前回に引き続き、今年3月に発売されたエントリーユーザー向けのデジタル一眼レフ機・キヤノン「EOS Kiss X5」と「EOS Kiss X50」を比較していこう。デジタル一眼レフ入門者にとって両機を買うメリット、デメリットはなんだろうか?

操作性については、EOS Kiss X5は従来モデルを踏襲する。天面の電源スイッチを回して起動したあと、撮影モードはモードダイヤルで、絞りやシャッター速度はグリップ部の電子ダイヤルで選択する。露出補正やISO感度、ホワイトバランス、ドライブモードなどは、専用ボタン+電子ダイヤルによって設定する。従来機「EOS Kiss X4」と比べた場合、液晶のバリアングル化にともなって、ファインダーの下にあったアイセンサーが省かれた。またファインダー倍率は0.87倍から0.85倍へややスペックダウンしている。

EOS Kiss X5に単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」を装着

EOS Kiss X50に単焦点レンズ「EF50mm F1.8 II」を装着

いっぽうEOS Kiss X50は、起動や撮影モード選択などの基本部分は同じだが、よりビギナー層に配慮しているため、EOS Kiss X5に比べて操作ボタンの数が少なく、ボタンの配置や割り当ても少々異なる。

EOS Kiss X5のメニュー画面

EOS Kiss X50のメニュー画面

実感として操作面で大きな差を感じるは、シャッターまわりのレスポンスだ。EOS Kiss X5はエントリー機としては比較的きびきびしたレスポンスだが、EOS Kiss X50はシャッターボタンを押してから実際にシャッターが切れるまでの反応が鈍く、次のシャッターを押すまでにワンテンポ遅れる印象を受ける。EOS Kiss X50がもの足りなく思える部分だ。

EOS Kiss X5のカード/電池室

EOS Kiss X50のカード/電池室

起動時間やAFスピードについては、はっきりと体感できるほどの違いはなく、両機とも大きなストレスなく起動し、9点測距のAFはてきぱきと作動する。……つづきを読む