日本マイクロソフトは9月7日、報道陣向けにWindows 10の法人ビジネス説明会を開催した。同社によれば、Windows XPのリプレース需要があった2014年4月以降の販売不振がここのところ改善されており、Windows 10がリリースから1年を迎えたことも合わせて再びPCに対するニーズが伸びているのだという。

日本マイクロソフト Windows & デバイス本部 Windowsコマーシャルグループ シニアエグゼクティブプロダクトマネージャー 浅田 恭子氏

タッチ対応やデザイン性の向上が新しい需要を生む

需要が拡大している理由について、日本マイクロソフト Windows & デバイス本部 Windowsコマーシャルグループでシニアエグゼクティブプロダクトマネージャーを務める浅田 恭子氏は「デザイン」「新しい体験」「パフォーマンス向上」の3点を挙げる。

デザイン面では、シルバーや黒色でクラムシェル一辺倒になりがちだったビジネスPCが「法人向けにもデザインの多様性が生まれている」(浅田氏)状況に変わっており、中には会社イメージの向上に繋がるといった理由でSurfaceなどの導入が決まった例もあるそうだ。

Surfaceなどのデバイスがもたらす効果は、デザイン面だけでなく、機能面にも表れている。現行のPCはWindows 7以前のタッチ操作非対応のケースがほとんどであるため、Windows 10世代で新たな操作性が付加されているケースが多い。これが「新しい体験」に当たるもので、デタッチャブルなどの2-in-1 PCへの置き換えは操作性を一新するいい機会にも繋がる。

タッチ操作自体は、すでにスマートフォンで体験しているビジネスパーソンも多いため、新たな社員教育もあまり必要がない。これに加えて、Windows Helloと呼ばれる生体認証を用いてセキュリティを保つ機能をOSレベルでサポートするため、利便性とセキュリティの両立を図る意味でも、デバイスの更新はしかるべき時期と言えるだろう。

最後の「パフォーマンス向上」では、これもSurfaceに代表されるように、ラップトップPCの高解像度化が進んでいる。横2000ピクセル以上の端末が数多く登場しており、高解像度に合わせた処理性能の向上も図られている。そもそもWindows 10はモバイル化、クラウド時代を前提にOSが最適化されていることから強力なマシンパワーを必要としない。その上でハードウェアの強化も進んでいることから「ワークステーションのモバイル化が進んでいる」と浅田氏もその性能に太鼓場を押す。

IDC Japanの予測では、2-in-1デバイスの伸長などで出荷台数増となるようだ

3つの要素が支持されていると日本マイクロソフトは語る

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