ラトビアのエンジニアに驚嘆! Zabbixは経営層も対象へ - Zabbix Conference Japan 2016

[2016/12/01 08:00] ブックマーク ブックマーク

業務アプリケーション

「プロジェクト開始18年目にして、初めてほぼ予定通りにリリースできました(笑) 3.0 LTSリリース時に3.2を6ヶ月で出すと宣言しましたが、わずか3週間遅れで実現できました(笑)」

――東京都港区の品川フロントビルで開催された「Zabbix Conference Japan 2016」の基調講演、冒頭の一幕である。

Zabbix CEO、アーキテクト 兼 製品マネージャーのアレクセイ ウラジシェフ(Alexei Vladishev)氏

登壇者は、Zabbix社の創設者で、同社 CEO、アーキテクト 兼 製品マネージャーを務めるアレクセイ ウラジシェフ(Alexei Vladishev)氏。OSS監視ソリューション「Zabbix」の生みの親であるウラジシェフ氏自らが来日し、最新版の機能や今後の方向性について解説した。

本稿では、同カンファレンスで用意された14のセッションの中から、ウラジシェフ氏による基調講演と、Zabbix Japan 代表の寺島 広大氏による講演の模様をご紹介しよう。

年間200万DL! モンスター級の監視ソリューション

Zabbixは、100% OSS(Open Source Software)として開発されているエンタープライズ向け監視ソリューションである。15言語に対応し、10万以上のプロダクトを監視対象としてサポート。年間ダウンロード数200万回を誇る。

開発母体のZabbix社は本社をラトビアに構えるが、2012年には初の海外法人としてZabbix Japanが設立。国内でも40社のパートナー企業を抱えており、ユーザー企業はかなりの数に上る。

最初のバージョンをリリースしてから18年が経つが、開発は停滞するどころか、勢いを増している。ウラジシェフ氏は、2016年の活動について「2月に3.0 LTSを、9月に3.2をリリースし、アクティブな年だった」と振り返る。活発に活動し、予定通りに進められたのは、「45名の正社員をはじめとする開発関係者の努力と、プランニングがうまくいったため」と、成功要因を挙げた。

そのうえで、同氏は相次いでリリースした3.0 LTSと3.2のターゲットについて次のように補足した。

「3.0は、LTS(Long-Term Support)版で5年サポートを保証しているので長期的に使いたい方を対象にしています。一方で、3.2は通常版なので、サポート期間は次のバージョンがリリースされるまでの6ヶ月間の予定。最新版が出たら、そちらを適用してもらう想定です。このように説明するとLTS版を選びたくなる方もいらっしゃるかもしれませんが、通常版は最新機能が搭載されていくうえ、開発基準もLTSと同じなので品質に差があるわけではありません。その点を考慮して、どちらを選ぶか決めていただければ」

新版の目玉は、イベントタグと相関関係

では、3.2ではどういった機能が追加されたのか。

ウラジシェフ氏は、小さなものも含めるとかなりの数に上ると前置きしながら、大きな変更点として、「イベントタグと相関関係」による監視の簡略化機能を挙げた。

具体的には、3.2では監視イベントにタグが付けられるようになった。これにより、各障害やアラートに対して、どのような影響があるのかが障害画面から一目でわかる。

さらに、そのタグを使ってイベント同士の相関関係を定義する機能も追加。ホストごとに大量に送られてきたイベントを、サービス単位でまとめることが可能になり、どれが優先すべき問題なのかを判断しやすくなったという。

ウラジシェフ氏はこれらの機能に関して、障害の本質を見分けるのに有効な機能と説明。「今後の機能強化の土台になっていくもの」と、その重要性を強調した。

経営層が判断できるダッシュボードを

講演の最後にウラジシェフ氏は、Zabbixの将来の方向性にも言及。次期バージョンのZabbix 3.4と4.0 LTSで検討している機能強化について、以下の6つのポイントを挙げた。

  • 可視化とダッシュボード
  • よく使われている機器やアプリケーションの簡易設定監視
  • ビジネスレベル監視
  • より進歩したイベント収集
  • すべてのエンタープライズ環境のための包括的な監視 : 統合コンソール
  • 標準化

特に強調されたのが、可視化とダッシュボード。こちらは、経営幹部などの非エンジニアでも現状や今後の予測がわかるようにするというもので、「意思決定につながるダッシュボードを提供していきたい」という。

また、ビジネスレベル監視は、エンドユーザーのオペレーションレベルでサービスの品質を監視するというもの。さらに統合コンソールについては、複数ベンダーのハードウェア、ミドルウェアを導入しており、それぞれの監視ツールが動作しているような環境において、Zabbixでデータを吸い上げて1つのビューで情報提供するための機能になる。

そして、標準化に関しては、監視手順のベストプラクティスを提供していくほか、テンプレートの品質を統一するための基準などを設けていく方針だ。

ウラジシェフ氏は、一連のZabbixの開発方針に関して、「ビジネスニーズを確認してから、どういった新機能が求められているのかブレイクダウンして判断している」とコメント。今後もユーザーが本当に必要とする機能を追求していく考えを示して降壇した。

※ 本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合がございます。予めご了承ください。

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