ドローン×深層学習で破損をチェック - 除染事業でも活用されるAI

[2019/02/08 08:00]星原康一 ブックマーク ブックマーク

ソリューション

福島県南相馬市の除染事業。ここでもGoogleのTensorFlowによる深層学習(ディープラーニング)技術が活用されている。

南相馬市仮置場維持管理 竹中工務店・竹中土木・安藤ハザマ・千代田テクノル共同企業体(以下、JV : Joint Venture)およびエアロセンスでは、除染除去土壌の管理業務において、ドローンを飛ばして人の目で確認できない部分を撮影。撮影画像をAIに読み込ませ、通気性防水シートに破損がないかを確認している。

AI技術がどのように使われているのか、導入背景も含めてご紹介しよう。

除染除去土壌を管理する

南相馬市では、東日本大震災での福島第一原子力発電所事故の影響により、除染作業が必要になった。

市の委託を受け、JVが生活圏の除染を実施。作業で生じた除染除去土壌を専用の土嚢に入れ、汚染されていない土を上に詰めた後、土嚢の口を閉じ仮置場へ移送した。

同社は現在、市内36箇所にある仮置場で除染除去土壌を保管する。放射性物質が飛散・流出しないよう管理を徹底している。

仮置場の様子。グレーのシートがかぶせられた山(セルと呼ばれる)には、土嚢に詰められた除染除去土壌が保管されている。高さは3m~5m、広さはセルによって異なるが、平均1500m2程度。市内36箇所の仮置場に160のセルがある

保護シートにカラスが穴を!!

仮置場では、数百個の土嚢をまとめ、底面、上部、側部に専用の通気性防水シートを被せて保管。雨水などの浸透による汚染土壌の漏れを防いでいる。

南相馬市仮置場維持管理 JV 副所長 鶴岡 孝章氏によると、このシートが破損するケースがあるのだという。

「保護シートの紫外線による劣化は当初から考慮しており、仮置場の想定運用年月に耐えうる素材を選んでいます。しかし、想定外だったのは、鳥獣の影響。仮置場で土嚢を保管して間もなく、カラスがシートをついばむ姿があり、1円玉サイズの穴が発見されたんです。急遽対策を講じることになりました」(鶴岡氏)

鳥獣の侵入を防ぐのか、破損を見つけて補修して回るのか、対策が検討されたが、鳥獣を防ぎきるのは難しいと判断。定期点検によりシートの状態を確認する運用を選んだ。

シートにはところどころに補修の跡(画像中央の黒い長方形の枠)がある

当初は各セル(除去物格納区画)の上に作業員が登り、破損を確認していたが、セルの高さは3~5m。凹凸があり不安定なため大きな危険が伴う。

そこで、建築・土木現場での測位・測量においてドローンの活用実績が豊富なエアロセンスに相談し、空撮画像でシートに破損がないかを確認することになった。

セルの撮影に使用するドローン。エアロセンスが開発

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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