豪州発のBIツールベンダー Yellowfin。2003年の創業以来、WebブラウザベースのBIツールを提供してきた。その簡易性や拡張性、他のWebアプリケーションとの親和性などが評価され、幅広いBI環境で同ツールが採用されている。

今回は、ユーザーイベントに合わせて来日した同社CEOのグレン・ラビー氏に、BIツールの開発方針や近日中に公開される新機能などについてお話を伺った。

Yellowfin CEOのグレン・ラビー氏

イノベーティブな機能を開発するには?

―― Yellowfinにはどういうユーザーが多いのですか。

大きく分けて2つのユースケースがあります。1つは、エンタープライズBIの現場で一般的なアナリティクスツールとして使われるケース。もう1つは、ソフトウェアベンダーが自社のサービスやプロダクトにYellowfinを組み込んで利用するケースです。

―― 後者のケースはどれくらいあるのですか。

我々のビジネスの半分は組み込み向けであると考えてよいでしょう。たとえば、米国のITサービス管理ソリューションベンダー BMCソフトウェアの製品や、印刷業向けのソリューションを提供する米KODAKのクラウドプラットフォーム「PRINERGY Cloud」に組み込まれています。サービスの提供形態も、SaaSやオンプレミスなどさまざまです。

―― いちばん多くのYellowfinユーザーをもつ企業はどこですか。

ユーザー数が一番多いのは、BMCソフトウェアです。BMCにもいくつか製品がありますが、一番シェアが大きいのは「Remedy」というカスタマーサポートのための製品で、Yellowfinはここに組み込まれています。

オーストラリアにあるネット求人広告最大手の企業では、6万のYellowfinユーザーを抱えています。

―― BMCなどのパートナーから要望をもらうこともあるのでしょうか。

もちろんです。ほとんどはインフラに関わるものですね。

―― イノベーティブな機能をリリースしていく一方で、パートナー企業らの改善要望にどこまで対応していくかということはエンジニアにとって難しい問題だと思います。判断基準はありますか?

多くのユーザーから同様の機能の要望があるかどうかは1つの判断基準になります。また製品をより多く売るために良いアイディアかどうかということも重要です。

ダッシュボードの新しいモジュールを開発していく中で、過去のエンハンスメント・リクエストにまとめて対応するということも行っています。

―― イノベーティブな機能を開発するためのアイディアはどのようにして出しているのでしょうか。

重要なポイントは3つあります。

1つ目は、BIツールベンダーはもちろん、さまざまなソフトウェアベンダーの市場動向を追うことです。2つ目は、顧客との対話です。どうすれば顧客の手助けになるようなものができるか、どうすれば利用してもらえるかを考えます。3つ目は、我々自身もYellowfinのユーザーですので、自分たちが必要としている機能は何かを考えることです。