像ソースを一台のディスプレイに集約する際に非常に使い勝手がよい。

なにより、主流となっている21~24インチのディスプレイの価格が2~3万円台と、市販されているフルHD対応液晶テレビに比べ圧倒的に安価となっている点がある。ただし、視野角の広いVAパネルやIPSパネルを採用している液晶テレビに比べ、安価な液晶ディスプレイでは視野角の狭いTNパネルが主に使われているという弱点もある。しかし、液晶ディスプレイはPCに接続しての使用が前提になっていて、その場合ディスプレイの正面から表示映像を鑑賞するケースがほとんどだ。PCは個人で使うから、数人でディスプレイを見る状況はあまりない。つまりパーソナルユースで使う限り、視野角の狭さはほとんど気にならないのだ。このように、弱点もあるがそれを打ち消せる利用環境と使い勝手のよさ、コストパフォーマンスが市場から高く評価され、人気を集めている要因と推測できる。

国内モニタカンパニーの雄、iiyamaが放つ「ProLite E2209HDS」

昨年末に販売されたフルHD液晶ディスプレイの多くは、国外メーカー製だった。しかし2009年に入って、国内メーカーからも多数の製品が発表されてきている。老舗のモニタカンパニーとしてPCユーザから高い信頼を得ているiiyamaブランドから発売された「ProLite E2209HDS」もその一つだ。今回は、本製品の魅力をPC接続、動画再生能力の両面から探っていこう。

3系統入力を備え、スピーカーや電源も内蔵したスリムデザイン

「ProLite E2209HDS」は、21.5インチ(55センチ)の高精細ノングレアパネルを採用した液晶ディスプレイだ。1920×1080ドットというフルHD対応の解像度は、映像コンテンツやゲーム機との相性がすこぶるよい。シンプルなデザインはオフィス、ホームどちらの環境にも馴染みやすいうえ、電源やスピーカーが本体に内蔵されており、必要最小限のスペースで設置できる。本体カラーはピュアホワイト/マーベルブラックの2色がラインナップされている。

そして、DVI-D、HDMI、VGAの3系統入力を備えている点に注目だ。豊富な入力端子により、「ProLite E2209HDS」一台にPC以外にも多くの機種を接続することができる。特にHDMI端子には地上デジタルチューナーやHDDレコーダー、PS3やXBOX360など、多彩なデジタル映像機器を接続可能。HDMIなら音声も同時に転送してくれるので、ケーブルの取り回しもすっきりする。標準でHDMIケーブル、D-SUBケーブル、DVI-Dケーブルの3本が付属。対応機器を接続する際に、別途ケーブルを用意する必要がない。

操作は、本体前面の右下に集約されている5つのボタンで行う。さらに輝度を下げ消費電力を低減するエコモードを備えており、うまく利用すればコスト削減に繋がる。オフィスでの使用や長時間の表示など、電気料金が気になるような状況で適宜使うといいだろう。

前面の様子。奇をてらったところのないシンプルなデザインだ 背面にはVESAマウントが配置されている
横からの様子。電源やスピーカを内蔵しながらもスリム 前面右下の操作パネル。一番右の電源ボタンを含めて5つだ
入出力端子。左からHDMI、DVI-D、VGA、スピーカ入出力となる スタンドを外した状態。この状態で梱包されている
HDMI、DVI-D、VGA、音声ケーブルが付属する