FMV-BIBLO NFシリーズ(写真はNF50XN [本体色:ラベンダー選択時] )

9月3日に富士通が発表した、同社のFMV-BIBLOシリーズの秋冬モデル。このうち15.4型ワイド液晶を搭載する、スタンダードモデルがFMV-BIBLO NFシリーズだ。夏モデルからスペックの強化が図られているのはもちろんのこと、最上位モデルにはNFシリーズとしては初めて地上デジタルテレビチューナーやFeliCaポートを内蔵したのが大きなトピックだ。

また、同社の直販サイト「WEB MART」でもNFシリーズのカスタイムメイドモデルを発売。こちらでは、CPUやHDD、メモリ、各種機能を自由に選ぶことで好みのスペックのPCを予算に応じて購入することができる。また、一部製品は筺体カラーの選択も可能だ。スタンダードモデルという位置付けではあるが、カスタマイズ次第でハイスペックな機能構成も可能だ。

ここでは、FMV-BIBLO NFシリーズのWEB MART限定販売モデルである「FMV-BIBLO NF75XN/D」(以下、NF75XN/D)と「FMV-BIBLO NF50XN」(以下、NF50XN)を徹底的にチェックしてみたい。

誰からも愛されそうな絶妙のデザイン

今回取り上げる2製品のうち、NF75XN/Dは新設計された筺体デザインを採用している。このデザインはレザーブラックを基調に、全体にフォーマルな印象を与えるもの。コンシューマ向け製品では珍しくなった質感の高いボディが特徴で、スタンダードモデルながら高級感すら抱かせるほどだ。質感が高いとはいえ、素材が全面に出たゴツゴツした感じはなく、多くの人に受け入れられるであろう絶妙のデザインになっている。

富士通の「FMV-BIBLO NF75XN/D」。レザーブラックを基調とした質感の高いボディが特徴

一方のNF50XNは、夏モデルと同一の筺体デザインである。店頭販売モデルの「FMV-BIBLO NF50X/V」はヴィーナス・ホワイトになるが、WEB MARTのNF50XNでは、ヴィーナス・ホワイトのほか、レザーブラックとラベンダーを選択することができる。こちらはNF75XN/Dに比べてファンシーなデザインテイストを持っているので、カラーを選べるのは嬉しい。

富士通の「FMV-BIBLO NF50XN」。写真はヴィーナス・ホワイトモデルとなるが、他にレザーブラック、ラベンダーのカラバリが用意される

WEB MARTでしか手に入らない限定カラーのラベンダーモデル

また、本体サイズは両製品とも360(幅)×265(奥行き)×33.5~38.2(高さ)mm。A4大の本体ながら高さは40mmを切っており、非常に薄い印象を受ける。このスリムな雰囲気も、本製品のデザイン性の向上に一役かっている。

各インタフェースの配置は写真に示すが、主要なインタフェースは本体右側面と背面に配置されている。有線LANやビデオ出力端子などの、本体を一定時間以上は据え置いて使うときに利用するインタフェースは背面へ、バッテリ稼働させるときなど場所を問わず使うインタフェースは右側面へ集めているようだ。慣れてくると、背面や側面へ都度顔を向けることなく感覚的にインタフェースへ手を伸ばせるようになるだろう。

また、とくにノートPCにおいては重要な拡張端子といえるUSBは5ポートと十分な数を装備。しかも、右側面と背面左右の3か所に割り振って配置されており、周辺機器・デバイスを接続するにあたり、机上レイアウトが限定されず便利だ。ユーザーの使い勝手が非常に考慮されている印象を受ける。

NF75XN/Dの右側面。左からExpressCardスロット、PCカードスロット、ダイレクト・メモリースロット、USBコネクタ、IEEE1394端子、電源端子の順に並ぶ

NF75XN/Dの左側面。スーパーマルチDVDドライブと、その直下に地デジチューナー用のB-CASカードスロットを備える。本体後ろ方向には後述のデジタイザ用ペンが収納されている

NF75XN/Dの背面。左からセキュリティロックスロット、USBコネクタ×2、LAN、ビデオ出力、D-Sub15ピン、USBコネクタ×2、地デジチューナー用アンテナ入力端子を備える

NF75XN/Dの前面。下部、向かって左から無線LANのオン/オフ切り替えスイッチ、ヘッドホン/ラインアウト兼用端子、マイク/ラインイン兼用端子を備える

NF50XNの右側面。左からExpressCardスロット、PCカードスロット、ダイレクト・メモリースロット、USBコネクタ、IEEE1394端子、電源端子の順に並ぶ

NF50XNの左側面。スーパーマルチDVDドライブのほか、本体後ろ方向にはワンセグチューナー用のアンテナ入力端子を備える

NF50XNの背面。左からセキュリティロックスロット、USBコネクタ×2、LAN、ビデオ出力、D-Sub15ピン、USBコネクタ×2を備える

NF50XNの前面。下部、向かって左から無線LANのオン/オフ切り替えスイッチ、ヘッドホン/ラインアウト兼用端子、マイク/ラインイン兼用端子を備える

スリムスタイルに凝縮された高性能パーツ

夏モデルに比べて地道なスペック強化が図られている本製品。NF75XN/Dは夏モデルから引き続き、インテルのCore 2 DuoとIntel GM965 ExpressチップセットをベースとしたSanta Rosaプラットフォームを採用しているが、CPUはL2キャッシュが4MBのCore 2 Duo T7500を搭載でき、パフォーマンスはより高くなっている(T7250選択時のL2キャッシュは2MB。ちなみに店頭モデルではCore 2 Duo T7250を搭載)。この点もWEB MARTモデルの大きな魅力といえるだろう。

一方のNF50XNはコスト重視のモデルのためか、WEB MARTモデルでもCPUは固定されているが、メモリ容量やHDDの選択は可能だ。とくにHDDはユーザーの使い方によって必要とされる容量が大きく異なるパーツだが、NF75XN/Dは120/160/250GB、NF50XNは80/120/160GBから選択できる。

また、NF75X/Dは上位モデルとしてパフォーマンスを改善する重要な機能が二つ盛り込まれている。一つはPCのパフォーマンスにおいて最大の障壁ともいえるHDD速度を改善する「Turbo Memory」である。もう一つが802.11n ドラフト 2.0に対応した無線LANだ。とくに後者はWEB MARTモデル限定で選択できる機能であり、より高速な通信環境を望むならば、迷わず搭載したい機能である。なお、802.11g/bに準拠した無線LANならNF50XNも搭載可能なので安心してほしい。

このほか、ノートPCの製品の良し悪しを決める大きな要素となる液晶ディスプレイは、同社ではおなじみとなっているスーパーファインDXII液晶を搭載。非常に鮮やかな見栄えながら、誇張のない素直な色が印象的だ。輝度ムラも少なく、写真や動画を楽しむうえで、この発色や輝度に対して不満は出ないと思う。また、15.4型ワイドに1280×800ドットという解像度も適切で、文字の視認性も良い。

NF75XN/Dは、1280×800ドットの解像度を持つ、15.4型ワイドスーパーファインDXII液晶を搭載

NF50XNも1280×800ドットの解像度を持つ15.4型ワイドスーパーファインDXII液晶を搭載するが、カスタムメイドによりスーパーファイン液晶へ交換も可能