ガートナー ジャパンは4月25~27日、都内にて「ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント & データセンター サミット 2018」を開催した。2日目には、同社バイス プレジデント 池田武史氏が登壇。「IoTサバイバル:デジタル・ビジネスを実現するために注目すべきテクノロジ」と題し、IoTの「今」、そして「今後」に向けて企業が取り組むべき課題について解説を繰り広げた。本稿ではその模様をレポートする。
調査結果から見る「IoTの現状」
デジタルビジネスの中核的なテクノロジーとして注目を集めているIoT。多くの企業が取り組みを進め、さまざまな成功事例も出始めてきた。しかしIoTの取り組みが本格化するのはこれからだ。池田氏は、「IoTを取り巻く現状」「注目すべきIoT関連テクノロジー」「デジタル化による”破壊”に備えるための方策」の3つの論点で、IoTの”これから”を解説した。
まず、IoTを取り巻く現状については、ガートナーが2018年2月に実施した調査が紹介された。同調査では、IoTを「導入済み」「早期導入を検討中」「導入は検討していないがビジネスに大きなインパクトをもたらすと考えている」という企業は合わせて約57%に達した。これはAIの約59%に次いで2位という状況だ。
これを踏まえ、池田氏は「IoTは引き続き高い関心を集めています。2017年にはIoTの取り組み事例が数多く発表されました。これは数年かけて試行錯誤を重ね、ようやく発表されたものです。実際のビジネスの成長はこれから始まります」と説明する。
ユーザーだけでなく、ベンダー間でもIoTプラットフォームの提供や提携が進んでおり、規制の緩和や税制優遇など、政府や関係省庁の期待も高まっている。
「IoTはまだまだ初期の検証が続いている状況です。ここで取り組みを止めるのでなはく、自信を持って継続することが重要です」(池田氏)
では、IoTに関連して注目しておくべきテクノロジーとは何か。池田氏はまずユーザーを対象に行った調査の結果を示しながら「セキュリティ、センシング、制御、ワイヤレス通信といった『モノ』に近いところへの関心が高い傾向が見られました。一方で、データの蓄積や分析のためのプラットフォームなどにはまだ手が着いていません」と解説する。
ガートナーの調査では、IoTのテクノロジーについて「注目し、検証を始めている」「関心はあるがテクノロジーが未成熟なため手が着けられない」「関心はあるがテクノロジーのわかる人材がいないため手を着けられない」の選択肢を設けて質問しているが、回答はそれぞれ約3分の1ずつに分かれたという。つまり、特定のテクノロジーに対して関心が強いというのではなく、全体的に同じような度合いで関心を寄せているわけだ。
実際、IoTではAIやディープラーニングという技術だけに特化した取り組みを行っても成果に結びつきにくい。そこで重要なのが、さまざまなテクノロジーを組み合わせる総合的な取り組みだ。池田氏によれば、これから注目すべきテクノロジーとして「センサー」「ネットワーク」「IoTプラットフォーム」「デジタルツイン」「セキュリティ」という5つの領域があるという。
センサーは、ユーザーから関心も高く、取り組みも比較的進んでいる領域だ。だがセンサーは現実世界のさまざまな変化を量的に変換し、計測するデバイスとして非常に多岐にわたる。例えば、長さや距離、角度といったものから、温度、湿度、振動、電磁波、位置情報、生体情報、味覚などもある。池田氏は「サービスにどのようなセンサーが必要かや、それを手に入れられるかどうかなどを把握することが、これからの新しいチャレンジです」と、成熟度を見極めることが重要だと強調した。
※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。
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4月25日~27日に開催された「ガートナー ITインフラストラクチャ、オペレーション・マネジメント & データセンター サミット 2018」では、ディー・エヌ・エー 経営企画本部 IT戦略部 部長 成田敏博氏が登壇。「次代を見据えるDeNAのIT戦略」と題し、同社のIT戦略と具体的な施策の内容について語った。
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