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未来のクルマはここまでできる! データ活用が後押しする自動車社会の発展

[2020/01/29 08:00]周藤瞳美 ブックマーク ブックマーク

自動運転が発展した後の世界のキーワードは「オーグメンテッド」

ここからは、ハンズオフで自動車が運転できるようになった後の社会を考えてみよう。そこには、自動車業界の共通の問題が発生する。「手を離したときに、やることがなくなるのがつらい」(上田氏)という問題だ。人が運転をしなくて済むようになると、これまで運転を通して得られてきたワクワクやドキドキのあり方が変わってしまうということだ。

「自動運転が現実のものとなった際には、アクセルやハンドルに触る必要がなくなるため、自分の運転で坂道を登ったり追い越し車線で追い抜いたりといった運転手ならではの体験や楽しみがなくなってしまいます」(上田氏)

この問題にどうアプローチすべきだろうか。日産は、車の歴史を紐解くことでヒントを得ようとしている。自動車には、エアコン、ラジオ、テレビ、電話など、家の中にあったものが徐々に搭載されるようになってきたという歴史がある。

そこで発案されたのが「車内のエスプレッソマシン」だ。ハンズオフで運転できるのであれば、自分でコーヒーを入れて飲むことができると考えた。”Can Coffee”という名前で実際に試験的に開発されたこの案に対して、「バリューはある」と上田氏は自信を見せる。

「家に帰れば本物のコーヒーを入れて飲めることはわかっていても、車で本格的なコーヒーを飲めると嬉しいものです。これは、新幹線の車内販売でついコーヒーを注文してしまうときの感覚と似ています。ANAが機内食で博多一風堂のラーメンを提供しているのも同じような動機でしょう。限られた環境で『本物 = オーセンティック』を味わうことにバリューがあるのではないでしょうか」(上田氏)

車内エスプレッソマシンを事例に自動運転実現後の社会のキーワードとして「オーセンティック(authentic)」を挙げた上田氏だが、彼はさらにその先を見据えている。鍵となるのは「オーグメンテッド(Augmented)」だ。

上田氏は「生のオーケストラよりも良い音とされるハイレゾ音源や肉眼よりきれいな8K動画など、今や現実を超えた『オーグメンテッド』な表現を実現する技術が登場してきている。デジタルの力を借りるとオーセンティックのさらにその上を行ける可能性がある」とした上で、CES2019で日産が発表した次世代技術「Invisible-to-Visible(I2V)」は、コミュニケーションという価値にオーグメンテッドの技術を当てはめたものであることを説明した。

I2Vは、端的に言うと3Dアバターとのドライブを楽しめる技術だ。コミュニケーションの相手は仮想のキャラクターの姿をしているが、実際にコミュニケーションをとる”中身”は本物の人間という点で、オーグメンテッドな技術であると言える。

「仮想世界の”メタバース”から3Dアバターを現実の車の世界に持ち出すことができる。”メタバース・コネクティビティ”はコネクティッドカーの次を担う技術になると考えている」(上田氏)

* * *

上田氏は講演の後半で、空気抵抗値の予測や画像認識による車種推定、GANによる車のデザインなど、自動車業界におけるAIの活用事例についても紹介していた。コネクティッドカーもAI活用も、基本的には「データ」の存在が大前提となっている。未来のクルマを支える技術は、データ活用をベースに現在も日々進歩しているのだ。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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