パソコンがなくてもプレゼンテーションできるプロジェクターをご存知か。パソコンのセキュリティ管理だけでなく、実は営業そのものすら変えるポテンシャルがあるという。PCレスのプレゼンを実践しているある営業マンの一日を追ってみると…。

PCレスでプレゼン時の荷物が半減

毎日コミュニケーションズで広告営業を担当する佐藤大吾さん(仮名)。この日は、朝から緊張していた。担当する雑誌「システム開発ジャーナル」に関して、一日に3件のプレゼンテーションが控えているのだ。企業と代理店を回り、さらに帰社して営業会議で報告しなくてはならない。資料は完璧に作ったし、練習も怠りなくやった。それでも落ち着かず、この日は早めに出社して準備することにした。

カシオ XJ-SC215

まず取り出したのは、カシオの最新型プロジェクター「XJ-SC215」だ。最薄部の厚さわずか32mm、B5ファイルサイズで1.8kgという軽さ。これで2,500ルーメンという明るさを備え、さらにスピーカーも内蔵している。ノートブックパソコン並みの大きさだから、薄型のビジネスバッグにもすっきりと収納でき、外出先への持ち運びが楽だ。それ以上にありがたいのが、「USBホスト機能」。プレゼン資料を保存したUSBメモリーを挿しこめば、パソコンがなくてもプロジェクターだけで投映ができる。つまり、パソコンを持ち歩く必要がない。荷物が半分ですむ。

セキュリティの問題で、社内パソコンの持ち出しを禁止する企業が増えている。万が一盗難にでもあえば、重要な機密情報が漏洩しかねないからだ。毎日コミュニケーションズも例外ではない。プレゼンで社外にパソコンを持ち出す機会が多い営業部にいち早くこのプロジェクターが導入された背景には、そんな事情があった。しかも、指紋認証機能付きUSBメモリーを使えば、指紋を登録した人間以外はファイルを開けないので安心だ。

電源を入れUSBメモリーを挿すだけでセッティング完了

佐藤さんがまず訪れたのは市ヶ谷にあるインフロー社。プリント基板のインターネット通販サイト「P板.com」で躍進するベンチャー企業だ。広告を出してもらう内諾が取れ、今日は社長直々にプレゼンして決裁をもらう。佐藤さんは、ビルの前で大きく深呼吸して「頼むぞ!」とばかりにバッグの中のプロジェクターに触れてから、玄関に足を踏み入れた。

通された会議室で、社長が来る前にプロジェクターをセッティングする。バッグから取り出して電源をつなぎUSBメモリーを挿しこめば、完了。呆気ないほど簡単だ。以前は、パソコンと接続して起動するのを待たなくてはならなかった。ケーブル類の配線も面倒だった。また、部屋の明るさ調整をお願いしなければならない場合もあった。クライアントを前にあたふたして恥をかき、肝心のプレゼンで失敗したこともある。このプロジェクターになってからは、とにかくスピーディ。時間が限られたプレゼンにも余裕で取り組める。

すっかり準備も整ったところでドアが開き、田坂正樹社長が現れた。学生時代から起業家を目指した田坂社長は、2000年に独立。2002年にはインフローを設立し、「P板.com」を立ち上げた。若手起業家として、佐藤さんもかねてから憧れていた人物だ。今回「システム開発ジャーナル」に広告を出してもらうことになり、最終的に田坂社長の決裁をもらう。成否は、このプレゼン如何。佐藤さんはさっそくプロジェクターを投映して、プレゼンにとりかかった。

2,500ルーメンという明るさのおかげで明るい部屋でも鮮明な画像が投映される

投映される画面を熱心に見入る田坂社長。その人柄もあって、佐藤さんは落ち着いてプレゼンを進めることができた。

「表紙や写真がとてもきれいですね」田坂社長の反応はいい。

「このプロジェクターは、「ACTIVE COLOR」という新しい技術のおかげで、白の美しさはそのままに、黄色や肌色はより自然に、赤や青はより鮮やかに再現してくれるので、表紙やグラビア本来の美しさがお分かりいただけたかと……」

「たいへんよく分かりました」プレゼンの中味は合格だったようだ。

インフローの田坂正樹社長。PCレスのプレゼンにも興味津々

いくつか質問があった後で、田坂社長はIT企業のトップらしく、佐藤さんが持参したプロジェクターに話題をふった。「このプロジェクター、PCレスとはいいアイディアですね」

「そうなんです」と、佐藤さんもついついこのプロジェクターの便利さを話し出す。いつの間にか、二人はプロジェクターの話で盛り上がっていた。田坂社長ともすっかり意気投合して、プレゼンは大成功。その場で広告のOKをもらうことができた。



取材協力:株式会社 インフロー


・プリント基板ネット通販「P板.com(ピーバンドットコム)」を運営
 プリント基板設計、製造、実装、メタルマスク販売をサイト上で完結するサービスとして提供。
 試作から量産に関わる、リジット基板からフレキシブル基板までニーズに対応できる幅広いサービスを提供しています。
 国内約6,000社との取引実績、約14000名のユーザー登録。

・電気・電子エンジニア向けSNS「@ele(アットマークエレ)」を運営
 回路図データベース構築を目的とした、電気・電子エンジニア向けのSNS。会員数約1600名。

広角2倍ズームレンズで部屋の大小に関係なく最適画面

幸先よくスタートしたこの日のプレゼン、午後からは銀座のN社へ。今度は、広告代理店への売り込みだ。広告のプロを相手にするプレゼンだけに、これまた違う意味で緊張する。セッティングに手間はかからないが、気持ちを落ち着かせようと、佐藤さんは少し早めに会議室に到着した。

「すみません、ちょうど狭い部屋しか開いてなくて」担当者が申し訳なさそうに謝る。広い部屋がふさがっていて、小さな部屋になったらしい。

「全然問題ありませんよ」

以前だったらプロジェクターからスクリーンまでの距離で頭を抱えたところだが、このプロジェクターならまったく問題ない。というのも、このプロジェクターは「広角2倍ズームレンズ」を搭載しているからだ。スクリーンからの距離が近くても遠くても、常に最適な画面サイズで投映できる。部屋の大小で画面が小さくなったり大きくなったりして見ずらいということがない。1.7メートルという至近距離からでも60型のスクリーンいっぱいに投映できる。

担当者が複数出席してプレゼンが始まった。今日二回目のプレゼンとあって、スムースだ。だが、広告のプロたちからは、さすがに鋭い質問が次々と飛ぶ。ひとつひとつ丁寧に答える佐藤さん、どうにかすべてに対応できた。反応は概ね良好で、同社からも広告展開で協力してもらえる約束を得ることができた。

広角2倍ズームのおかげで至近距離からでも大画面で投映できる

佐藤さんがホッとしたところへ、声がかかった。

「一点だけ伺っていいですか?」先ほどから難しい顔でスクリーンを見つめていた人だ。佐藤さんは緊張した。

「プレゼンで見せていただいた動画ですか、何か特殊な形式ですか?」

プレゼンの中味ではないのかと、ちょっと気が抜ける。「一般的な動画ファイルですが、何か?」

「動きがなめらかだったので」話は、プロジェクターのことだった。

従来のデータプロジェクターは使用後しばらくの間、クールダウンのために電源コードを抜かずに待つ必要があった。 XJ-SC215は電源コードをすぐに抜いても大丈夫なので、さっと片付けて次の現場へ出発できる

「このプロジェクターは、デジタルシネマの上映にも使われているDLP方式なので、動きの速い映像もなめらかに再現できるんですよ」

またしても、プロジェクターの話題で盛り上がった。

ついつい話が長引いて、気がつけば社で営業会議が始まる時間が近づいている。佐藤さんは、大急ぎで撤収に取り掛かった。といっても、このプロジェクターは電源を落としてすぐにコンセントを抜き、バッグにしまうだけ。以前のように、パソコンをシャットダウンしたり、配線コードを抜いたりといった面倒な作業は何もない。用件が終わると、さっと退席できるのが、営業としてはとてもいい。

PCレスが営業そのものを変える

会社に帰り着くと、会議室にすでにみんな揃っていた。

「すぐ報告してもらおうか」

部長の言葉に、佐藤さんはすぐプロジェクターをセットする。こんなときでも待たせずにすむところがいいと佐藤さんはいう。さっそく今日使ったプレゼン資料を投映しながら、インフロー社とN社に関する報告が始まった。三回目のプレゼンはさすがに疲れているはずだが、どれもうまくいっただけにむしろ心地よい。少し高揚した佐藤さんの報告に、みんなも聞き入っている。

営業部の会議でもPCレスのプレゼンは効果を発揮している

議題が別件の広告企画に移ってしばらくすると、連動して計画しているイベントの会場について部長から質問が出た。

「その場所の画像なら、私のケータイにあります」同僚から手が上がった。

「ではケータイの画像を投映しましょう」佐藤さんは、携帯電話用のUSBケーブル(市販品)を取り出した。

USBマスストレージ対応の携帯電話ならば、ケータイ内のメモリーカードをUSBメモリーと同様に扱えるのだ。即座に同僚の携帯電話にあった画像が投映された。

「佐藤君が仕切ると商談も会議も進捗が早いな」会議の最後に部長が笑顔で言った。

最後のプレゼンも首尾よく運んだ。何事もうまくいった日は気持ちいい。不安だった朝の自分が嘘のようだ。一緒に戦ってくれたプロジェクターを棚にしまいながら、佐藤さんは今日一日を振り返った。

PCレスのプレゼンは、自分の営業を大きく変えたと佐藤さんはいう。最初は、荷物が減ったとか、セッティングが楽になったという物理的な面しか思わなかったが、その結果、いつの間にかゆとりが生まれ、プレゼンそのものに注力できる時間やエネルギーが飛躍的に増えていたというのだ。

「たしかに今から思うと、以前はPCとプロジェクターに振り回され、機械の都合に合わせてプレゼンを行っていた気がします」

目に見える違いも大きいが、それ以上に大きいのが目に見えない部分での違いだと佐藤さんはいう。PCレスで生まれるプレゼンの効果を、ぜひ体験して欲しいと、佐藤さんは自信たっぷりにすすめてくれた。

(マイコミジャーナル広告企画)

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