アイファイジャパンは6月12日、無線LAN内蔵メモリカード「Eye-Fi」の新製品として、スマートフォン・タブレット端末への画像転送に特化した「Eye-Fi Mobiカード」を国内で販売すると発表した。同日より予約を開始し、14日から全国家電量販店やオンラインショッピングサイトで販売する。価格は8GBモデルが4,980円、16GBモデルが7,980円。

Eye-Fi Mobiカード

Eye-Fiカードは、無線LANを内蔵したSDカードで、カメラに挿入して撮影をすると、付近の無線LANアクセスポイントに接続して画像をインターネット経由で転送する機能を備えている。もともとは撮影画像を同社のWebサービスに保存し、PCやオンラインアルバムに転送するためのカードだったが、ダイレクトモードを搭載し、アクセスポイントがない環境でも、直接PCやスマートフォンなどに画像を転送できるようになっていった。

各カメラメーカーと連携し、Eye-Fiカード対応カメラを増やしている

ユーザーの多くはデジタル一眼レフやハイエンドコンパクトなど、スマートフォンカメラでは満足できないユーザー

今回発表したEye-Fi Mobiは、ダイレクトモードでの画像転送に特化した製品。アクセスポイントを使ったEye-Fiサーバー経由の画像転送には対応しない代わりに、Eye-Fiサーバーに接続するためのアカウント登録も不要にするなど、初期設定を簡単にした。

初期設定は、iOS/Android用のEye-Fiアプリをダウンロードし、付属のカードケース裏面に記載された10桁の英数字を入力するだけ。iOSの場合は無線LANの設定用のプロファイルがダウンロードされ、Androidの場合はそのままで設定が完了する。その後は、撮影をすると自動的にEye-Fi Mobiカードとスマートフォン・タブレット間でダイレクトモードでの接続が行われ、画像が転送される。

Eye-Fiアプリをインストールし、10桁の番号を入力するだけで登録が完了する

iOS端末の場合、ダイレクトモードのためのプロファイルがインストールされる

最新版のiOS版Eye-Fiアプリでは、ダイレクトモードでの接続状況が表示され、赤だと未接続、緑だと接続状態と分かる

従来のiOSとAndroidに加えて、Kindle向けにもアプリが用意されている

既存のカードだと、まずは周囲のアクセスポイントを検索し、それがない場合にダイレクトモードになるため、撮影から転送開始までタイムラグがあったが、Eye-Fi Mobiでは、最初からダイレクトモードで起動するため、より素早く接続が行われるようになっている。アカウントの登録も不要なため、初期設定時にネット接続が必要なく、買ってすぐに利用できる点もメリットだ。

米Roxioから4月に米Eye-FiのCEOに就任したMatt DiMaria氏によれば、Eye-Fiユーザーで撮影画像を全てサーバーに画像を転送する人は、サービス開始以来半減しているという。これは、まずはスマートフォンなどに画像を転送し、必要な画像だけをアップロードするユーザーが増えているからだ。

ユーザーの半数以上がモバイル端末での利用となっている

世界のPC出荷台数をタブレット端末の出荷台数が超えており、Eye-Fiのユーザーどうこうにも変化が起きているという

すでに、全体の55%がモバイル端末を経由した画像転送を行っており、特にタブレット端末の出荷増加に伴って、その割合も増加しているそうだ。

同社によると、スマートフォン、タブレットユーザーともに、カメラに画像転送機能が搭載されれば、カメラを使って撮影するというユーザーが多かったとのこと

同社ではNTTドコモと提携した既存製品「Eye-Fiカード01」を販売している。同製品は、 「スマホかんたん設定」機能を搭載し、10桁の数字で利用可能にしたほか、ダイレクトモードを出荷段階で有効化するなど、今回のEye-Fi Mobiに近い製品となっていた。