アジャイル開発のアウトソーシングを「うまくやる」方法とは?

[2017/06/20 08:00]冨永裕子 ブックマーク ブックマーク

開発ソフトウェア

ガートナーが提唱する「バイモーダル」なアプローチでは、「モード1」と「モード2」のそれぞれの特性に応じたIT構築・運用が奨励される。本稿では、俊敏性を重視するモード2に適したアジャイルアプローチでのIT調達方法に焦点を当て、6月5日~6日に開催された「ガートナー ソーシング & 戦略的ベンダー・リレーションシップ サミット 2017」におけるガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼最上級アナリスト ギルバート・ヴァンダー・ハイデン氏の講演「アジャイル・プロジェクトにおけるアウトソーシング活用法」の内容を紹介する。

アジャイル開発と「DevOps」

IT部門がこれまでなじんできた手法と、アジャイル開発とでは何が違うのだろうか。「アジャイルはより早いデリバリーにフォーカスしたアプローチであり、『スプリント』と呼ぶ単位で複数の実装を繰り返しながら、ビジョンを実現していくもの」だとハイデン氏は説明する。

ガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼最上級アナリスト ギルバート・ヴァンダー・ハイデン氏

例えば、ビジョンを「半永久的に使える電球を作ること」とした場合、いきなりの実現は難しい。最初は白熱電球をリリースするのが1つのステップになる。そして次のステップ、また次のステップで新しい機能を追加して、徐々にビジョンの達成を目指すわけだ。

アジャイル開発の進め方/出典:ガートナー(2017年6月)

ハイデン氏は、「一度に全部をやろうとせず、今はこれでいいと割り切って次のステップに移るようにすれば、結果的にTime to Market(市場に製品を投入までのスピード)を短縮できます」と解説する。

では、アジャイル開発ができるベンダーへの業務委託はどのようにすればいいのか。モード2の開発において、ビジネスユーザーとの間に摩擦が起きやすいのは変更管理の分野だ。モード2のビジネスユーザーは、要求を伝えたら即座に対応してほしいという気持ちが強い。極端な場合は、リリースの当日に変更を要求することすらある。問題は、その要求がしばしば市場からのものであり、迅速に対応せざるを得ないことだ。

この悩みを解決するのが、開発チームと運用チームが共同の責任を持つ「DevOps」の考え方だという。運用チームの開発への関与、さらにはビジネス部門のメンバーの参加は、デリバリーの速さへの必須条件になるというわけだ。

アジャイル開発で成功するための5つのコツ

アジャイル開発を外部のサービスプロバイダーと協力して進めるにはどうしたらいいのか。ヴァンダー・ハイデン氏は、アジャイル開発のソーシングで成功するためのコツとして以下の5項目を紹介した。

  1. アジャイルをアウトソースする
    最初はアウトソースが現実的だ。しかし、アウトソーサーだけに全てを任せるのではなく、IT部門自身で自立性を高め、外部への依存を徐々に減らすことが求められる。
  2. DevOpsを文書化する
    サービスプロバイダーに業務の一部を依頼する場合、双方の責任を明確にし、文書に基づく契約を結ぶことは不可欠な作業となる。
  3. 成果ごとに支払う
    多くの開発プロジェクトではタイムアンドマテリアル契約(定額制)を採用しているが、アジャイルはスプリント単位の開発となる。そのため、「何ができたか」の成果単位で支払う方法が適している。
  4. 継続的に改善する
    アジャイル開発は継続的な改善を行っていく手法だ。そのため、改善がうまくいっているかどうかを評価する評価指標を用意する必要がある。
  5. 失敗しないことを目指す
    アジャイル開発にはお金も時間もかかるため、各スプリントや成果にコミットするように心掛ける。仮に失敗するにしても、何か得られるモノがある早い段階で失敗するほうがよい。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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ガートナー ジャパンは6月5日~6日、「ガートナー ソーシング & 戦略的ベンダー・リレーションシップ サミット 2017」を東京都内にて開催した。本稿では、同カンファレンスで登壇したガートナー リサーチ部門 バイスプレジデント兼最上級アナリスト ギルバート・ヴァンダー・ハイデン氏による講演「アジャイル・プロジェクトにおけるアウトソーシング活用法」の内容をお届けする。

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